鼻先の丸みや小鼻の広がりといったお悩みに対し、脂肪吸引は鼻をすっきりと見せる効果が期待できる施術の一つです。
しかし、繊細な部位である鼻の施術で自然な仕上がりを得るためには、術前から術後にかけての正しい知識とケアが重要になります。
この記事では、鼻の脂肪吸引で後悔しないために知っておきたい術前術後の注意点を詳しく解説します。施術の流れやダウンタイム、費用相場、クリニック選びのポイントも紹介していきます。
資格・所属
- 日本形成外科学会専門医
- コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
- VASER Lipo認定医
- Juvederm Vista 認定医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
- 日本形成外科学会所属
- 日本美容外科学会(JSAPS)所属
【略歴】
脂肪吸引、豊胸を専門としている形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。
ARIEL .BUST.CLINICは、脂肪吸引を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型や悩みに応じた専門性を活かしたご提案をしており、傷跡や傷のケアに形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。
ボディメイクは決して焦る必要のないものです。このサイトでは脂肪吸引に関連する多くの記事を書いていますので、すぐに施術を決めることはせず、まずはぜひ患者様自身で知識をつけた上でご希望のクリニックへ相談されるようにしてください。
鼻の脂肪吸引とは?基本を知ろう
まずは鼻の脂肪吸引がどのような施術なのか、基本的な情報をご説明します。どのようなお悩みに適しているのか、施術の概要やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
鼻の脂肪吸引の目的と効果
鼻の脂肪吸引は、主に鼻先や小鼻周辺に溜まった余分な皮下脂肪を取り除くことを目的とした施術です。これにより、鼻先の丸みが解消されたり、小鼻が引き締まったりして、鼻全体がシャープですっきりとした印象になる効果が期待できます。
特に、いわゆる「だんご鼻」のように、皮膚や軟骨の形状だけでなく脂肪の厚みが原因で鼻が大きく見えている場合に有効な選択肢となります。
骨格や軟骨の形状を変える手術とは異なり、脂肪を除去することで鼻の輪郭を整えます。
どのような鼻の悩みに適しているか
鼻の脂肪吸引は、特定の鼻の悩みに効果を発揮しやすい施術です。
例えば、鼻先の皮膚が厚く、触ると柔らかい脂肪の存在を感じる方に向いています。また、小鼻の付け根あたりがふくらんで見える方も、脂肪が原因であれば改善が期待できるでしょう。
一方で、鼻の大きさや形が主に骨格や軟骨によるものである場合、脂肪吸引単独での効果は限定的になる可能性があります。
ご自身の鼻の悩みが脂肪吸引に適しているかどうかは、専門の医師による診察とカウンセリングで判断することが大切です。
鼻の脂肪吸引が検討される鼻のタイプ
悩み | 特徴 | 脂肪吸引の効果 |
---|---|---|
鼻先の丸み(だんご鼻) | 鼻先の皮膚が厚く、脂肪が多い | 期待できる |
小鼻の広がり・厚み | 小鼻の付け根あたりに脂肪が多い | 期待できる |
鼻全体のボリューム感 | 皮膚の下の脂肪が原因で大きく見える場合 | 期待できる |
鼻筋を通したい | 脂肪吸引単独では効果は限定的(他の施術検討) | 限定的 |
鼻の骨格・軟骨が原因 | 骨切りや軟骨移植など他の施術が適応の場合が多い | 限定的 |
他の鼻整形との違い
鼻の整形には様々な方法があります。ヒアルロン酸注入は鼻筋を通したり高さを出したりするのに用いられますが、効果は一時的です。
プロテーゼ挿入は半永久的に鼻を高くできますが、異物を入れることに抵抗がある方もいます。鼻尖形成術や鼻中隔延長術は、軟骨を操作して鼻先の形や向きを根本的に変える手術です。
これに対し、鼻の脂肪吸引は、脂肪を除去することに特化しており、比較的手軽に鼻のボリュームダウンを目指せる点が特徴です。
