年代別・顔のたるみの改善法 – 20代から50代までの年齢別対策法

肌や筋肉の衰えは年齢とともに進行しますが、早めに適切なケアを習慣に取り入れることで、年齢に合わせたたるみの改善を期待できます。

20代のような若い世代でも、生活習慣やスキンケアによって将来のたるみを軽減できますし、30代以降はより具体的な対策や治療手段が増えます。

ここでは20代から50代までのそれぞれの年代で起こりやすいたるみの原因を踏まえ、ケアや治療方法を詳しく紹介します。フェイスリフトなどの手術を視野に入れる人も含め、たるみの改善を検討するきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人

百人町アルファクリニック 院長 荻野 和仁

荻野 和仁
百人町アルファクリニック 院長
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医学博士 日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会 会員

【略歴】
獨協医科大学医学部卒業後、岩手医科大学形成外科学講座入局。岩手医科大学大学院卒業博士号取得、2014年に日本形成外科学会専門医取得。大手美容クリニックの院長を経て2017年より百人町アルファクリニックの院長を務める。

百人町アルファクリニックでは、糸を使った切らないリフトアップから、切開部分が目立たないフェイスリフトまで患者様に適した方法をご提案していますが、若返り手術は決して急ぐ必要はありません。

一人ひとりの皮下組織や表情筋の状態に合わせた方法を探し「安全性」と「自然な仕上がり」を第一に心がけているため、画一的な手術をすぐにはいどうぞ、と勧めることはしていません。

毎回手術前の診断と計画立案に時間をかけすぎるため、とにかく安く、早くこの施術をして欲しいという方には適したクリニックではありません。それでも、リフトアップの施術を年間300件行っている実績から、患者様同士の口コミや他のドクターからのご紹介を通じ、全国から多くの患者様に当院を選んでいただいています。

このサイトでは、フェイスリフトやたるみに関する情報を詳しく掲載しています。どうか焦らず、十分に勉強した上で、ご自身に合ったクリニックをお選びください。もちろん、ご質問やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

目次

顔のたるみのメカニズム

年齢に関係なく、顔のたるみは皮膚とその下の筋肉や脂肪組織など、複数の要素が複雑に絡み合って起こります。若いうちはあまり気にならない場合でも、生活環境や遺伝的要素、紫外線などの影響で徐々に進行します。

ここではたるみの原因となる主なメカニズムについて説明します。

皮膚や筋肉の変化について

顔の表面には真皮、表情筋、脂肪組織などが層状になっています。真皮にはコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質があり、弾力とハリを生み出します。

しかし、これらの成分は加齢とともに減少し、肌の土台が弱くなると顔のたるみにつながります。さらに、表情筋が弱ることで皮膚を支える力が低下し、フェイスラインがぼやける原因にもなります。

表情筋の衰えが特に顕著になるのは、加齢とともに噛む力や表情をつくる回数が減ることが影響するとも言われています。意識して顔の筋肉を使わないと、筋力が落ちて重力の影響を受けやすくなります。

コラーゲンやエラスチンの減少

コラーゲンやエラスチンは、肌のハリを支える非常に重要な要素です。肌の潤いを保つヒアルロン酸とともに、これらの成分が豊富にある状態だと、肌は弾力を保ちやすくなります。

逆に加齢や紫外線、喫煙などの生活習慣でコラーゲンやエラスチンの生成が減ると、たるみの改善が難しくなる要因を作ります。

紫外線は真皮層のたんぱく質に直接ダメージを与えます。20代から日常的に日焼け止めなどを活用しないと、後になってダメージが表面化しやすくなります。

脂肪や骨格の変化

顔の脂肪は加齢により変化し、局所的に減少したり下垂したりすることがあります。頬のボリュームが失われると、その分肌が余って下へ移動し、ほうれい線やマリオネットラインの目立ちにつながります。

