「10代でほうれい線が気になる」という悩みは、決して珍しくありません。鏡やスマートフォンで自分の顔を眺めるたびに、口元の線が気になる若い人たちは確実にいます。
ほうれい線は中年以降のものだと思われがちですが、骨格・皮膚の弾力・日常の習慣が複合的に関わっているため、10代でも深くなることがあります。
原因を一つひとつ理解し、今日から見直せる生活習慣を知ることで、将来の顔の変化を少しでも緩やかにすることができます。
医学博士
2014年 日本形成外科学会 専門医取得
日本美容外科学会 会員
【略歴】
獨協医科大学医学部卒業後、岩手医科大学形成外科学講座入局。岩手医科大学大学院卒業博士号取得、2014年に日本形成外科学会専門医取得。大手美容クリニックの院長を経て2017年より百人町アルファクリニックの院長を務める。
百人町アルファクリニックでは、糸を使った切らないリフトアップから、切開部分が目立たないフェイスリフトまで患者様に適した方法をご提案していますが、若返り手術は決して急ぐ必要はありません。
一人ひとりの皮下組織や表情筋の状態に合わせた方法を探し「安全性」と「自然な仕上がり」を第一に心がけているため、画一的な手術をすぐにはいどうぞ、と勧めることはしていません。
毎回手術前の診断と計画立案に時間をかけすぎるため、とにかく安く、早くこの施術をして欲しいという方には適したクリニックではありません。それでも、リフトアップの施術を年間300件行っている実績から、患者様同士の口コミや他のドクターからのご紹介を通じ、全国から多くの患者様に当院を選んでいただいています。
このサイトでは、フェイスリフトやたるみに関する情報を詳しく掲載しています。どうか焦らず、十分に勉強した上で、ご自身に合ったクリニックをお選びください。もちろん、ご質問やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
10代のほうれい線は”特別なこと”ではない — 肌の弾力と顔の構造から原因を読み解く
10代のほうれい線には、大きく分けて「表情を作ったときだけ現れるもの」と「何もしていないのに残るもの」の2種類があります。どちらのタイプかによって原因や対策が異なるため、まず自分のほうれい線の性質を見極めることが大切です。
笑ったときに現れる「動的なほうれい線」と安静時でも残る「静的なほうれい線」の違い
笑ったり話したりしたときだけ現れるほうれい線を「動的なほうれい線」と呼びます。上唇の挙筋(上唇を持ち上げる筋肉群)が皮膚に付着し、収縮するたびに引き込まれる構造に由来するもので、医学的には正常な顔の動きの一部です。
一方、安静時でもくっきりと残っているほうれい線を「静的なほうれい線」と言います。皮膚の弾力低下、頬の脂肪の下垂(すいちょく=重力による下がり)、骨格の特徴が組み合わさることで生じます。10代でこちらのタイプが目立つ場合、骨格や生活習慣が主な要因であることが多いと言えます。
皮膚の弾力が下がりはじめるタイミングは思いのほか早い
「コラーゲンが減るのは30代から」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、皮膚を支えるコラーゲン繊維の合成能力はじつに10代後半から少しずつ変化しはじめています。
もちろん劇的に落ちるわけではありませんが、紫外線の積み重ねや生活習慣のダメージが加わると、皮膚の回復力は思いのほか早い段階で影響を受けます。
コラーゲンは皮膚の乾燥重量の約70〜80%を占め、肌に構造的な強度と弾力を与えています。加齢とともにその合成が低下することは研究でも明らかにされており、若いうちからの日々のケアがこの低下を緩やかにする鍵を握ります。
ほうれい線の2つのタイプ比較
| タイプ | 見え方の特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 動的なほうれい線 | 表情を作ったときだけ出現し、安静時には目立たない | 表情筋の収縮と皮膚の付着構造 |
| 静的なほうれい線 | 無表情でも溝としてくっきり残る | 皮膚弾力の低下・脂肪の下垂・骨格的特徴 |
ほうれい線の深さは年齢とともに確実に変化する