ただし、変化の度合いは脂肪の量によります。どの施術が最適かは、ご希望の仕上がりや鼻の状態によって異なります。
自然な仕上がりを実現するために
鼻の脂肪吸引を受ける上で、多くの方が望むのは「自然な仕上がり」です。いかにも整形したような不自然な鼻ではなく、元々の顔立ちに調和した、すっきりとした鼻を目指したいものです。
次に、自然な仕上がりを得るために重要な要素について解説します。
なぜ自然な仕上がりが重要なのか
鼻は顔の中心に位置し、その人の印象を大きく左右するパーツです。そのため、鼻の形が少し変わるだけでも、顔全体のバランスや雰囲気に影響を与えます。
脂肪吸引によって鼻が不自然に細くなりすぎたり、左右差が生じたりすると、かえって顔全体の調和が崩れてしまう可能性があります。
自然な仕上がりとは、単に脂肪を減らすだけでなく、その方の骨格や他のパーツとのバランスを考慮し、元々の個性を活かしながら洗練された印象にすることです。
長期的に見ても満足度の高い結果を得るためには、この自然さがとても大切になります。
医師の技術と経験の重要性
鼻の脂肪吸引で自然な仕上がりを目指す上で、施術を担当する医師の技術と経験は極めて重要です。鼻は皮膚が薄く、下の軟骨や骨の形状が透けて見えやすいデリケートな部位です。
どの程度の脂肪を、どの範囲から、どのように吸引するかという判断には、解剖学的な知識と豊富な経験が求められます。
吸引しすぎると皮膚が癒着したり、凹凸ができたりするリスクがありますし、吸引が不十分だと効果が感じられない可能性もあります。
症例数が多く、患者様一人ひとりの鼻の状態に合わせて適切な施術プランを立てられる医師を選ぶことが、成功の鍵となります。
デザイン力とカウンセリング
理想の鼻の形は人それぞれ異なります。医師が一方的に施術を進めるのではなく、患者様の希望を丁寧にヒアリングし、それを実現可能な範囲で医学的な見地からデザインに落とし込む能力が必要です。
カウンセリングでは、患者様の理想とする鼻のイメージを共有するとともに、脂肪吸引でどこまで変化が期待できるのか、限界点やリスクについても正直に説明を受けることが大切です。
シミュレーションなどを活用して、術後のイメージを具体的に確認できるクリニックもあります。納得いくまで話し合える、信頼関係を築ける医師を見つけることが、満足のいく結果につながります。
カウンセリングで確認すべきこと
- 自分の鼻の状態(脂肪の量、皮膚の厚さなど)
- 脂肪吸引で期待できる具体的な効果と限界
- 考えられるリスクや合併症
- 施術方法の詳細(麻酔、切開部位など)
- ダウンタイムの期間と経過
- 術後のケア方法
- 費用総額と内訳
施術を受ける前の準備と注意点
鼻の脂肪吸引を決意したら、次は施術に向けて心身ともに準備を整える段階です。安全に施術を受け、より良い結果を得るためには、術前の準備と注意点を守ることが重要になります。
ここでは、具体的にどのような準備が必要か、何に注意すべきかを解説します。
カウンセリングでの最終確認
施術日が近づいたら、再度カウンセリングを受け、最終的な確認を行うことが推奨される場合があります。
初回のカウンセリングから時間が経っている場合や、疑問点、不安な点が新たに出てきた場合は、遠慮なく医師に相談しましょう。
施術内容、期待される効果、リスク、ダウンタイム、費用などについて再確認し、完全に納得した上で施術に臨むことが大切です。同意書の内容もしっかりと確認してください。
体調管理の重要性
手術を安全に行うためには、良好な体調を維持することが基本です。風邪をひいていたり、体調が優れなかったりすると、麻酔のリスクが高まったり、術後の回復が遅れたりする可能性があります。
施術前は十分な睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事を心がけ、無理のない生活を送りましょう。喫煙は血行を悪化させ、傷の治りを遅らせる可能性があるため、施術前後の一定期間は禁煙が必要です。
飲酒も、むくみや出血のリスクを高めるため、指示された期間は控えるようにしてください。
服用中の薬やサプリメントの申告
普段から服用している薬やサプリメントがある場合は、必ず事前に医師に申告してください。
