多くの女性が悩むセルライト。その凹凸とした見た目は、美容への意識が高い方にとって大きな関心事です。脂肪吸引を検討する際に、「セルライトも一緒に除去できるのだろうか?」と疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、脂肪吸引がセルライトに対してどのような効果を持ち、どこまで改善が期待できるのか、そしてその限界はどこにあるのかを詳しく解説します。
資格・所属
- 日本形成外科学会専門医
- コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
- VASER Lipo認定医
- Juvederm Vista 認定医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
- 日本形成外科学会所属
- 日本美容外科学会(JSAPS)所属
【略歴】
脂肪吸引、豊胸を専門としている形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。
ARIEL .BUST.CLINICは、脂肪吸引を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型や悩みに応じた専門性を活かしたご提案をしており、傷跡や傷のケアに形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。
ボディメイクは決して焦る必要のないものです。このサイトでは脂肪吸引に関連する多くの記事を書いていますので、すぐに施術を決めることはせず、まずはぜひ患者様自身で知識をつけた上でご希望のクリニックへ相談されるようにしてください。
セルライトとは何か?その正体と原因
セルライトは、特に太ももやお尻、腹部などに見られる皮膚の凹凸現象を指します。
医学的には「限局性脂肪ジストロフィー」とも呼ばれますが、病気ではなく、多くの成人女性に見られる生理的な変化の一つと考えられています。その見た目から、美容上の悩みとなることが多いです。
セルライトの見た目の特徴
セルライトは、皮膚表面がオレンジの皮のように凹凸に見える「オレンジピールスキン」や、マットレスの表面のような状態と表現されることがあります。
つまんだり、特定の姿勢をとったりしたときにだけ目立つ軽度のものから、常に皮膚表面に凹凸が現れている重度のものまで、その程度には個人差があります。
セルライトが発生しやすい身体の部位
セルライトは皮下脂肪が多い部位に発生しやすい傾向があります。具体的には、以下のような部位が挙げられます。
- 太もも(特に裏側や内側)
- お尻(ヒップ)
- 腹部(下腹部など)
- 二の腕
これらの部位は、女性ホルモンの影響や血行不良、リンパの滞りなどが起こりやすい場所でもあります。
セルライトができる主な要因
セルライトの発生には、複数の要因が複雑に関与していると考えられています。単純に「脂肪の塊」というわけではありません。
セルライトの主な原因
要因 | 説明 | 関連する影響 |
---|---|---|
遺伝的要因 | 肌質や脂肪細胞の特性など、遺伝的にセルライトができやすい体質があります。 | 家族歴 |
女性ホルモン | エストロゲンなどの女性ホルモンが、脂肪細胞の代謝や結合組織の構造に影響を与えます。 | 思春期以降、妊娠、更年期 |
生活習慣 | 運動不足、食生活の乱れ、喫煙、ストレスなどが血行不良や代謝の低下を招きます。 | 肥満、むくみ |
加齢とセルライトの関係性
年齢を重ねるとともに皮膚の弾力性が低下し、結合組織も弱くなる傾向があります。これにより、脂肪細胞が皮膚表面に突出しやすくなり、セルライトが目立ちやすくなることがあります。
また、基礎代謝の低下により脂肪が蓄積しやすくなることも影響します。
脂肪吸引でセルライトは本当に消えるのか
脂肪吸引は、皮下脂肪を物理的に吸引して除去する美容外科手術です。では、この脂肪吸引によって、気になるセルライトは完全に消えるのでしょうか。
脂肪吸引の基本的な仕組み