108名の日本人女性(20〜60代)を対象にした研究では、ほうれい線の重症度が年齢と強く正の相関を示し(r=0.777、p<0.001)、皮膚の弾力低下と皮下脂肪量の増加がその形成に関わることが報告されています。20代でも既に影響がみられるという点は、10代からの予防的ケアが意味を持つことを示唆しています。
同研究では、被験者が仰向けになると重力の方向が変わり、ほうれい線がほとんど消える例も多く確認されました。これはほうれい線の多くが、頬の下垂(重力による垂れ下がり)によって生じていることを示しています。
生まれつきの骨格がほうれい線の深さを決める
ほうれい線の見え方を大きく左右するのが、生まれつき持っている顔の骨格です。頬骨や上顎骨の形、顔の脂肪の分布パターンは遺伝的に引き継がれることが多く、同じ年齢でも顔の構造によってほうれい線の深さに差が生じます。
骨格そのものを変えることはできませんが、見え方に影響する要素は十分にケアできます。
頬骨・上顎骨の形状が与える影響
頬骨の突出度が低い、あるいは上顎骨の前後方向の骨量が少ない骨格では、頬の軟部組織(脂肪や皮膚)を支える土台が弱くなります。その結果、重力に抗いにくくなり、ほうれい線が深く見えやすい傾向があります。
フェイスリフト領域の研究では、顔の骨格の加齢変化として眼窩や中顔面の縮小が確認されており、こうした骨の形状が若年期から脂肪の下垂に影響することが指摘されています。
また、MRIを用いた解析でも、頬の脂肪パッドの垂れ下がりと上唇挙筋の筋肉面の位置関係が、ほうれい線の深さと密接に関わることが示されています。顔の骨格が薄い・奥行きが小さい場合は、顔の中心部を支えるボリュームが不足しやすく、その影がほうれい線をより際立たせます。
遺伝的な顔の脂肪分布とほうれい線の深さの関係
頬の脂肪(頬脂肪パッドと呼ばれる複数の脂肪コンパートメント)の量と分布には、強い遺伝的傾向があります。鼻の横から口角にかけての脂肪が少なく、その下の部分に脂肪が多い骨格構成の人は、ほうれい線が深く見えやすくなります。
逆に、頬の高い位置に脂肪が豊富にある人は、同じ年齢でもほうれい線が目立ちにくい傾向があります。
家族の中でほうれい線が目立つ親や祖父母がいる場合、自分も同様の傾向を持つ可能性があります。ただし遺伝はあくまでも「傾向」であり、生活習慣やケアによって同じ骨格でも見え方には差が出ます。
骨格由来のほうれい線は完全には消えないが、見え方は変えられる
生まれつきの骨格に由来するほうれい線を根本からなくすことは難しいのが現実です。しかし、それはあきらめる理由にはなりません。皮膚の弾力を保つことで頬の下垂を緩やかにしたり、表情筋を適切に鍛えることで頬のボリュームを維持したりする取り組みは、骨格とは無関係に効果を発揮します。
まずは「骨格は変えられないが、見え方は変えられる」という視点を持つことが大切です。
ほうれい線が深くなりやすい骨格の特徴と対応できるケアの方向性
| 骨格の特徴 | ほうれい線への影響 | ケアの方向性 |
|---|---|---|
| 頬骨の突出が少ない | 頬の脂肪が支えられにくく下垂しやすい | 表情筋トレーニングで補う |
| 上顎骨の骨量が少ない | 中顔面のボリュームが不足し影が出やすい | 皮膚の弾力維持を最優先に |
| 鼻横の脂肪が少ない | ほうれい線の溝が際立って見えやすい | 保湿で皮膚の柔軟性を高める |
10代のほうれい線を悪化させる悪習慣 — 今すぐ見直したい毎日のクセ
骨格の問題と並んで大きな原因となるのが、日常生活の中で繰り返されている無意識のクセです。特定の姿勢や表情のクセ、体重の変動などが積み重なることで、10代であっても頬の下垂や皮膚の折れグセが定着していきます。
これらはすべて、今日から意識するだけで変えられる可能性があります。
スマートフォンを見下ろす姿勢が積み重ねるダメージ
1日に何時間もスマートフォンを下向きに眺める姿勢は、頬と口まわりの皮膚を前方・下方に引き伸ばし続けます。皮膚は同じ方向に繰り返し引っ張られると徐々に元の位置に戻りにくくなり、特に10代後半は折れグセがつきやすい時期です。
スマートフォンを目の高さに持ち上げて操作する、長時間の使用後は意識的に首を後方に伸ばすなど、姿勢の見直しだけでも蓄積するダメージを軽減できます。動画視聴やゲームプレイ中は特に下向き姿勢が続きやすいため、注意が必要です。
