豊胸手術のなかでも、シリコンバッグを用いた方法は、希望のバストサイズを得やすい点が大きな魅力です。胸にしっかりとボリュームをもたせられる一方で、安全性や術後のダウンタイムが気になる方もいるでしょう。
ここでは、シリコンバッグによる豊胸手術の特徴やメリット・リスクを含め、安心して検討できる情報を詳しく解説します。
術式の流れや痛みのケア、費用の目安なども踏まえて把握すれば、より納得したうえで施術を受けることにつながります。
資格・所属
- 日本形成外科学会専門医
- コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
- VASER Lipo認定医
- Juvederm Vista 認定医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
- 日本形成外科学会所属
- 日本美容外科学会(JSAPS)所属
【略歴】
脂肪吸引、豊胸を専門としている形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINIC(アリエルバストクリニック)を開院。
理想のバストを手に入れるために、焦って病院選びをする必要は全くありません。ご自身の将来のためにも、すぐに施術をすすめたり、勧誘を行うクリニックはぜひ避けるようにしていただきたいと思います。
施術で大切なことは、バストの立体的な形状評価と、ご自身の体型や皮膚の弾力性、乳腺組織の状態、胸郭の形状などに合わせた丁寧なプランニングです。それは時として、ご希望の方法ではない施術がベストだという場合もあります。
アリエルバストクリニックは、自然な仕上がり、バレない脂肪吸引や脂肪注入、バストアップの為の豊胸手術に特化したクリニックです。乳房再建から美容目的の豊胸まで、全国から患者様にお越しいただいています。傷跡や傷のケアに形成外科専門医としての知識と技術をもって、お一人おひとりととことん向き合っています。
このサイトでは豊胸手術・バストアップに関連する多くの記事を書いていますので、安全性と美しさを両立するためにも、まずはぜひ患者様自身で知識をつけた上でご希望のクリニックへ相談されるようにしてください。
シリコンバッグ豊胸の概要
シリコンバッグを用いた豊胸手術は、安定したバストアップ効果を求める方にとって大きな選択肢です。体型や好みに合わせたサイズ調整がしやすいため、希望に近いバストの形を実現できます。
皮膚や組織の状況によっては、自己脂肪注入などほかの施術と組み合わせるケースもありますが、バッグを入れることで得られるボリューム感に魅力を感じてシリコン豊胸を選ぶ方が増えています。
ここでは、シリコンバッグ豊胸がどのように利用され、どんな種類があるか、またどのようなポイントに気をつけるべきかを解説します。
シリコンバッグを使用する理由
シリコンバッグ豊胸では、体のほかの部位に影響を与えずに理想のバストサイズを得やすいという特徴があります。
加えて、バッグには形状を安定させる素材が用いられており、外部からの衝撃にも比較的強い構造です。これによって術後に長期的な効果を期待できます。
医師は患者の骨格や脂肪量、皮膚の状態などを確認しながら、バッグを胸の下か大胸筋下に挿入します。
シリコンバッグ自体は医療グレードの素材で作られており、漏れや破損のリスクは低いものの、カプセル拘縮などのリスクはゼロではありません。
こうした点を踏まえつつ、手術前には十分なカウンセリングを行い、疑問や不安を解消することが重要です。
実際に選ばれている種類
シリコンバッグ豊胸で利用されるバッグには、大きく分けてラウンド型とアナトミカル(しずく型)があります。
ラウンド型は中央が高く丸みのあるシルエットになるため、上部のボリュームを強調したい方によく選ばれます。一方、アナトミカル型は上部がやや細く下部にかけて自然な丸みを持たせたデザインで、自然なラインを好む方に向いています。
柔らかさや触感の違いもあるため、実際に触ってみたり、シミュレーション画像を見たりしながら、自分の体形と理想に合うタイプを選ぶことが大切です。
近年はさまざまなメーカーから品質にこだわったシリコンバッグが提供されているため、素材の安全性をしっかり確認する姿勢も欠かせません。
シリコンバッグの種類と特徴の比較
バッグの種類 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