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬など)や、一部のサプリメント(ビタミンE、イチョウ葉エキス、EPA/DHAなど)は、出血のリスクを高める可能性があるため、術前に服用を中止する必要がある場合があります。
また、ハーブ類や漢方薬にも影響を及ぼすものがあります。自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従ってください。
術前に医師への申告が必要な薬剤・サプリメント例
種類 | 具体例 | 影響の可能性 |
---|---|---|
血液凝固阻害薬 | ワーファリン、アスピリン、クロピドグレルなど | 出血リスク増 |
ビタミン剤 | ビタミンE | 出血リスク増 |
サプリメント | イチョウ葉エキス、EPA/DHA、ニンニク | 出血リスク増 |
漢方薬・ハーブ | 医師に要相談 | 様々な影響 |
その他市販薬 | 鎮痛剤(一部)、風邪薬など | 医師に要相談 |
術前の食事や生活の注意点
施術当日は、麻酔の種類によって絶食や絶飲の指示があります。全身麻酔や静脈麻酔の場合は、通常、施術の数時間前から飲食が禁止されます。
局所麻酔の場合でも、クリニックの方針によって指示が異なるため、必ず確認してください。
また、施術当日は化粧(日焼け止め含む)やコンタクトレンズ、アクセサリー類を外し、ゆったりとした服装で来院することが一般的です。
ネイル(ジェルネイル含む)も、術中のモニター装着に影響する場合があるため、事前に確認し、必要であれば除去しておきましょう。
鼻の脂肪吸引 施術当日の流れ
いよいよ施術当日。緊張するかもしれませんが、事前に流れを把握しておくと、少し安心して臨めるでしょう。クリニックによって多少の違いはありますが、一般的な鼻の脂肪吸引の施術当日の流れをご説明します。
来院から施術開始まで
クリニックに到着したら、まず受付を済ませ、最終的な体調確認や同意書の確認などが行われます。その後、洗顔をしてメイクを完全に落とします。
施術前の写真撮影を行うこともあります。手術室へ移動する前に、着替え(手術着など)を済ませ、貴重品を預けます。
手術室に入ったら、医師が最終的なデザインの確認(マーキング)を行います。そして、麻酔科医または担当医が麻酔を開始します。
麻酔の種類と選択
鼻の脂肪吸引で用いられる麻酔は、主に局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔があります。
局所麻酔は、施術部位の周辺に直接麻酔薬を注射する方法で、意識ははっきりしています。 次に、静脈麻酔は、点滴から麻酔薬を投与し、うとうとと眠っているような状態で施術を受ける方法です。
全身麻酔は完全に意識がなくなり、自発呼吸も抑制されるため、人工呼吸器が必要となる麻酔方法です。
どの麻酔を選択するかは、患者様の希望、不安の程度、施術範囲、クリニックの方針などを考慮して決定します。それぞれの麻酔にはメリット・デメリットがあるため、医師とよく相談しましょう。
主な麻酔方法の比較
麻酔の種類 | 意識の状態 | 特徴 |
---|---|---|
局所麻酔 | はっきりしている | 意識があるため不安を感じる可能性。体への負担は少ない。 |
静脈麻酔 | うとうと眠る | 痛みや不安を感じにくい。比較的早く覚醒する。 |
全身麻酔 | 完全に眠る | 完全に無痛。呼吸管理が必要。覚醒に時間がかかる。 |
実際の施術プロセス
麻酔が十分に効いたことを確認した後、医師が施術を開始します。通常、鼻の穴の中や鼻柱(鼻の穴の間)など、目立ちにくい箇所を数ミリ程度小さく切開します。
そこから「カニューレ」と呼ばれる細い管を挿入し、余分な脂肪を丁寧に吸引していきます。吸引する脂肪の量や範囲は、事前のデザインに基づいて慎重に調整されます。
皮膚の厚さや軟骨の形状を確認しながら、均一に、かつ適切な量を吸引するよう細心の注意を払います。
施術時間と終了後の処置
鼻の脂肪吸引の施術自体の所要時間は、吸引する範囲や量によって異なりますが、一般的には30分から1時間程度です。脂肪の吸引が終わったら、切開した部分を縫合するか、医療用のテープで固定します。
その後、鼻の形状を整え、圧迫・固定するために、ギプスやテーピングを行います。これは、腫れを抑え、皮膚をしっかりと引き締めるために重要です。