偏った表情グセと噛み合わせのアンバランス
片側だけで食べ物を噛む、頬を膨らませて笑う、口をすぼめる表情が多いなど、特定の表情グセが偏っていると、一方の顔の筋肉が過剰に緊張し、ほうれい線に差が生じることがあります。歯科的な噛み合わせのアンバランス(不正咬合)も、顔の左右差を生む要因の一つです。
自分の表情グセに気づくには、スマートフォンの自撮り動画を活用するのが手軽な方法です。自分では気づきにくい癖が映像で明確になることがあります。噛み合わせに関しては、歯科医師への相談も選択肢に入れると良いでしょう。
ほうれい線を悪化させやすい生活習慣のチェックリスト
- スマートフォンを下向きに長時間使用している
- 片側ばかりで食べ物を噛む癖がある
- 寝るときは横向きかうつ伏せが多い
- 日常的に日焼け対策をしていない
- 急激なダイエットや体重の増減を繰り返している
体重の急激な増減が頬の脂肪に与える影響
短期間で体重が大きく増減すると、頬の脂肪も急激に膨らんだり縮んだりします。脂肪が膨らんだ後に急激に減ると、皮膚がたるんで残りやすくなります。特に成長期の10代では、体重変動が顔の輪郭に与えるインパクトが大きく、頬の皮膚の伸縮のクセがついてしまうことがあります。
過度な食事制限によるダイエットや、短期間での体重増加は、ほうれい線を深くする要因の一つです。極端な食事制限を避け、適切な栄養バランスを保ちながら緩やかに体重を管理することが、顔の輪郭を守ることにもつながります。
紫外線がほうれい線を早める — 10代の今から日焼け対策が未来の顔を守る
紫外線は、肌の老化を早める最大の外的要因です。蓄積した紫外線ダメージは数年〜数十年のタイムラグを経て、シワやたるみ、ほうれい線として現れます。10代の頃に何気なく過ごした日々の紫外線が、20〜30代の顔を決める可能性があることは、多くの研究が示しています。
UVAとUVBがコラーゲンを壊す仕組み
紫外線にはUVA(長波長)とUVB(中波長)の2種類があります。UVBは表皮(ひょうひ)に主に作用して日焼けを起こしますが、UVAはより深い真皮層(しんぴそう)まで到達し、コラーゲンとエラスチン(弾性繊維)を分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ:MMP)の産生を増やします。
ミシガン大学の研究では、紫外線を1回照射しただけでも、コラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)の活性が大幅に上昇し、真皮のコラーゲン繊維の分解が58%増加したことが報告されています。こうした分解が繰り返されるたびに、皮膚の支持構造は少しずつ弱くなっていきます。
10代の紫外線ダメージは蓄積し、若見えを奪う
紫外線によるダメージは「光老化(こうろうか)」と呼ばれ、通常の加齢とは区別されます。光老化は慢性的な紫外線曝露によって蓄積するもので、若年期から始まる点が重要です。日本人を対象とした研究では、20歳頃から顔に光老化の初期サインが現れはじめることが示されており、10代後半の日焼け対策が将来の肌の質を左右します。
特に夏の強い日差しだけでなく、曇りの日でも紫外線量は晴天時の約60〜80%ほどあります。屋内でも窓越しにUVAは届くため、一年を通じた対策の継続が求められます。
10代が実践しやすい日焼け対策の選び方
日焼け止めはSPF(紫外線B波防御指数)とPA(紫外線A波防御指数)の両方が表示されたものを選ぶことが基本です。日常の外出にはSPF30・PA+++程度のものを、海水浴やスポーツなど長時間の屋外活動にはSPF50+・PA++++程度のものを使うのが目安とされています。
肌荒れが気になる方は、紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)を使用したタイプがお勧めです。また、日焼け止めは2〜3時間ごとに塗り直すことで効果が持続します。帽子や日傘との組み合わせも効果的です。
日常生活別・日焼け止めの選び方の目安
| シーン | 推奨SPF/PA | ポイント |
|---|---|---|
| 通学・日常外出 | SPF30 / PA+++ | 低刺激タイプを選ぶと肌荒れしにくい |