骨格も年齢とともに微細な変化を起こすため、頬骨やあごのラインが若い頃より小さくなる傾向があり、結果としてフェイスラインの締まりが失われることがあります。

重力と日常習慣の影響

肌や筋肉の加齢変化に加えて、重力の影響は常にあります。長年かけて引っ張られ続けることで、少しずつ顔の組織が下がってしまいます。

さらに、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、過度なストレスなど日常の習慣が重なると、肌の再生力や筋肉の維持力が低下し、たるみを加速させます。

顔のたるみを引き起こす主な要因一覧

要因内容
年齢によるコラーゲン減少コラーゲンやエラスチンの生成力低下でハリが失われる
筋力の低下表情筋の衰えによるフェイスラインのぼやけ
脂肪の下垂や減少頬や目の下のボリューム減少でしわやたるみが強調される
紫外線ダメージ真皮層へのダメージでハリや弾力を生み出す成分が減少
骨格の変化頬骨やあごのラインが変化し、顔の支持構造が低下
生活習慣の乱れストレス、睡眠不足、喫煙などが肌の再生サイクルを乱し、たるみを進行させる

20代の顔のたるみ対策

20代の顔のたるみはさほど顕著ではないことが多いですが、生活習慣や紫外線ダメージの蓄積によっては早めに現れることがあります。将来の大きなたるみを予防するためにも、20代からのケアが大切です。

若い世代でも注意したい生活習慣

20代は仕事や学業で忙しい時期ですが、睡眠不足や偏った食生活が続くと、肌の代謝が落ちてしまいます。たるみの原因としてストレスや血行不良も見逃せません。

適度な運動やバランスの良い食事、しっかりした休息によって肌や筋肉の新陳代謝をサポートすると、早い段階からたるみを防ぎやすくなります。

20代から始められる生活習慣の例

  • 夜更かしを避け、質の良い睡眠を確保する
  • 朝食を抜かず、たんぱく質やビタミンを積極的に取り入れる
  • 適度に運動し、血行を促進する
  • ストレスを解消する方法を見つけ、リフレッシュを心掛ける

スキンケアの基本

20代の顔のたるみを防ぎたいなら、毎日のスキンケアが基本です。クレンジングや洗顔で肌を清潔に保ち、化粧水や美容液、クリームで保湿を行います。

過剰な皮脂を気にして保湿を避ける人もいますが、若い肌でも内側は乾燥しやすい場合があります。しっかり保湿して、ハリをキープしましょう。

また、肌をこすりすぎると摩擦による刺激で肌がダメージを受けます。クレンジングや洗顔の際には、優しく行うことが大切です。

紫外線対策と乾燥対策

紫外線はたるみの原因になりやすいため、20代でも日焼け止めや日傘、帽子などを活用してください。特に長時間屋外にいる場合は、SPFやPA値が高めの商品を使いこなし、こまめに塗り直すことが理想的です。

乾燥は20代でも進行しやすく、エアコンの使用や季節の変化で肌の水分が奪われがちです。外的刺激から肌を守るためにも保湿剤や乳液の使用が必要です。

20代の主な悩みとケア方法一覧

悩み原因ケア方法
くすみ不規則な生活習慣、睡眠不足十分な睡眠、ビタミンCなどの摂取、正しいクレンジング
テカリや脂性肌ホルモンバランスの乱れ、ストレス洗顔の見直し、皮脂コントロール化粧品の使用
頬の軽いたるみ表情筋の衰え、紫外線ダメージ表情筋エクササイズ、適度なマッサージ、UV対策
ニキビや吹き出物ホルモンバランス、食生活の乱れ抗炎症成分配合の化粧品、皮膚科での診察

メイクによる印象コントロール

20代は、メイクで顔の印象が大きく変わる時期です。ハイライトやシェーディングで顔に立体感をつくると、頬が上がって見えたり、フェイスラインがシャープに見えたりします。