ラウンド型 | 全体が丸く上部にボリュームを出しやすい | デコルテ部分を強調したい方 |
アナトミカル(しずく型) | 上部はやや細く下部へ自然なカーブ | 自然なバストラインを重視する方 |
表面が滑らかなタイプ | 皮膚や組織との癒着が起こりにくい | メンテナンスが比較的簡単な施術を希望する方 |
表面がざらついたタイプ | カプセル拘縮のリスクを抑えやすい | リスクを可能な限り低減したい方 |
選択する際のポイント
バッグを選ぶときは、サイズだけではなく形状や表面加工の有無、硬さなどにも注目しておくと安心です。
豊胸手術を検討する方のなかには、費用だけで判断してしまうケースがありますが、納得のいく仕上がりを目指す場合は、安定性・安全性・触感の3つをバランスよく考えることが重要です。
医師とのカウンセリングでは、手術後の形のイメージ写真や触り心地、長期的なメンテナンスの必要性についても積極的に質問すると、より現実的なイメージを持つことにつながります。
また、自分の体形や皮膚の状態に合わせた判断が求められるため、複数のクリニックで話を聞いて比較検討する方もいます。
シリコンバッグ選びの要点
- サイズだけでなく形状・触感も確認する
- 自己脂肪注入やヒアルロン酸注入との違いを理解する
- カウンセリングで仕上がりイメージをしっかり共有する
- 複数のクリニックの情報を比較し、自分に合う方法を探す
手術前の準備
シリコンバッグによる豊胸手術を受けるにあたっては、事前の準備が重要です。カウンセリングで手術の流れやリスクを理解したうえで、体調を整えて臨むと、術後の回復や完成度も変わってきます。
ここでは、カウンセリングやスケジュール管理、薬の服用などに関する基本的な注意点を紹介します。
カウンセリングでの確認事項
手術前のカウンセリングでは、医師が胸の状態を確認しながら、バッグの種類や術式、費用などの説明を行います。疑問があれば遠慮せずに質問し、分からないことを残さないようにすると安心です。
確認しておきたいこと
- 術後の痛みや腫れの程度
- ダウンタイムの長さと過ごし方
- 日常生活への復帰時期
- バッグの耐久性や破損時の対処法
カウンセリング中に不安を解消できるかどうかは、その後の経過にも大きく影響します。医師の経験や、クリニックの対応姿勢などをよく確認し、自分が納得できる体制が整っているかを見極めることが大切です。
体調管理と通院のスケジュール
手術を受ける前には、体調を整えることに重点を置いてください。免疫力が落ちている状態だと傷の回復に時間がかかる場合があります。健康診断の結果や既往症があれば医師に共有し、必要に応じて検査を行います。
また、術後は数日から1週間程度の安静期間が必要なので、仕事や家事、育児などのスケジュールを調整しておきましょう。術前の通院や検査、術後の定期検診なども含めて、トータルでの来院回数をイメージしておくと落ち着いて行動できます。
手術前に押さえておきたい準備内容
項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
事前検査 | 血液検査・心電図・レントゲンなど | 体調不良がある場合は医師に必ず報告する |
健康管理 | 食事や睡眠など基本的な生活習慣の整備 | 極端なダイエットや過度なアルコール摂取は控える |
術前の通院スケジュール | カウンセリング、サイズ選び、必要検査 | 仕事や家庭の予定を事前に調整しておく |
術後の定期検診 | 傷の回復状況・バッグの状態をチェックする通院 | 長期的なメンテナンスとして継続的に受診する場合がある |
注意すべき薬やサプリメント
市販薬やサプリメントのなかには、血行を促進したり、術後の出血リスクを高めたりする成分が含まれるものがあります。
ビタミンEや一部の漢方薬など、普段は問題なく使用していても、豊胸手術と組み合わせた場合にトラブルが起こる例もゼロではありません。
医師は手術の日程や内容を踏まえて、使用を控えたほうがいい場合や、中止期間の目安などを具体的に提案します。自分の判断で「これくらいなら大丈夫」と思わず、サプリや薬の一覧を医師に伝えて相談しておくことが大切です。
手術前に気をつけたいポイント
- 手術前に飲んでいる薬やサプリは医師にすべて報告する
- 血行を促進する成分や抗凝固作用のある成分に注意する