| 屋外スポーツ・部活 | SPF50+ / PA++++ | 汗や水に強いウォータープルーフを選ぶ |
| 室内中心の日(曇り含む) | SPF20〜30 / PA++ | 軽めのテクスチャで毎日続けやすいものを |
うつ伏せ・横向き寝がほうれい線を顔に刻んでいた
睡眠中に枕に押しつけられた顔の皮膚には、圧力・剪断力(ずれる力)・引っ張り力が同時に働いています。この物理的な力が毎晩繰り返されることで、皮膚の折れグセがつき、やがてほうれい線や口まわりのシワとして定着することがあります。
10代の皮膚は弾力があるため一晩では残りませんが、習慣的に続くと無視できない要因になります。
枕への圧力が生み出す「スリープライン」の正体
表情によって生じるシワとは異なり、睡眠中に形成されるシワは「スリープライン(睡眠皺)」と呼ばれ、発生する場所と方向が表情シワとは異なります。横向きに寝ると頬・口まわりが枕に押しつけられ、ナソラビアルフォールド(ほうれい線)が深く刻まれます。
ある研究では、睡眠中に枕への圧力によって鼻唇溝(ほうれい線)が形成されることを実験的に確認し、これを軽減するための枕形状の改良が試みられています。
側臥位(横向き)が最も多く、次いで仰臥位(仰向け)、腹臥位(うつ伏せ)の順とされています。特に横向き寝は顔の片側だけに圧力が集中するため、左右のほうれい線の深さに差が生まれる原因にもなります。
素材と形状で変わる枕の選び方
一般的な枕では顔の圧力を完全に避けることは難しいですが、素材や形状の工夫によって影響を軽減できます。表面が滑らかなシルク素材の枕カバーは、摩擦力(ずれる力)を小さくし、顔の皮膚が引っ張られるダメージを和らげる効果が期待できます。
低反発(メモリーフォーム)タイプの枕は顔への圧力を面全体に分散しますが、横向き時に頬を押しつける構造は変わりません。
顔への直接的な圧力を避ける設計(アーチ型・穴あきタイプ)の枕も存在し、スリープラインの軽減に一定の効果があると報告されています。完璧な解決策ではありませんが、毎晩の積み重ねを少し変えるだけでも意味があります。
睡眠姿勢とほうれい線リスクの関係
| 睡眠姿勢 | ほうれい線への影響 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 仰向け(仰臥位) | 顔への圧力が最も少なく理想的 | 枕の高さを適切に調整する |
| 横向き(側臥位) | 片側の頬に繰り返し圧力がかかる | シルク枕カバーや低圧力枕を活用 |
| うつ伏せ(腹臥位) | 顔全体に最も多くの力がかかる | できる限り避け、抱き枕を活用する |
仰向け寝に近づけるための実践的なコツ
仰向けでの睡眠が顔への圧力を最小化できる姿勢であることはわかっていても、習慣的に横向きで寝てきた人が突然変えるのは難しいものです。有効なのは、両脇に小さなクッションや抱き枕を置き、寝返りを打ちにくい環境をつくる方法です。マットレスの硬さも重要で、柔らかすぎると体が沈み込んで横向きになりやすくなります。
完全に仰向けで一晩過ごすことは難しくても、入眠時に仰向けを意識するだけでも、顔への圧力時間を減らすことができます。少しずつ習慣を変えていく積み重ねが、長い目で見た予防につながります。
表情筋トレーニングでほうれい線は目立ちにくくなるか
「顔の体操をすれば、ほうれい線が薄くなる」という情報をSNSや動画で目にした方も多いでしょう。
実際のところ、表情筋のトレーニングには一定の根拠がある一方で、過剰に行うと逆効果になる可能性も指摘されています。正しく理解した上で取り組むことが大切です。
表情筋を鍛えると頬のボリュームが維持されやすい
顔の筋肉も体の筋肉と同様に、適切な運動によって筋量を増やし、形状を改善することができます。ノースウェスタン大学の研究では、20週間の顔の体操プログラムを継続した女性たちに、頬の上部・下部の充実感が改善されたという結果が得られています。筋肉量が増えると頬のボリュームが保たれ、ほうれい線が目立ちにくくなる効果が期待されます。
頬骨筋や口輪筋などを意識的に動かす運動は、頬の形を内側から支える働きをします。口をすぼめたり大きく開けたりする動作でも、継続することで変化が期待できます。
やりすぎは逆効果になることもある