ただし、メイクで無理にカバーするのではなく、基本的な肌質ケアや筋肉トレーニングを並行して行うことが大切です。

30代の顔のたるみ対策

30代の顔のたるみは、ほうれい線の深まりやフェイスラインの緩みなど、具体的なサインとして現れ始めます。働き盛りや子育てなどで忙しい時期ですが、ここでの対策が40代以降のたるみを大きく左右します。

仕事や家事で疲れが出やすい時期の注意点

30代はライフイベントが増え、ストレスや睡眠不足が常態化しやすいです。疲れがたまると血行不良が起きやすく、顔色がくすんだりむくみやすくなります。

これに伴ってたるみの原因が増える場合があります。休養を優先し、オンとオフの切り替えを意識してください。

30代の生活習慣を整えるヒント

  • スマートフォンやパソコンの長時間使用を避け、適度に休息を挟む
  • 肩こりや首こりをケアし、顔への血行を妨げない
  • 高タンパクで栄養バランスの良い食事を心掛ける
  • 30代以降増えやすいストレスをため込まない方法を模索する

エイジングケア化粧品の活用

30代になると、エイジングケアを意識した化粧品を使う人が増えます。コラーゲンやエラスチンの生成をサポートする成分や、抗酸化作用のある成分を含む美容液が選ばれやすいです。

ただし、過度な期待を抱くのではなく、基本のクレンジングや洗顔、紫外線対策をおろそかにしない姿勢が大切です。

表情筋トレーニングの重要性

顔のたるみを改善するうえで、表情筋を意識的に動かすことは役立ちます。笑顔や口の開閉を大きくするなど、普段の生活の中で筋肉を動かして血行を促す工夫を取り入れてください。

ただし、あまりにやりすぎるとシワの原因になったり、顎関節に負担がかかる可能性があるため、程よく行いましょう。

顔の表情筋を動かす簡単なトレーニング例

トレーニング名方法
口角上げエクササイズ鏡を見ながら口角を左右同じ高さで上げる、笑顔のキープ
頬膨らまし運動口を閉じたまま頬を膨らませたりすぼめたりして筋肉を刺激
あいうえお体操大きく口を動かしながら、あ・い・う・え・おと発音して筋力アップ

プロによるケアやトリートメント

30代はセルフケアに加えて、美容皮膚科やエステサロンでのトリートメントを検討する人も増えます。

たとえば、ラジオ波や高周波を用いた治療は肌の内部に熱を届け、コラーゲンの生成をサポートすると言われています。施術の回数や肌質を考慮しながら、自身に合った方法を選びましょう。

40代の顔のたるみ対策

40代はホルモンバランスの変化が顕著になり、皮膚や筋肉の衰えが加速しやすい時期です。30代までのケアを継続しつつ、一段深いレベルでの対策が必要になることがあります。

深いほうれい線やマリオネットラインの出現

40代になると、頬の脂肪が下がりやすく、ほうれい線やマリオネットラインが一気に目立ち始めます。若い頃のケアを怠っていた場合は、40代の顔のたるみが急に気になることも少なくありません。

日頃のスキンケアに加えて、表情筋エクササイズやマッサージを取り入れ、下垂した脂肪を正しい位置に近づける意識が大切です。

ほうれい線やマリオネットラインが際立ちやすい要因

原因内容
頬のボリューム低下年齢とともに頬の脂肪が減少し、肌が余ってたるみとなって下がる
表情筋の衰え口元をあまり動かさないと筋力が低下し、シワやたるみを引き起こす
肌の乾燥と真皮層の変性コラーゲンやエラスチンが減少し、肌が弾力を失う
重力による下垂年齢を重ねるほど重力の影響を受けやすくなり、脂肪や皮膚が下へ移動しやすい

コラーゲン生成を意識した美容医療

40代では、コラーゲンの減少を補うための治療や施術が注目されます。美容医療では高周波や超音波を使い、皮下組織を刺激してコラーゲンの生成をサポートする方法があります。