- ビタミンや漢方薬も含めて専門家の判断を仰ぐ
- 医師の指示に従い、必要な場合は一定期間使用を中止する
手術の流れ
シリコンバッグ豊胸では、切開からバッグ挿入、縫合といった一連の流れが存在します。術式の種類や挿入位置によって時間や痛みの程度が変わるため、あらかじめ手順をイメージしておくと心の準備がしやすくなります。
以下では、麻酔や切開位置、バッグの挿入プロセスについて順を追って説明します。
麻酔と切開位置
手術では全身麻酔または静脈麻酔を使うケースが多く、患者が痛みを強く感じないように工夫します。どちらの麻酔を選ぶかは、施術の時間や体質、クリニックの設備などによって決まることが多いです。
切開位置は、主に脇の下・乳房下・乳輪周りのいずれかから選択する傾向があります。脇の下から切開すると傷が目立ちにくいというメリットがありますが、挿入の難易度が上がることもあります。
乳房下から切開するとバッグを挿入しやすくなるため、形状の調整が比較的しやすいです。切開位置ごとにリスクやダウンタイムの程度が異なるため、医師とよく話し合って決定してください。
インプラント挿入のプロセス
シリコンバッグは、大胸筋下または乳腺下のどちらかに挿入します。大胸筋下にバッグを置くと、バストの上部にしっかりしたボリュームが出て、リップリング(表面の波打ち)のリスクが下がる場合があります。
一方、乳腺下に挿入した場合は、術後の痛みが比較的軽いと感じる方がいます。挿入後はバッグの位置や左右差を丁寧に確認し、問題がなければ切開部を縫合して終了です。
この際、正確な位置合わせを行うことが仕上がりに大きく影響するため、医師は慎重に位置を調整します。
手術の主な流れと時間の目安
手術工程 | 内容 | 所要時間の目安 |
---|---|---|
麻酔 | 静脈麻酔または全身麻酔を行う | 15~30分程度 |
切開 | 脇の下・乳房下・乳輪周りから切開する | 約10~20分 |
バッグの挿入 | 大胸筋下または乳腺下にバッグを入れる | 約30~60分 |
縫合 | 出血の有無を確認しながら傷口を縫い合わせる | 約15~30分 |
仕上がりを左右する技術
手術の仕上がりは、医師の経験や技術だけでなく、患者とのコミュニケーションにも左右されます。術前にしっかりとサイズや形の要望を伝えて、医師がそのイメージを共有できているか確認することが大切です。
挿入するバッグの向きや角度によって、仕上がりの見た目や触り心地に微妙な違いが生まれます。バストの左右差を整えるために、少しサイズの異なるバッグを左右で使う場合もあります。
こうした細やかな調整には豊富な症例経験が必要となるため、実績のある医師を選ぶことが仕上がりに影響します。
スムーズな手術を行うためのポイント
- 希望の形やサイズを事前に具体的に伝える
- レントゲンやエコーなどの画像検査で胸の状態を把握する
- 仕上がりを定期的に確認しながら挿入位置を微調整する医師を選ぶ
- 手術後のダウンタイムや通院プランも合わせて相談する
安全性とリスク
シリコンバッグ豊胸では、医療グレードの安全性が確立されていますが、外科手術である以上リスクは存在します。特にカプセル拘縮や炎症などが起こると、バッグが硬くなったり形が変わったりする恐れがあります。
ここでは、主要なリスクと予防、万が一トラブルが生じた場合の対処法について触れていきます。
カプセル拘縮とは
人体は異物が体内に入ると、周囲に膜を形成して包み込む反応を起こします。シリコンバッグを挿入した場合にも、この膜が形成されますが、過度に厚く硬い膜ができるとバッグを圧迫して硬さや変形が生じます。これをカプセル拘縮と呼びます。
初期にはほとんど自覚症状がないことも多く、ある程度進行すると触ったときに違和感や痛みを伴います。
カプセル拘縮の予防としては、定期的なマッサージや検診によってバッグ周辺の状態をチェックすることが重要です。早期発見であれば、軽度のうちに対策を取ってトラブルの大きな進行を防ぐことができます。
合併症を防ぐケア
術後の傷口から細菌が入り込むと感染症を起こす可能性があります。傷を清潔に保ち、医師が処方した抗生物質などを正しく服用することで、リスクを下げることができます。
また、過度な運動や過激なマッサージは、バッグのずれや出血の原因になるので注意が必要です。