脂肪吸引はカニューレと呼ばれる細い管を皮下に挿入し、余分な脂肪細胞を吸引除去する施術です。脂肪細胞の数そのものを減らすため、リバウンドしにくい痩身効果が期待できます。
セルライトの原因の一つである脂肪層の厚みを減らすことには繋がります。
セルライトに対する脂肪吸引の直接的な効果
脂肪吸引は、セルライトを「治療」することを主目的とした手術ではありません。しかし、脂肪層のボリュームが減少することで、皮膚表面の凹凸がいくらか滑らかに見えるようになることがあります。
特に、脂肪の蓄積が原因でセルライトが目立っている場合には改善が期待できるケースがあります。
脂肪吸引で改善が期待できるセルライトの状態
- 脂肪の蓄積によって皮膚が押し上げられ、凹凸が目立つ場合
- 比較的浅い層にある脂肪が原因となっている場合
脂肪吸引でセルライトが「悪化する」という噂の真相
一部で「脂肪吸引をしたらセルライトが悪化した」という声を聞くことがあります。これは、吸引技術が未熟だったり、不均一な吸引が行われたりした場合に、皮膚表面の凹凸がより目立ってしまうリスクがあるためです。
また、吸引後に皮膚がたるむことでセルライトが以前より目立つように感じることもあります。信頼できるクリニックと医師を選ぶことが非常に重要です。
効果の現れ方と個人差
脂肪吸引によるセルライト改善効果の現れ方には、個人差が大きいです。もともとのセルライトの状態、皮膚の弾力性、脂肪の質、吸引する脂肪量、そして施術後のケアなど、多くの要素が影響します。
全ての方でセルライトが完全に消えるわけではないことを理解しておく必要があります。
脂肪吸引がセルライトに与える影響の範囲
脂肪吸引はセルライトを根本的に治療するものではありませんが、間接的な影響を与える可能性があります。
改善が期待できるセルライトのタイプ
セルライトにはいくつかのタイプがあり、脂肪吸引で改善が見込めるのは主に「脂肪型セルライト」と呼ばれるタイプです。
これは、脂肪細胞の肥大化が主な原因で皮膚表面に凹凸が生じている状態を指します。
脂肪吸引によって脂肪細胞のボリュームが減ることで、このタイプのセルライトは目立ちにくくなる可能性があります。
改善が難しいセルライトのタイプ
一方で、むくみや線維化が進行したセルライトの場合、脂肪吸引だけでの大幅な改善は難しいことがあります。
「むくみ型セルライト」はリンパの流れや血行不良が主な原因であり、「線維化型セルライト」は脂肪細胞の周りのコラーゲン線維が硬化してしまっている状態です。
これらのタイプは、脂肪吸引に加えて他の治療法を組み合わせる必要があるかもしれません。
脂肪吸引の種類とセルライトへのアプローチの違い
脂肪吸引には様々な方法があり、それぞれ特徴が異なります。セルライトへの影響も、使用する機器や手技によって多少変わることがあります。
主な脂肪吸引法と特徴
脂肪吸引法 | 特徴 | セルライトへの影響(期待値) |
---|---|---|
従来法(シリンジ法など) | 医師の手作業で丁寧に吸引。 | 丁寧な吸引により、皮膚へのダメージを抑えやすい。 |
ベイザー脂肪吸引 | 超音波で脂肪を遊離させて吸引。皮膚の引き締め効果も期待。 | 皮膚の引き締め効果により、たるみ由来のセルライト悪化リスクを軽減する可能性。 |
ボディジェット | 水流を利用して脂肪を分離・吸引。 | 組織へのダメージが比較的少ないとされる。 |
ただし、どの方法であってもセルライト除去を保証するものではありません。医師とのカウンセリングで、ご自身の状態に合った方法を選択することが大切です。
皮膚の引き締め効果とセルライトの見え方
一部の脂肪吸引機器(例えばベイザーなど)には、皮膚の引き締め効果が期待できるものがあります。
脂肪吸引後に皮膚がたるんでしまうとセルライトが余計に目立つことがありますが、皮膚が引き締まることでそのリスクを軽減し、結果的にセルライトが目立ちにくくなる可能性があります。
セルライトの種類と脂肪吸引の相性
セルライトは一種類ではなく、その原因や状態によっていくつかのタイプに分類されます。脂肪吸引がどのタイプのセルライトに効果的で、どのタイプにはあまり効果がないのかを知ることは、治療法を選択する上で非常に重要です。
脂肪型セルライトと脂肪吸引