施術が終了したら、麻酔からの覚醒を待ちます。麻酔の種類によっては、しばらくリカバリールームで安静にし、状態が安定してから帰宅となります。
術後の過ごし方とアフターケア
施術が無事に終わっても、それで終わりではありません。自然で美しい仕上がりを実現し、ダウンタイムをできるだけ短くするためには、術後の適切なケアと安静が非常に重要です。
ここでは、術後の過ごし方とアフターケアのポイントを解説します。
術後直後の注意点
施術直後は、麻酔の影響が残っている場合があります。ふらつきなどがなければ帰宅できますが、ご自身での車の運転は絶対に避けてください。
公共交通機関を利用するか、ご家族などに迎えを依頼しましょう。帰宅後は、できるだけ安静に過ごすことが大切です。
処方された痛み止めや抗生物質は、医師の指示通りに正しく服用してください。鼻にはギプスやテーピングが施されているため、自分で外したり触ったりしないように注意が必要です。
固定(ギプス・テーピング)の重要性
術後に行われるギプスやテーピングによる固定は、非常に重要な役割を担います。第一に、腫れや内出血を最小限に抑える効果があります。
第二に、脂肪を吸引した後の皮膚がたるむのを防ぎ、下の組織としっかり密着(癒着)させ、引き締まった状態を作るのを助けます。
固定期間は通常3日から1週間程度ですが、医師の指示に従ってください。自己判断で外すと、仕上がりに影響が出る可能性があります。固定期間中は見た目が気になるかもしれませんが、理想の鼻のためには必要なプロセスです。
腫れ・内出血の管理
術後は、腫れや内出血が必ず現れます。ピークは術後2~3日程度で、その後徐々に引いていきます。腫れを早く引かせるためには、冷却が有効です。
保冷剤などをタオルで包み、鼻の周辺(固定の上から)を優しく冷やしましょう。ただし、冷やしすぎは血行不良を招くため、適度な時間(1回10~15分程度)に留め、凍傷に注意してください。
また、寝る時は枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つと、腫れの軽減につながります。内出血は、黄色っぽく変色しながら1~2週間程度で次第に消えていきます。
術後ケアのポイント
ケア項目 | 具体的な方法 | 目的・効果 |
---|---|---|
安静 | 術後数日は無理せず過ごす | 体力回復、腫れの抑制 |
固定 | 医師の指示通りギプス・テープを維持 | 腫れ抑制、皮膚の引き締め、形状保持 |
冷却 | 保冷剤などで患部周辺を冷やす(適度に) | 腫れ・痛みの軽減 |
服薬 | 処方された痛み止め・抗生物質を指示通り服用 | 痛みの緩和、感染予防 |
姿勢 | 就寝時に枕を高くする | 腫れの軽減 |
清潔保持 | 患部を濡らさないよう注意し、指示に従い洗浄・消毒 | 感染予防 |
生活上の注意点(食事・運動・入浴など)
術後の生活では、いくつか注意すべき点があります。食事は特に制限はありませんが、塩分の多いものはむくみを助長する可能性があるため、控えめにするのが良いでしょう。
飲酒や喫煙は、血行に影響し腫れや傷の治りを遅らせるため、医師から許可が出るまでは厳禁です。
運動は、血行が良くなりすぎると腫れが悪化する可能性があるため、術後しばらくは軽い散歩程度に留め、激しい運動は1ヶ月程度控えるのが一般的です。
入浴は、ギプスやテーピングが濡れないように注意が必要です。シャワーは翌日から可能なことが多いですが、顔を濡らさず、首から下だけにするなどの工夫が必要です。
湯船に浸かるのは、腫れが引いてから、医師の指示に従ってください。
ダウンタイムの期間と経過
鼻の脂肪吸引を受けた後、日常生活に戻るまでには一定の回復期間、いわゆる「ダウンタイム」が必要です。
ダウンタイムの長さや症状の現れ方には個人差がありますが、一般的な経過を知っておくことで、術後の不安を軽減できるでしょう。
ダウンタイムの一般的な期間
鼻の脂肪吸引のダウンタイムは、大きな腫れや内出血が目立つ期間として、一般的に1~2週間程度です。ギプスやテーピングによる固定は、通常3日~1週間程度で外れます。
固定が外れた時点ではまだ腫れやむくみが残っており、鼻先が硬く感じられることもあります。
細かい腫れやむくみが完全に引き、最終的な仕上がりに近づくには、1ヶ月から3ヶ月程度、人によっては半年ほどかかることもあります。