術後しばらくはバスト周辺に腫れや内出血が起こりやすいため、安静に過ごしながら経過観察を行うことが求められます。クリニックで指示された通院スケジュールを守り、少しでも異変を感じたら早めに相談すると安心です。
シリコンバッグ豊胸で注意すべき主なリスク
リスク | 症状・影響 | 対処法・予防策 |
---|---|---|
カプセル拘縮 | バッグの硬化、変形 | 定期的な検診や適切なマッサージ |
感染症 | 腫れ、赤み、痛み、発熱など | 傷を清潔に保ち、抗生物質などを正しく服用 |
バッグの破損 | 内容物の漏れ、バスト形状変化 | 強い衝撃を避け、定期的な検診で状態確認 |
術後の出血や血腫 | 傷周辺の腫れや痛み | 安静に過ごし、必要に応じて再診 |
トラブルが起きた場合の対処
バッグが破損したり、カプセル拘縮が進行したりした場合は、再手術やバッグの交換を検討します。手術直後だけでなく、数年経過してから合併症を起こすケースもあるので、長期的な視野で状態管理を行う姿勢が大切です。
定期検診を受けることで、早い段階で問題を発見できる確率が上がります。もしも痛みや強い違和感が出たときは、自己判断で放置せずに医療機関に相談するとよいでしょう。
リスクを最小限にするために
- 術後の定期検診を欠かさず受ける
- 体の変化を自分でチェックし、異常があれば早めにクリニックに連絡する
- 術後の安静期間をしっかり守り、過激な運動や胸への強い圧迫を避ける
- 医師の指示に従い、予防的なマッサージやケアを継続する
ダウンタイムと過ごし方
シリコンバッグ豊胸のダウンタイムは、個人差はあるものの、おおむね1週間から2週間程度と言われています。
痛みや腫れの度合いによって、家事や仕事などの日常活動への復帰が左右されるため、術後の過ごし方を理解しておくことが大切です。ここでは、ダウンタイム中に起きやすい症状や、日常生活との両立のポイントを紹介します。
術後に起こりやすい症状
術直後は麻酔の影響で眠気やだるさを感じることがあります。麻酔が切れると痛みや重苦しさ、腫れなどを自覚する方が多いです。腫れや内出血は数日から1週間程度続き、徐々に落ち着いていきます。
寝るときに上半身をやや高めにすることで、腫れの軽減を促せる場合があります。
痛み止めを処方されている場合は、決められた服用のタイミングを守ることが重要です。痛みが強くなったり、通常よりも腫れが長引いたりすると感じたら、早めにクリニックに相談してください。
日常生活へ戻るまで
手術を受けた翌日や翌々日から軽い家事やデスクワークに復帰する方もいますが、胸への負担を減らすために、なるべく安静を保つことが求められます。
腕を大きく動かす動作や物を持ち上げる動作は、痛みを感じやすくなったり、バッグがずれたりするリスクにつながるため注意が必要です。
術後の一定期間は専用のサポートブラやバストバンドを着用して、胸の安定を図るようにしてください。仕事復帰は術後1週間程度を目安に検討する方が多いですが、重い荷物を扱う業務の場合はもう少し長めに休暇を取るほうが安心です。
ダウンタイム中の身体の状態
時期 | 症状の傾向 | 生活の注意点 |
---|---|---|
術後~2日目 | 腫れ・痛みが強めに出やすい | 安静にし、こまめに休憩を取る |
3日目~1週間程度 | 腫れが徐々に落ち着き始める | 軽い家事やデスクワークは可能な範囲で行う |
1週間~2週間程度 | 痛みは軽減するが張り感は残る | バストに負担をかける動作を控える |
2週間以降 | 多くの方が日常生活に復帰 | 運動再開は医師の指示を仰ぐ |
運動や入浴の再開
術後の入浴は、傷口が完全に閉じてから行う方が安心です。シャワーのみで済ませるように指示されることが多く、数日から1週間ほどはシャワーも胸に直接熱いお湯を当てないように注意するケースがみられます。
スポーツやジム通い、ヨガなどの運動は、術後2週間から1か月程度を目安に再開する方が多いです。
ただし、ランニングやウェイトトレーニングなどバストに振動や負荷がかかる運動は、さらに長めに様子を見る必要があるかもしれません。自分の回復スピードに合わせつつ、医師に相談してから行うと安心です。
ダウンタイムを快適に乗り切る工夫
- 上体を少し起こして寝る姿勢をとる
- 痛み止めや胃薬などを正しく服用して過度な我慢をしない
- 保冷剤をガーゼなどで包み、腫れや痛みを軽減する
- 入浴や運動の再開時期は焦らず、医師の確認を得る