また、ヒアルロン酸注入など、皮膚のボリュームを補う治療も組み合わせると、よりメリハリのある顔立ちに近づくことが期待できます。

生活習慣のさらなる見直し

40代は加齢による代謝の低下とともに、身体的な疲れが抜けにくくなります。体力の衰えは顔の筋肉にも影響し、表情が乏しくなるとたるみが加速します。

適度な運動やストレッチ、食事内容の見直しなど、全身の健康を意識すると顔のたるみを改善するうえでもメリットがあります。

自宅でのケアアイテムの活用

美容ローラーや美顔器など、自宅で使用できるケアアイテムの種類が充実しています。血行を促進し、むくみを抑える効果が期待できるアイテムを取り入れると、手軽に顔のたるみをケアできる可能性があります。

ただし、やりすぎや誤った使い方は逆効果になる場合もあるため、製品の説明をよく読み、適切な頻度を守ることが重要です。

40代から取り入れたいセルフケアの例

  • 美顔器を使用してリンパの流れを促す
  • 週1~2回のフェイスマッサージで血行をサポート
  • 血行促進に役立つ入浴や半身浴を取り入れる
  • ストレッチや軽い筋トレで全身の筋力を維持し、姿勢を整える

50代の顔のたるみ対策

50代は更年期に差しかかる人が多く、ホルモンバランスだけでなく骨密度や筋肉量の減少が顕著に表れます。顔の骨格や脂肪の変化が進み、たるみが深刻化しやすい年代です。

しかし、適切なケアや美容医療を組み合わせることで、まだまだ変化を感じられる可能性があります。

全顔のボリュームダウンと輪郭の崩れ

50代の顔のたるみは、頬だけでなく目元やフェイスライン、首元にまで及ぶことが多いです。輪郭そのものが変わったように感じる人もいます。

これは脂肪の移動だけでなく、骨格の萎縮も関係しています。表情筋の衰えも顕著になるため、総合的なアプローチが重要です。

50代の主な悩みと対処法

悩み対処法
フェイスラインの不明瞭化筋肉トレーニング、エステや美容医療でのたるみ改善治療
目元やまぶたの下垂まぶた専用の筋肉トレーニング、アイクリーム、場合によっては手術検討
首元のたるみネッククリーム、ストレッチ、生活習慣の見直し
全顔のしわやくすみ保湿と栄養補給、美容医療でのコラーゲン生成サポート

年齢を重ねた肌へのスキンケア

50代になると皮脂分泌量が低下し、乾燥が深刻化しやすくなります。こっくりしたテクスチャーの美容液やクリームで肌に潤いを与えつつ、成分や浸透度を意識してケアすると良いでしょう。

また、ホルモンバランスの乱れによるトラブルが起こりやすいため、体の内面からも栄養バランスやサプリメントなどで肌をサポートする方法もあります。

美容皮膚科と外科的治療の検討

50代では、メスを使わない治療やプチ整形の範疇を超えた変化を希望する人が増えます。フェイスリフトをはじめ、たるみを根本的に引き上げる手術を検討する場合も少なくありません。

手術以外にも、糸によるリフトアップや複数の施術を組み合わせてたるみを改善する選択肢があります。悩みの程度やライフスタイルを考慮して、自身に合った方法を選びましょう。

生活の質(QOL)を高める視点

50代は健康寿命やQOLを意識する時期でもあり、外見の悩みが心の負担となることがあります。たるみの改善が自己肯定感に結びつく場合もあるため、必要であれば専門家に相談して、気になる部位を集中ケアするのも一案です。

50代の外見ケアで意識したいポイント

  • 肌の乾燥を徹底的に防ぎ、ハリを補うケアを継続する
  • シミやくすみのケアも並行して行い、肌のトーンを整える
  • 栄養バランスと適度な運動で全身の健康を維持し、顔の印象を良くする
  • 美容医療や外科的施術のメリット・デメリットを理解して判断する