腫れ・内出血のピークと引き方
術後の腫れや内出血は、施術当日から現れ始め、2~3日後にピークを迎えることが多いです。この時期は、鼻だけでなく、目の周りや頬まで腫れが及ぶこともあります。
内出血は、最初は紫色っぽく、その後黄色っぽく変化しながら、1~2週間程度で徐々に吸収され、目立たなくなっていきます。
腫れは大きなものが引くのに1~2週間、その後もわずかなむくみ感が続き、完全にすっきりするまでには数ヶ月単位の時間が必要です。焦らず、経過を見守ることが大切です。
ダウンタイム中の主な症状と期間の目安
症状 | ピーク時期 | 目立たなくなるまでの期間(目安) |
---|---|---|
腫れ(大) | 術後2~3日 | 1~2週間 |
腫れ(むくみ) | 術後数週間~数ヶ月 | 1~3ヶ月(長い場合半年) |
内出血 | 術後2~3日 | 1~2週間 |
痛み | 術後数日 | 痛み止めでコントロール可能 |
鼻先の硬さ | 術後数週間~数ヶ月 | 徐々に改善 |
ダウンタイム中の過ごし方
ダウンタイム中は、できるだけ安静に過ごし、鼻に負担をかけないように注意することが重要です。
外出時は、マスクを着用すると腫れや内出血をカバーできます。 次に、コンタクトレンズは、腫れが引くまで眼鏡を使用する方が良い場合があります。
洗顔やメイクは、ギプスやテープが外れてから、医師の指示に従って開始してください。患部を強くこすらないように注意が必要です。
仕事や学校は、デスクワークであればギプスが外れた頃から、体力を使う仕事の場合はもう少し長く休む必要があるかもしれません。ご自身の体調と相談しながら、無理のない範囲で復帰しましょう。
ダウンタイム中に推奨されるケア用品(例)
- 清潔なタオル
- 保冷剤
- 処方された軟膏
- マスク
完成までの期間と仕上がり
鼻の脂肪吸引の効果が実感できるようになるのは、大きな腫れが引いてくる術後2週間~1ヶ月頃からです。しかし、この時点ではまだむくみが残っていたり、鼻先が硬く感じられたりすることがあります。
組織が完全に落ち着き、皮膚が引き締まって最終的な仕上がりが完成するのは、一般的に術後3ヶ月から半年程度かかると考えておきましょう。
脂肪吸引の効果は半永久的とされていますが、加齢による変化や体重の増減によって、将来的に鼻の形状が変化する可能性はあります。
鼻の脂肪吸引の値段とクリニック選び
鼻の脂肪吸引を検討する上で、費用(値段)とクリニック選びは非常に重要なポイントです。安心して任せられるクリニックで、納得のいく価格で施術を受けたいと考えるのは当然のことでしょう。
ここでは、鼻の脂肪吸引の費用相場や、信頼できるクリニックを選ぶためのポイントについて解説します。
鼻の脂肪吸引の費用相場
鼻の脂肪吸引の値段は、クリニックや施術範囲、麻酔の種類などによって大きく異なります。一般的な費用相場としては、20万円~40万円程度が目安となりますが、これより安い場合も高い場合もあります。
自由診療のため、クリニックが独自に価格設定をしています。表示されている価格が、施術料だけでなく、麻酔代、薬代、術後の検診費用などが全て含まれているかを確認することが重要です。
費用に含まれるもの・追加費用の確認
提示された鼻の脂肪吸引の値段に何が含まれているのか、詳細を確認することは非常に大切です。基本の施術料の他に、以下のような費用が発生する可能性があります。
- 初診料・再診料
- カウンセリング料
- 血液検査などの術前検査費用
- 麻酔費用(局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔で料金が異なることが多い)
- 薬代(抗生物質、痛み止め、軟膏など)
- 固定具(ギプス、テーピング)費用
- 術後の検診・アフターケア費用
これらの費用が全て含まれた総額なのか、それとも別途追加で必要になるのかを、カウンセリング時に必ず確認しましょう。
「想定外の費用が後から発生した」というトラブルを避けるためにも、見積もりを書面でもらうことをお勧めします。
鼻の脂肪吸引 費用内訳の例(確認すべき項目)
項目 | 含まれるかどうかの確認 | 備考 |
---|---|---|
カウンセリング料 | 要確認 | 無料の場合、有料の場合あり |