実感できるメリット
シリコンバッグ豊胸は、サイズアップ効果がはっきりとわかる点が人気の理由です。自信を高めるきっかけになったり、衣服の選択肢が広がったりと、手術後の生活にポジティブな変化をもたらす場合が多いです。
ここでは、シリコンバッグ特有のメリットを中心に見ていきましょう。
思い通りのバストサイズ
バッグのサイズを選ぶことで、自分が望む胸の大きさを明確に実現できます。
脂肪注入の場合は、採取できる脂肪の量や定着率などによって仕上がりに制限が出ることがありますが、シリコンバッグでは希望のカップ数を目標にしやすい点が特徴です。
あまり大きすぎるサイズを選ぶと皮膚の負担が大きくなるので、医師とよく相談しながら、自分の骨格や体格に合ったサイズを決めることが大切です。
自然な触感を追求するために
シリコンバッグの触感は、以前に比べると大きく改善されています。特に表面加工や素材の技術が進歩し、柔らかさと安全性の両立を目指した商品が増えてきました。
実際の手触りは個人の感覚によって違いがありますが、正しい位置に挿入し、皮膚や組織となじむようケアを行えば、比較的自然な質感を得ることができます。
ただし、もともとの乳腺や皮下脂肪の厚みによって仕上がりが変わるため、「まったく手術の痕跡が感じられない」とは言い切れません。より自然な触感を求めるなら、バッグ選びや挿入法、術後のケアがポイントになります。
シリコンバッグで得られる効果の例
効果 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
サイズアップ | 明確にカップ数を上げることが可能 | 大きすぎるサイズは皮膚負担が増える |
バストライン改善 | 下垂気味の胸を補正して上向きのラインを形成する | 皮膚の伸びや組織の柔軟性を考慮 |
自信アップ | フォルムの変化から気分が明るくなるケースが多い | 過度な期待を持ちすぎない |
衣類の選択肢拡大 | デコルテや胸元を強調するファッションを楽しめる | バストサイズに合わせた下着選びが必要 |
精神的な変化
バストのコンプレックスが解消すると、積極的に人前に出る機会や、新しいファッションに挑戦する意欲が生まれる場合があります。また、パートナーとのコミュニケーションにも良い影響が出ると感じる方もいます。
逆に、術後の仕上がりが想像と違った場合は、後悔や不安を抱える可能性もあるため、カウンセリングでイメージをしっかりすり合わせることが重要です。
手術を受ける動機や目的を明確にし、自分に合った方法かどうかを十分に考える姿勢が大切だといえます。
手術後に感じられるポジティブな変化
- 胸元の開いた服や水着を自信を持って着られる
- 鏡を見る時間が増え、自己肯定感が高まる
- 他者からの視線が気になりにくくなる
- 気持ちが前向きになる、アクティブに行動できる
費用や保証制度
シリコンバッグ豊胸は費用が比較的高額になりがちですが、保険適用にならない自由診療という扱いである点を認識する必要があります。
クリニックによって価格帯や保証内容が異なるため、複数の候補を比較検討する方も多いです。ここでは、相場や保証、再手術の考え方などを説明します。
豊胸手術の費用目安
シリコンバッグを用いた豊胸手術の費用は、バッグの種類やクリニックの所在地、設備、アフターケアの体制などによって変わります。
一般的な相場は1回あたり40万円から100万円程度ですが、ハイクラスのバッグや追加オプションなどを選ぶとさらに高額になるケースがあります。
安いプランだからといって質が悪いわけではありませんが、必要な検査費や麻酔費、アフターケア費などが別途加算される場合もあるため、最初の見積もりだけを見て判断しないことが大切です。
保証制度や再手術の考え方
一部のクリニックでは、手術後のトラブルに対する保証制度を設けています。例としては、一定期間内であればカプセル拘縮が起きた場合に無料でバッグ交換を行う、または手術費の一部をクリニックが負担する、などのサポートが挙げられます。
しかし、すべてのトラブルが保証の対象になるとは限りません。自分の不注意や日常的な衝撃でバッグが破損した場合や、術後の生活習慣が原因のトラブルは補償外になることもあります。
再手術が必要と判断したときには別途費用が発生する可能性があるため、事前にどの程度のサポートを期待できるかを確認しておきましょう。
豊胸手術費用の主な内訳