脂肪型セルライトは、主に運動不足やカロリーオーバーによる脂肪細胞の肥大化が原因で発生します。皮膚の下に過剰な脂肪が蓄積し、それが皮膚表面を押し上げて凹凸を作ります。
このタイプのセルライトに対しては、脂肪吸引が比較的効果を発揮しやすいと考えられます。脂肪細胞の数とボリュームを直接減らすことで、皮膚表面の凹凸の改善が期待できます。
むくみ型セルライトと脂肪吸引
むくみ型セルライトは、血行不良やリンパの流れの滞りによって、体内に余分な水分や老廃物が溜まることが主な原因です。
冷え性の方や長時間のデスクワークが多い方に見られやすい傾向があります。
脂肪吸引は脂肪を除去する施術であり、むくみそのものを直接改善する効果は限定的です。ただし、脂肪が多いことで血行が悪化している場合には間接的な改善が見られることもあります。
線維化型セルライトと脂肪吸引
線維化型セルライトは、セルライトが長期間放置され、脂肪細胞の周りのコラーゲン線維が硬く変性してしまった状態です。
触ると硬く、凹凸もはっきりしていることが多いです。このタイプは最も改善が難しいとされ、脂肪吸引だけでは十分な効果が得られない場合があります。
脂肪を除去しても硬くなった線維組織が残るため、凹凸が改善しにくいのです。
セルライトのタイプ別特徴と脂肪吸引の適性
セルライトのタイプ | 主な原因 | 脂肪吸引の適性 |
---|---|---|
脂肪型 | 脂肪細胞の肥大化 | 比較的高い |
むくみ型 | 血行不良、リンパ停滞 | 限定的(間接的効果の可能性あり) |
線維化型 | コラーゲン線維の硬化 | 低い(他の治療との併用を検討) |
混合型セルライトへの対応
実際には、これらのセルライトのタイプが単独で存在するよりも、複数のタイプが混在している「混合型セルライト」であることが多いです。
例えば、脂肪型とむくみ型が合併している、あるいは脂肪型が進行して線維化型になっているなどです。
この場合、脂肪吸引の効果も限定的になる可能性があるため、医師による正確な診断と状態に合わせた治療計画が重要になります。
脂肪吸引後のセルライトケアはあなたの努力も大切です
脂肪吸引は理想のボディラインへ近づくための有効な手段の一つですが、施術を受けたらそれで終わり、というわけではありません。
特にセルライトの改善や美しい仕上がりを長持ちさせるためには、施術後のご自身のケアが非常に大切になります。
クリニックまかせではなく、二人三脚で取り組む意識がより良い結果へと繋がります。
なぜ施術後のセルフケアが重要なのか
脂肪吸引で脂肪細胞の数は減りますが、残った脂肪細胞が再び大きくなったり血行が悪化したりすると、セルライトが再発したり、目立ってきたりする可能性があります。
また、施術後のむくみや内出血を早期に軽減し皮膚の引き締めを促すためにも、適切なアフターケアが効果を発揮します。
クリニックからの指示を守り、積極的にケアを行うことで脂肪吸引の効果を最大限に引き出し、維持することが期待できます。
クリニックが推奨するアフターケア
多くのクリニックでは、脂肪吸引後のダウンタイムを軽減し、仕上がりを高めるためのアフターケアを推奨しています。医師の指示のもと、安全に行うことが前提です。
推奨されるアフターケアの例
ケアの種類 | 目的 | 注意点 |
---|---|---|
圧迫固定 | 腫れや内出血の抑制、皮膚の収縮促進 | 医師の指示通りの期間・方法で行う |
マッサージ | 血行促進、むくみ軽減、拘縮緩和 | 施術部位の状態を見ながら、適切な時期に開始 |
適度な運動 | 血行促進、代謝アップ、体力回復 | 医師の許可を得てから、軽いものから開始 |
生活習慣の見直しで効果を持続
脂肪吸引の効果を長持ちさせ、セルライトの再発を防ぐためには日々の生活習慣を見直すことも重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、健康的な体を維持し、脂肪の蓄積や血行不良を防ぐ基本です。
- 食生活:高タンパク・低脂質を心がけ、野菜や果物を積極的に摂取する。
- 運動習慣:ウォーキングやストレッチなど、継続しやすい運動を取り入れる。
- 水分摂取:こまめに水分を摂り、体内の巡りを良くする。