メスを使わないたるみの改善

メスを入れる手術に踏み切る前に、機器や注射などの施術で改善を目指す方法があります。日常的なケアと併用することで、効果が得られることも期待できます。

注入系の治療

ヒアルロン酸やボツリヌス毒素を活用した注入治療は、メスを使わずたるみやしわの目立ちを抑える手段です。ほうれい線などの深いしわ部分にヒアルロン酸を注入すると、皮膚が持ち上がり、見た目の印象が変わります。

また、ボツリヌス毒素は表情筋の動きを調整し、しわの原因となる過度な筋肉の動きを抑制します。

注入系治療における特徴比較

治療法特徴効果の持続期間
ヒアルロン酸注入しわや溝を物理的に埋めてボリュームアップ約6カ月~1年程度
ボツリヌス毒素注射過剰な筋肉の動きを緩和し、しわの原因を軽減約3~6カ月程度
コラーゲン注入皮膚のハリをサポートする目的で使用することが多い個人差あり(数カ月程度)

機器を用いたリフトアップ

高周波(RF)や超音波(HIFU)などのエネルギーを使い、肌内部に熱刺激を与えてコラーゲンの生成をサポートする方法があります。

施術後すぐに大きな変化を感じるわけではありませんが、回数を重ねることで徐々にハリが期待できます。ダウンタイムが比較的短く、日常生活に支障をきたしにくい点が魅力です。

糸を使ったリフトアップ(糸リフト)

皮下に専用の糸を挿入し、物理的に引き上げる方法です。フェイスリフトのように大きく切開しないため、ダウンタイムが比較的短い特徴があります。

ただし、引き上げ効果の持続は年齢や肌質、使う糸の種類によって差があり、メンテナンスが必要となる場合もあります。

糸リフトのメリットと注意点

ポイント内容
メリット切開が少なくダウンタイムが短い、即時の引き上げ効果が見込める
注意点糸の種類や施術技術により効果にばらつきがある、定期的なメンテナンスが必要な場合も

医療機関でのカウンセリングの大切さ

注入系治療や機器によるリフトアップは、手軽な印象がある一方で、治療範囲や期待する効果に合わないケースもあります。

美容医療は個人の悩みや肌質に合わせたカスタマイズが重要ですので、医療機関でしっかりカウンセリングを行い、自分の希望と不安を相談したうえで最適な方法を見つけることが大切です。

フェイスリフト手術という選択

たるみが進んだ場合や、根本的な引き上げ効果を求める場合には、フェイスリフト手術を検討する人が増えます。メスを使う手術には抵抗があるかもしれませんが、適切な条件がそろったときには有効な選択肢です。

フェイスリフト手術の概要

フェイスリフトでは耳の周辺を切開し、皮膚やその下のSMAS(表在性筋膜系)と呼ばれる層を引き上げ、余分な皮膚を切除する手術を行います。

これにより、下垂した頬やフェイスラインを立体的に改善し、たるみの改善を目指します。症例によっては額や首などの範囲まで対象とする場合もあります。

フェイスリフトの主な対象部位と効果

部位効果
頬(ほうれい線)頬の脂肪や皮膚を上方向へ引き上げ、ほうれい線を目立ちにくくする
フェイスラインあご下から頬にかけてのたるみを改善し、輪郭を引き締める
首周り首の皮膚や筋膜を引き上げ、輪郭とともに首のシワやたるみを軽減する
こめかみ眉や目尻の外側を持ち上げ、目元のたるみやシワの改善を助ける

ダウンタイムと術後のケア

フェイスリフト手術にはダウンタイムが必要です。個人差はありますが、腫れや内出血が落ち着くまで1~2週間ほどかかることが多いです。術後数カ月かけて傷跡が目立ちにくくなっていきます。