一方で、表情筋の繰り返し収縮が皮膚の折れグセを深める側面もあります。表情によるシワ(動的シワ)は、筋肉の動きが皮膚に付着した状態で繰り返されることで形成されるためです。過度な顔の体操によって皮膚の弾力が低下している場合、むしろシワを深めるリスクがあります。
特に、皮膚を過剰に引っ張ったり、強くつまんだりするトレーニングは避けましょう。表情筋を鍛える目的であれば、皮膚を動かす力は最小限にとどめ、筋肉の動きだけを意識することがポイントです。
科学的研究が示す顔の体操の可能性と限界
顔の体操に関する研究はまだ発展段階です。効果を示す研究がある一方で、一部の研究では対照群との有意差が確認されなかったものもあります。「適切に行えば効果が期待できるが、万能ではない」という位置づけです。
表情筋トレーニングは日焼け対策・保湿・睡眠習慣の改善などと組み合わせて行うことで、より総合的な効果が期待できます。単独の解決策とは考えず、日常のケアの一つとして無理なく継続することが大切です。
顔の体操を行う際の注意点
- 皮膚を強く引っ張ったりつまんだりしない
- 1日10〜15分程度に留め、過剰に行わない
- 鏡を見ながら左右バランスよく動かす
- 保湿を十分にした後に行うと皮膚への摩擦ダメージを減らせる
- 違和感や痛みがあればすぐに中止する
10代から始められるほうれい線ケアの生活習慣
10代のほうれい線ケアは、高価な美容機器や特別な治療に頼らなくても始められます。日焼け止め・保湿・規則正しい生活という基本の積み重ねが、将来の肌の土台を決める重要な投資です。今日からできることを一つずつ増やしていきましょう。
毎日のスキンケアで肌の弾力を保つ
皮膚の弾力を守るために、日々のスキンケアで欠かせないのは「保湿」と「紫外線対策」の2本柱です。皮膚のバリア機能が低下すると外部からの刺激に弱くなり、コラーゲン合成を支えるエラスチン繊維も損傷しやすくなります。洗顔後は早めに保湿成分を含む化粧水・乳液を使い、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を助ける環境を整えましょう。
市販の保湿剤には、ヒアルロン酸・セラミド・グリセリンなどの成分が含まれるものが多く、どれも肌の水分保持を助ける機能を持ちます。成分の難しい解説よりも、「毎日続けられる使い心地」を重視して選ぶことが、継続のための現実的な選択です。
10代のほうれい線予防に役立つスキンケアの基本ステップ
| タイミング | ケアの内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝・洗顔後 | 保湿 → 日焼け止め | 日焼け止めは毎日・通年で使用する |
| 外出中 | 日焼け止めの塗り直し(2〜3時間ごと) | パウダータイプで手軽に重ね塗りできる |
| 夜・入浴後 | 保湿(化粧水+乳液) | 入浴後15〜20分以内に保湿するのが効果的 |
食事・睡眠・適度な運動で肌の底力を上げる
皮膚の健康は、内側からのアプローチでも支えられます。コラーゲンの合成にはビタミンCが関与しており、緑黄色野菜・果物・芋類などに豊富に含まれます。良質なタンパク質(鶏肉・魚・豆類など)も、皮膚の構成成分の原料となります。バランスの取れた食事が、スキンケアの効果を底上げします。
睡眠は皮膚の修復・再生が最も活発に行われる時間帯です。深夜まで画面を見続ける生活は、成長ホルモンの分泌を妨げ、肌の回復を遅らせます。できれば23時前後には就寝できる生活リズムを整えることを意識しましょう。適度な全身運動は血行を促進し、皮膚への栄養供給を助けます。
皮膚科や形成外科への相談はいつが適切か
10代のほうれい線のほとんどは、生活習慣の改善とセルフケアで十分にアプローチできます。ただし、明らかに左右差がある・短期間で深さが増している・他の皮膚症状(アトピー・乾癬など)を伴っているといった場合は、皮膚科を受診して専門家の意見を聞くことも選択肢の一つです。
形成外科やフェイスリフト専門の医療機関では、骨格・軟部組織の状態を踏まえた医学的なアドバイスを得ることができます。「まだ若いから相談するのは恥ずかしい」という思い込みを持つ必要はなく、早い段階で正確な情報を得ることが、将来の満足度を高めることにつながります。
よくある質問
- 10代にほうれい線が現れるのは、体の異常が原因でしょうか?