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
手術費 | 施術そのものの費用 | バッグの種類で変動がある |
麻酔費 | 全身麻酔や静脈麻酔などのコスト | 麻酔医の専門性で金額が変わる場合も |
検査費 | 術前検査(血液検査、画像検査など)の費用 | クリニックごとに異なる |
アフターケア費 | 術後の通院や保証プランの料金 | 保証制度の内容によって差がある |
病院選びのチェックポイント
クリニックや病院を選ぶ際は、費用の安さだけでなく、症例数や医師の経験、口コミ・評判などを合わせて検討することが大切です。実際にカウンセリングを受けてみて、説明に納得感があるかどうかも大きなポイントになります。
また、アフターケアの重要性を理解している医療機関かどうかも見極めてください。再手術が必要になった場合や長期的な検診が必要になった際、しっかりサポートしてくれる体制が整っていると安心感につながります。
クリニック選びで確認したい点
- 症例数や実績が明確に示されているか
- 手術にかかわる医師やスタッフとの相性
- 万一のトラブル時の対応や保証内容
- カウンセリング時の説明が具体的で分かりやすい
カウンセリングでの質問例とアドバイス
豊胸手術は体への負担が大きい施術であり、仕上がりへの期待も高まる分、疑問点や不安は尽きないものです。カウンセリングの時間を有効に活用するには、自分が知りたいことや不安に思うことを整理し、遠慮なく質問する姿勢が大切です。
ここでは、よくある質問例と、カウンセリングで気をつけたいポイントをまとめます。
悩みや希望の伝え方
カウンセリングでは、まず自分のバストに関する悩みや理想像をはっきり伝えると、医師が具体的な施術プランを提案しやすくなります。サイズアップだけでなく、左右差や谷間の深さなど、細かなこだわりを伝える方も少なくありません。
自分自身では「些細なこと」と感じても、術後の満足度に大きく関わる場合があるため、遠慮せずに言葉にしてみるとよいでしょう。
また、他の施術経験がある方は、過去の施術歴やそのときの感想、気になる点をシェアしておくと、より適切なアドバイスを得られる可能性があります。
クリニック・医師との相性
手術の成功には、医師の技術だけでなく相性も影響すると言われています。小さな疑問や不安に対しても丁寧に答えてくれ、術後のケアやトラブル対応について具体的に話せる医師なら、より安心感を持って施術を受けられます。
カウンセリング中に時間をかけて質問に応じてくれるか、患者一人ひとりの体質やライフスタイルを考慮したアドバイスを行うかといった点をチェックしてください。
対面の印象や話しやすさを重要視する方は、複数のクリニックを回って比較することもおすすめです。
よくある質問例
質問 | 医師が説明する内容の例 | チェックすべきポイント |
---|---|---|
「どのくらいの痛みですか?」 | 痛み止めの処方や術後ケアの方法 | 痛みの感じ方に個人差がある点を理解できるか |
「ダウンタイム中の生活は?」 | 入浴や運動の再開時期、仕事復帰のタイミング | 自分の生活サイクルと照らし合わせられるか |
「バッグが破損したら?」 | 再手術の費用や医療機関の保証対応 | 破損時の補償範囲や通院回数 |
「将来の授乳に影響しますか?」 | バッグ挿入位置によって授乳への影響が変わる可能性について説明 | 妊娠・出産を考える場合のリスクと対処 |
納得して手術を受けるために
豊胸手術は体にメスを入れる大きな決断です。手術当日に慌ただしく内容を聞いて、十分に理解しきれないまま進めてしまうと、術後に後悔するリスクが高まります。
カウンセリングで説明を受けたら、その内容を一度自分の言葉で整理し、家族やパートナーなど信頼できる人に相談してみるのも一つの方法です。メモや録音を活用して情報を整理しながら、納得のいく判断を下していきましょう。
カウンセリングを充実させる工夫
- あらかじめ質問リストを作成しておき、聞き漏れを防ぐ
- 医師の説明はメモを取りながら、後で振り返る
- 一度検討時間をおいて、再度カウンセリングを受けることも視野に入れる
- 術後のイメージに近い参考写真を持参して意見を求める
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