これらの積み重ねが、脂肪吸引後の美しい状態をキープする鍵となります。
精神的なサポートとモチベーション維持
脂肪吸引は身体的な変化だけでなく、精神的な影響も伴います。施術後の経過に対する不安や、理想とのギャップに悩むこともあるかもしれません。
当院では、患者様一人ひとりの心に寄り添い、施術後の不安を軽減するためのサポート体制を整えています。定期的な検診や相談を通じてモチベーションを維持し、前向きにケアに取り組めるようお手伝いします。
脂肪吸引以外のセルライト治療法との比較
セルライト除去を目指す治療法は、脂肪吸引だけではありません。美容クリニックでは、様々なアプローチでセルライトの改善を図る治療法を提供しています。
それぞれの治療法の特徴を理解し脂肪吸引と比較することで、ご自身に合った選択肢を見つけることができます。
メソセラピー(脂肪溶解注射)
メソセラピーは、脂肪を溶解する効果のある薬剤を、セルライトが気になる部位の皮下に直接注射する治療法です。薬剤によって脂肪細胞を分解し、体外へ排出させることを目指します。
比較的ダウンタイムが短く、部分的なセルライトや脂肪の改善に適しているとされます。
エンダモロジー
エンダモロジーは、専用の機器を使用して皮膚を吸引しながらローラーでマッサージする治療法です。血行やリンパの流れを促進し、皮膚の凹凸を滑らかにすることを目的とします。
痛みはほとんどなく、リラクゼーション効果も期待できますが、効果を維持するためには定期的な施術が必要です。
高周波(RF)治療・キャビテーション
高周波(RF)治療は、ラジオ波を皮膚に照射し、深部を温めることで脂肪細胞の代謝を促したり、コラーゲンの生成を促進したりする治療法です。
キャビテーションは超音波によって脂肪細胞内に気泡を発生させ、脂肪細胞を破壊することを目指す治療法です。これらの機器を用いた治療は、皮膚の引き締め効果や部分的な痩身効果も期待できます。
主なセルライト治療法と特徴の比較
治療法 | 主な作用 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|---|
脂肪吸引 | 脂肪細胞を物理的に除去 | 確実な脂肪減少効果、セルライト改善の可能性 | ダウンタイム、身体への負担、費用 |
メソセラピー | 薬剤で脂肪を溶解 | ダウンタイムが短い、部分痩せ | 効果に個人差、複数回治療が必要な場合あり |
エンダモロジー | マッサージによる血行・リンパ促進 | 痛みが少ない、リラックス効果 | 効果が緩やか、定期的な施術が必要 |
高周波(RF)・キャビテーション | 熱や超音波で脂肪にアプローチ | 皮膚の引き締め効果、部分痩せ | 効果に個人差、複数回治療が必要な場合あり |
これらの治療法と脂肪吸引の組み合わせ
セルライトの状態や目指す効果によっては、脂肪吸引と他の治療法を組み合わせることも有効な選択肢となります。
例えば、脂肪吸引で大きな脂肪の塊を取り除いた後、残った細かい凹凸や皮膚の引き締めのために高周波治療を行う、といったケースです。医師とよく相談し、適切な治療プランを立てることが大切です。
脂肪吸引を受ける前に知っておきたい注意点とリスク
脂肪吸引は効果的な痩身治療の一つですが、外科手術である以上、いくつかの注意点やリスクが伴います。施術を受ける前にはこれらを十分に理解し、納得した上で臨むことが重要です。
ダウンタイムについて
脂肪吸引後には、腫れ、内出血、痛みなどの症状が現れるダウンタイムがあります。これらの症状の程度や期間は、吸引範囲、吸引量、体質などによって個人差があります。
一般的には、大きな腫れや痛みは1~2週間程度で落ち着き始め、内出血は2~3週間程度で徐々に薄れていきます。完全に自然な状態になるまでには数ヶ月かかることもあります。
脂肪吸引の一般的なダウンタイムの目安
症状 | 主な期間 | 備考 |
---|---|---|
腫れ | ピークは数日~1週間、徐々に軽減 | 圧迫固定が重要 |
内出血 | 1~3週間程度で黄色っぽく変化し消失 | 広範囲に出ることも |
痛み・筋肉痛のような感覚 | 数日~2週間程度 | 鎮痛剤でコントロール可能 |