-
10代でほうれい線が目立つことは、必ずしも体の異常を意味しません。顔の骨格(頬骨や上顎骨の形)、皮膚のタイプ、表情筋の働き方など、生まれつきの要素が大きく関わっているからです。
ほうれい線は医学的には顔の正常な解剖学的構造の一部であり、笑顔や会話のたびに生じる動的なシワとして誰にでも存在します。安静時でも深く見える場合は、骨格の特徴や生活習慣が影響していることが多く、それ自体が病気のサインとなることはほとんどありません。
ただし、急激にほうれい線が深くなった・左右差が大きい・他の顔の変化を伴う、といった場合は、皮膚科や形成外科への相談をお勧めします。
- 10代のほうれい線は、スキンケアだけで薄くできますか?
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スキンケアだけで劇的にほうれい線を消すことは難しいですが、皮膚の弾力を保つことで進行を緩やかにする効果は期待できます。特に保湿と紫外線対策は、皮膚のコラーゲン繊維を守るうえで重要な役割を果たします。
10代のほうれい線には、骨格・睡眠姿勢・表情グセなど複数の要因が絡み合っています。スキンケアはその一部にしか作用しないため、姿勢や睡眠習慣の見直し、適切な表情筋トレーニングなどと組み合わせることで、より総合的な効果が得られます。
焦らず、日焼け止めと保湿を毎日継続することから始めてみてください。継続こそが最も確実な予防策です。
- 生まれつきの骨格が原因のほうれい線には、どのような対処法が考えられますか?
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骨格に由来するほうれい線を完全になくすことはできませんが、見え方を和らげるアプローチはいくつかあります。まず、10代が日常的に取り組める範囲では、表情筋トレーニングで頬のボリュームを内側から支えることが、最も自然で安全な方法です。
皮膚の弾力を保つ保湿ケアと、コラーゲンの分解を防ぐ日焼け対策も長期的な視点で有効です。骨格の問題は皮膚の状態が整うことで、見た目のほうれい線の深さが軽減されることがあります。
将来的に医療機関で相談する際は、フェイスリフト専門の医師や形成外科医に骨格の状態を踏まえたアドバイスを得るのが適切です。10代のうちは自己判断での施術は慎重に検討することが大切です。
- ほうれい線の予防に役立つ栄養素や食べ物はありますか?
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皮膚の健康に関わる栄養素はいくつかあります。コラーゲンの合成に必要なビタミンCは、ブロッコリー・キウイ・パプリカ・イチゴなどに豊富です。良質なタンパク質(鶏肉・魚・卵・豆腐など)は、皮膚を構成するコラーゲンやエラスチンの材料となります。
ビタミンE(アーモンド・アボカドなど)は抗酸化作用を持ち、紫外線による酸化ストレスから皮膚を守ります。亜鉛(牡蠣・豚肉など)はコラーゲン合成や皮膚の修復を助ける働きがあります。
特定の食品に偏るよりも、これらを含むバランスの取れた食事を毎日続けることが、皮膚の健康を内側から支える現実的な方法です。
- 10代のほうれい線を悪化させないために、特に大切な生活習慣は何ですか?
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最も確実で継続しやすい習慣は「毎日の日焼け止め使用」です。紫外線はコラーゲンを壊す最大の外的要因であり、その蓄積が数年後のほうれい線の深さに影響します。曇りの日も含め、一年を通じて習慣にすることが重要です。
次に大切なのは「睡眠姿勢の見直し」です。横向きやうつ伏せで毎晩寝ていると、頬への繰り返し圧力がほうれい線を深くしていきます。仰向け寝を意識するだけでも、長期的な影響を減らすことができます。
また、「スマートフォンを見下ろす姿勢を減らす」「極端なダイエットを避ける」「保湿ケアを続ける」という3点も、10代からの積み重ねとして非常に有効です。どれも大きな努力は不要で、今日から始められる習慣ばかりです。
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