術前検査費用 | 要確認 | 血液検査などが必要な場合 |
施術料(脂肪吸引) | 通常含まれる | 基本料金 |
麻酔費用 | 要確認 | 麻酔の種類によって変動 |
薬代 | 要確認 | 痛み止め、抗生物質など |
固定・材料費 | 要確認 | ギプス、テープなど |
術後検診費用 | 要確認 | 何回まで無料か、期間など |
保証制度 | 要確認 | 再手術などの保証があるか |
クリニック選びのポイント
費用だけでなく、クリニック選びそのものも非常に重要です。以下の点を考慮して、信頼できるクリニックを選びましょう。
医師の経験と実績
鼻の脂肪吸引の症例数が豊富で、美的センスのある医師を選びましょう。クリニックのウェブサイトやSNSで症例写真を確認するのも参考になります。
カウンセリングの丁寧さ
あなたの悩みや希望をしっかりと聞き、メリットだけでなくリスクやデメリットについても詳しく説明してくれるかを確認しましょう。質問しやすい雰囲気かも重要です。
アフターケア体制
術後の検診や、万が一トラブルが起きた場合の対応がしっかりしているかを確認しましょう。緊急時の連絡体制なども聞いておくと安心です。
クリニックの清潔さや設備
衛生管理が徹底されているか、必要な医療設備が整っているかもチェックポイントです。 これらの要素を総合的に判断し、ご自身が納得でき、安心して施術を任せられると感じるクリニックを選んでください。
複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討することも有効な方法です。
よくある質問
鼻の脂肪吸引に関して、患者様から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。疑問や不安の解消にお役立てください。
- 施術中の痛みはありますか?
-
施術中は麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。局所麻酔の場合は、麻酔注射の際にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効いてしまえば施術中の痛みはありません。
静脈麻酔や全身麻酔の場合は、眠っている間に施術が終わるため、痛みを感じることはありません。術後は、麻酔が切れると痛みを感じることがありますが、処方される痛み止めで十分にコントロールできる程度が一般的です。
痛みの感じ方には個人差がありますので、不安な方は事前に医師に相談しましょう。
- 傷跡は目立ちますか?
-
鼻の脂肪吸引の切開は、通常、鼻の穴の中や鼻柱(鼻の穴の間)など、外から見えにくい場所に行われます。切開の大きさも数ミリ程度と非常に小さいため、傷跡が目立つことはほとんどありません。
術後しばらくは赤みが残ることがありますが、時間の経過とともに徐々に薄くなり、最終的にはほとんど分からなくなります。
体質によっては傷跡が残りやすい場合もありますが、医師の指示に従って適切なケアを行えば、心配するほどの傷跡になることは稀です。
- 効果はどのくらい持続しますか?
-
脂肪細胞そのものを取り除くため、鼻の脂肪吸引の効果は半永久的に持続すると考えられています。吸引した部分の脂肪細胞の数が減るため、リバウンドの心配は基本的にありません。
ただし、加齢による皮膚の変化や、大幅な体重増加などによって、鼻の形状や脂肪のつき方が将来的に変化する可能性はゼロではありません。
しかし、施術を受けなかった場合と比較して、すっきりとした状態を維持しやすいと言えます。
- 再手術は可能ですか?
-
万が一、仕上がりに満足できなかった場合や、左右差などが気になる場合に、再手術を検討することは可能です。
ただし、再手術は初回の手術よりも難易度が上がる場合があります。組織が硬くなっていたり(瘢痕拘縮)、癒着が起きていたりするためです。
再手術が可能かどうか、また、どのような方法で行うかは、鼻の状態や前回の施術内容によって異なります。まずは施術を受けたクリニックに相談し、状態を診てもらうことが重要です。
保証制度があるクリニックもありますので、カウンセリング時に確認しておきましょう。
参考文献
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