拘縮(皮膚が硬くなる現象) | 術後2週間~1ヶ月頃から始まり、3~6ヶ月で改善 | マッサージが有効な場合あり |
起こりうる合併症や副作用
脂肪吸引には、稀ではありますが以下のような合併症や副作用のリスクがあります。
- 感染症
- 血腫(血液の塊)
- 皮膚の凹凸、たるみ
- 知覚鈍麻、しびれ(一時的なことが多い)
- 色素沈着
これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師による適切な手技と、術後の衛生管理、指示されたケアを遵守することが大切です。
期待できる効果と限界の理解
脂肪吸引は、皮下脂肪を減らすことでボディラインを整える効果が期待できますが、万能ではありません。例えば、体重を大幅に減らすことを目的としたものではなく、あくまで体型補正の一環です。
また、セルライトに関しても、完全に除去できるわけではなく、改善の程度には限界があることを理解しておく必要があります。
カウンセリングの重要性
脂肪吸引を受ける前には、必ず医師によるカウンセリングを受けましょう。
カウンセリングでは、ご自身の希望や悩み、体質、セルライトの状態などを医師に伝え、どのような効果が期待できるのか、どのようなリスクがあるのか、ダウンタイムはどの程度かなど、具体的な説明を受けます。
疑問や不安な点は遠慮なく質問し、十分に納得した上で施術を決めることが重要です。
クリニック選びのポイント セルライト除去を成功させるために
脂肪吸引によるセルライト改善を目指す上で、クリニック選びは非常に重要な要素です。
技術力はもちろん、カウンセリングの質やアフターフォロー体制など、総合的に信頼できるクリニックを選ぶことが満足のいく結果に繋がります。
医師の経験と技術力
脂肪吸引は医師の技術が結果を大きく左右する施術です。脂肪吸引の症例数が豊富で、様々なケースに対応してきた経験を持つ医師を選ぶことが大切です。
また、セルライトに対する深い知識と、それを改善するための適切な吸引技術を持っているかどうかも確認したいポイントです。学会活動や資格なども一つの目安になります。
カウンセリングの丁寧さと納得感
カウンセリングで、あなたの悩みや希望を親身に聞いてくれるか、セルライトの状態を正確に診断してくれるか、そして脂肪吸引の効果と限界、リスクについて分かりやすく説明してくれるかを確認しましょう。
質問しやすい雰囲気で、納得できるまで説明を受けられるクリニックを選びましょう。メリットだけでなく、デメリットや起こりうる合併症についてもきちんと説明があることが信頼の証です。
アフターフォロー体制の充実度
脂肪吸引は施術後のケアも非常に重要です。術後の検診や、万が一トラブルが起きた場合の対応など、アフターフォロー体制が整っているクリニックを選びましょう。
ダウンタイム中の不安を軽減し、安心して回復期間を過ごせるようサポートしてくれるかどうかも確認しておきたい点です。
クリニック選びのチェックポイント
チェック項目 | 確認する内容 | 重要度 |
---|---|---|
医師の実績・資格 | 脂肪吸引の症例数、専門医資格など | 高 |
カウンセリング | 説明の分かりやすさ、質問への対応、リスク説明 | 高 |
施術方法・機器 | セルライトの状態に合った方法か、安全性 | 中 |
アフターケア | 術後検診の有無、緊急時対応 | 高 |
費用 | 総額、追加費用の有無、明瞭な料金体系か | 中 |
料金体系の透明性
脂肪吸引の費用は、吸引範囲や方法によって大きく異なります。
カウンセリング時に、施術費用、麻酔代、薬代、術後ケア用品代など、総額でいくらかかるのか、追加費用が発生する可能性はあるのかなどを明確に提示してくれるクリニックを選びましょう。
複数のクリニックで見積もりを取り、比較検討することも有効です。
脂肪吸引とセルライトに関するよくある質問
ここでは、脂肪吸引とセルライトに関して患者様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問点の解消にお役立てください。
- 脂肪吸引をすれば、セルライトは完全になくなりますか?