傷跡は髪の生え際や耳の裏などに位置させるため、周囲からわかりにくいよう配慮することが多いです。術後は激しい運動や入浴などに制限があるので、担当医の指示に従って回復を待ちます。

フェイスリフトが向いている人・向いていない人

フェイスリフトは効果が高い反面、手術特有のリスクがあり、誰にでも適しているわけではありません。たとえば、皮膚や血管、神経の状態など個人の体質によってはリスクが高まる場合もあります。

大掛かりな手術に抵抗がある場合は、糸リフトや注入治療などを組み合わせて、部分的に改善を図るケースもあります。

選択時の心構え

手術の方法や切開する範囲、リスクなどは医師とのコミュニケーションが非常に大切です。複数のクリニックを比較検討し、納得いくまで質問することで、より安心して治療に臨めるでしょう。

手術後のダウンタイムをどう過ごすか、家族や仕事との兼ね合いなども事前に考慮するとスムーズです。

フェイスリフトを検討するうえでチェックしておきたいポイント

  • 術後のダウンタイムとスケジュールをきちんと確保できるか
  • 自分の顔のどの部分をどれくらい改善したいのかを明確にする
  • メス以外の治療や注入治療との違いを理解し、効果を比較する
  • 担当医の技術力、クリニックの実績、アフターケア体制を確認する

クリニックでの相談と治療の流れ

たるみの原因や改善方法は個人差が大きく、適切な治療内容も異なります。納得できる施術を受けるためには、クリニックで十分に相談し、信頼できる医師と治療計画を練りましょう。

カウンセリングと診断

クリニックを受診すると、まずはカウンセリングで悩みや希望を伝えます。担当医は肌や骨格、表情筋の状態を診て、適した治療方針を提案します。

たるみの改善が目的の場合でも、他の部位の調和を考慮し、より自然な仕上がりになるプランを検討することが多いです。

治療内容の決定

カウンセリングの結果、注入治療が合うのか、機器を使ったリフトアップが良いのか、フェイスリフト手術が必要なのかを医師とともに検討します。

治療後のダウンタイムや費用、効果の持続期間など、メリットとデメリットを理解したうえで選択してください。

美容医療における大まかな治療分類

分類代表的な方法特徴
メスを使わない治療注入治療、HIFU、RF、糸リフトなどダウンタイムが短めだが効果の持続や限界がある場合も
メスを使う手術フェイスリフト、ミニリフトなど高いリフト効果を期待できるが、ダウンタイムが長くなる

術後のフォローアップ

注入治療や機器治療の場合は数カ月ごとにメンテナンスが必要なことがあります。フェイスリフトなどの手術を受けた場合は、抜糸や経過観察、傷跡の状態を確認するために通院が必要です。

術後の生活習慣やスキンケアも重要なため、医師や看護師からのアドバイスをしっかり守りましょう。

定期的なメンテナンスとセルフケア

どの治療を選んだとしても、加齢による変化は完全に止めることはできません。定期的にクリニックを訪れ、肌や筋肉の状態をチェックしながら、必要に応じて治療を追加していくことが望ましいです。

また、自宅での表情筋トレーニングやスキンケア、生活習慣の改善などのセルフケアも継続し、たるみをできる限り抑えましょう。

たるみケアを続けるうえで大切な習慣リスト

  • 紫外線対策を毎日欠かさず行う
  • 睡眠や食事のリズムを整え、体の回復力を高める
  • 表情筋を積極的に動かし、血行を良くする
  • 定期的にクリニックで肌状態をチェックする

顔のたるみは年齢に応じて起こりやすい悩みですが、20代からの生活習慣やケアの積み重ねで大きな差が生まれます。30代、40代、そして50代であっても適切な施術やセルフケアを組み合わせることで、たるみの改善が期待できます。自身の肌や骨格の特徴を理解しながら、理想とするイメージに近づくための一歩として、ぜひクリニックでの相談も視野に入れてみてください。

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