-
脂肪吸引はセルライトを主目的とした治療ではないため、完全に除去することを保証するものではありません。
脂肪層のボリュームが減ることで、セルライトが目立ちにくくなる効果は期待できますが、セルライトの種類や程度、皮膚の状態によって効果には個人差があります。
特に線維化が進んだセルライトの完全な除去は難しい場合があります。
- 脂肪吸引後、セルライトが再発することはありますか?
-
脂肪吸引で除去した脂肪細胞が再生することはありませんが、残った脂肪細胞が大きくなったり、生活習慣の乱れや加齢によって新たなセルライトが発生したりする可能性はあります。
術後の体重管理や適切なアフターケア、健康的な生活習慣を心がけることが、効果を持続させるために重要です。
- セルライト除去のためには、どの脂肪吸引方法が良いですか?
-
特定の脂肪吸引方法がセルライト除去に絶対的に優れているとは一概には言えません。セルライトの状態や原因、患者様の体質、希望する仕上がりによって適した方法は異なります。
例えば、皮膚の引き締め効果も期待できるベイザー脂肪吸引などが選択肢の一つとなることもありますが、まずは医師に相談し、ご自身の状態に合った方法を提案してもらうことが大切です。
- 脂肪吸引後のダウンタイム中にセルライトが悪化したように見えることはありますか?
-
脂肪吸引後は一時的に腫れやむくみ、拘縮(皮膚が硬くなる現象)などが生じます。これらの影響で、一時的にセルライトが悪化したように見えたり、凹凸が目立ったりすることがあります。
通常、これらの症状は時間の経過とともに改善していきます。不安な場合は、遠慮なく担当医にご相談ください。
脂肪吸引後の運動開始時期の目安
運動の種類 開始時期の目安(術後) 注意点 軽い散歩 翌日~数日後 無理のない範囲で ストレッチ 1週間~2週間後 痛みを感じない程度に 本格的な運動(筋トレ、ランニング等) 1ヶ月後以降 医師の許可を得てから 上記はあくまで一般的な目安です。実際の運動開始時期は、施術部位や回復状況により異なりますので、必ず医師の指示に従ってください。 - 脂肪吸引と他のセルライト治療を併用することは可能ですか?
-
はい、可能です。セルライトの状態によっては、脂肪吸引と他の治療法(例:高周波治療、エンダモロジーなど)を組み合わせることで、より高い効果が期待できる場合があります。
例えば、脂肪吸引でボリュームを減らした後に、皮膚の引き締めや残った細かい凹凸の改善のために他の治療を行うことがあります。どのような組み合わせが最適かについては、医師にご相談ください。
参考文献
GUIDA, Stefania, et al. From Cellulite to Post-liposuction Skin Irregularities: A Proposal for Definition and Classification. The Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 2024, 17.4: 24.
ILLOUZ, Yves Gérard. Complications of liposuction. Clinics in plastic surgery, 2006, 33.1: 129-163.
BLANCHEMAISON, Philippe; FRUCOT, Jade. Cellulite and non-surgical fat destruction. In: Cosmetic Medicine and Surgery. CRC Press, 2017. p. 539-550.
DIVARIS, Marc, et al. A Clinical and Histological Study of Radiofrequency-Assisted Liposuction (RFAL) Mediated Skin Tightening and Cellulite Improvement——RFAL for Skin Tightening. Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications, 2011, 1.2: 36-42.
PITMAN, Gerald H., et al. Liposuction: problems and techniques. Perspectives in Plastic Surgery, 1993, 7.01: 73-119.
UEBEL, Carlos Oscar, et al. Cellulite: a surgical treatment approach. Aesthetic Surgery Journal, 2018, 38.10: 1099-1114.
SHRIDHARANI, Sachin M.; BROYLES, Justin M.; MATARASSO, Alan. Liposuction devices: technology update. Medical Devices: Evidence and Research, 2014, 241-251.
KHAN, Misbah H., et al. Treatment of cellulite: Part II. Advances and controversies. Journal of the American Academy of Dermatology, 2010, 62.3: 373-384.
ALLAM, Nesma M., et al. Comparison of extracorporeal shock wave therapy versus manual lymphatic drainage on cellulite after liposuction: a randomized clinical trial. Evidence‐Based Complementary and Alternative Medicine, 2021, 2021.1: 9956879.