フェイスリフトのダウンタイム経過｜腫れはいつまで？注意点を解説

フェイスリフト手術は、たるんだ皮膚や筋肉を引き上げて若々しい印象を取り戻す効果が期待できる治療です。

しかし、その効果を実感するまでには「ダウンタイム」と呼ばれる回復期間が必要です。特に「腫れはいつまで続くのか」「痛みはどの程度なのか」といった不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、フェイスリフトのダウンタイムの詳しい経過や症状、腫れを早く引かせるための注意点について詳しく解説します。

フェイスリフトのダウンタイムとは？基本的な期間

フェイスリフト手術後の回復期間であるダウンタイムについて、まずは基本的な期間を見ていきましょう。

ダウンタイムの定義と重要性

ダウンタイムとは、手術によって受けたダメージが回復し、日常生活に支障がなくなるまでの期間を指します。この期間中は、腫れ、痛み、内出血、むくみなどの症状が現れます。

ダウンタイムの過ごし方は最終的な仕上がりに大きく影響するため、医師の指示を守り、安静に過ごすことが求められます。

手術方法による期間の違い

フェイスリフトには様々な術式があり、切開範囲や引き上げる組織の深さによってダウンタイムの長さは異なります。

切開範囲が広いほど、また、皮膚だけでなくSMAS筋膜など深い層まで引き上げるほど体への負担は大きくなり、回復に時間がかかる傾向があります。

主な手術方法とダウンタイムの目安

手術方法	主な特徴	ダウンタイムの目安
ミニリフト	耳の前など部分的な切開で引き上げる	約1〜2週間
フルフェイスリフト	広範囲を切開し、SMAS筋膜から引き上げる	約2週間〜1ヶ月
糸リフト	糸を挿入して引き上げる（切開なし）	数日〜1週間

年齢や体質が期間に与える影響

ダウンタイムの長さは、個人の回復力にも左右されます。一般的に、年齢が若いほど細胞の修復能力が高く、回復が早い傾向にあります。

また、血行が良い、基礎疾患がないなど、健康状態が良好な方もダウンタイムが短くなる可能性があります。

反対に、喫煙習慣のある方や、糖尿病などの持病がある方は血流が悪化しやすく、傷の治りが遅くなることがあるため注意が必要です。

ダウンタイム期間中に現れる主な症状

フェイスリフトのダウンタイム中には、いくつかの特有の症状が現れます。

回復に向かう正常な体の反応ですが、どのような症状がいつ頃現れるかを知っておくことで、落ち着いて対処できます。

ダウンタイム中の主な症状

• 腫れ
• 痛み
• 内出血
• むくみ
• 皮膚のつっぱり感や違和感

【時期別】フェイスリフトのダウンタイム経過

ダウンタイム中の症状は時間と共に変化していきます。一般的なフェイスリフト手術後の経過を、時期別に詳しく見ていきましょう。

手術直後〜3日目 強い腫れと痛みのピーク

手術当日から3日目頃までが腫れと痛みのピークです。顔全体が腫れぼったく感じ、熱を持つこともあります。

痛みはジンジンとしたものが主で、処方される痛み止めを服用することでコントロールできます。

この時期は、とにかく安静にし、顔を心臓より高く保つことが大切です。また、クリニックの指示に従い、冷却を行うことも腫れを抑えるのに有効です。

4日目〜1週間目 腫れが引き始める時期

4日目を過ぎると、強い腫れは徐々に引き始めます。痛みも和らぎ、痛み止めの服用回数が減る方が多いです。内出血が黄色っぽく変化しながら、下に降りてくることがあります。

まだ腫れや内出血は目立ちますが、マスクをすれば外出可能な程度まで回復することが多いです。抜糸は、一般的にこの時期に行います。

2週目〜1ヶ月目 内出血が消え、メイクで隠せるように

2週間が経過する頃には、大きな腫れや内出血はほとんど落ち着きます。多くの人がこの時期から仕事や社会活動に復帰します。

まだ細かいむくみや、皮膚のつっぱり感は残っていますが、ファンデーションやコンシーラーを使えばほとんど気にならないレベルまで隠せます。軽い運動も可能になります。

時期別の回復状況

時期	腫れ・内出血	社会復帰の目安
〜3日目	ピーク。安静が必要	困難
〜1週間目	強い腫れが引いてくる	マスクをすれば可能
〜1ヶ月目	ほとんど目立たなくなる	ほとんどの人が可能

1ヶ月目〜3ヶ月目 むくみが取れ、効果を実感し始める

1ヶ月を過ぎると、見た目の回復はかなり進みますが、内部の組織はまだ完全に治癒していません。触った時の硬さ（拘縮）や、細かいむくみが残っていることがあります。

これらの症状は3ヶ月から半年ほどかけて、ゆっくりと改善していきます。

この時期になるとフェイスラインがすっきりし、手術の効果をはっきりと実感できるようになるでしょう。

フェイスリフトの「腫れ」はいつまで続く？

ダウンタイムの中でも、特に気になるのが「腫れ」でしょう。見た目に最も影響する症状であるため、いつまで続くのか心配になるのは当然です。

腫れのピークはいつか

前述の通り、腫れのピークは手術直後から3日目です。この期間は炎症反応が最も強く出るため、顔がパンパンに腫れているように感じます。

4日目以降は日に日に腫れが引いていくのを実感できるでしょう。

大きな腫れが引くのは術後1〜2週間が目安です。ただし、細かいむくみのような腫れは、1ヶ月以上続くこともあります。

腫れが長引く人の特徴

腫れの引き方には個人差があります。以下のような特徴がある方は、腫れが長引きやすい傾向があります。

腫れが長引きやすい要因

要因	理由
血圧が高い	血管に圧力がかかり、水分が漏れ出しやすい
喫煙	血管を収縮させ、血行を悪化させる
術後の活動量が多すぎる	血行が促進されすぎ、炎症が長引く

左右差のある腫れは問題ないか

手術後の腫れ方に、多少の左右差が出ることは珍しくありません。もともとの顔の左右差や、手術中の操作、術後の寝方などが影響して、片方だけ強く腫れることがあります。

ほとんどの場合、時間の経過とともに左右差は解消されます。しかし、明らかに片方だけ異常な腫れや強い痛みが続く場合は、血腫（血の塊が溜まること）などの可能性も考えられるため、すぐにクリニックに相談することが重要です。

腫れを早く引かせるためのセルフケア

少しでも早く腫れを引かせるためには、ご自身でのケアも大切です。医師の指示の範囲内で、以下のことを試してみましょう。

腫れを抑えるケアのポイント

• 術後3日間はしっかり冷やす（冷やしすぎに注意）
• 睡眠時は枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つ
• 塩分の多い食事を避ける
• 体を温めすぎない（長時間の入浴は避ける）

ダウンタイム中の痛みと内出血への対処法

腫れと並んで不安に感じるのが、痛みと内出血です。これらの症状への正しい対処法を知っておきましょう。

痛みの種類と期間

手術後の痛みは、主に切開した部分や組織を剥離した部分に生じます。ジンジン、ズキズキとした痛みが中心で、手術当日から2〜3日がピークです。

その後は徐々に和らぎ、1週間もすればほとんど気にならなくなります。

また、口を開けたり、笑ったりした時に引きつるような痛みを感じることもありますが、これも回復と共になくなります。

処方される痛み止めの使い方

手術後には、痛み止め（鎮痛剤）が処方されます。「痛くなったら飲む」のではなく、「痛くなる前に」定期的に服用するのが痛みを上手にコントロールするコツです。

特に痛みが強い術後3日間は、医師の指示通りにしっかりと服用しましょう。

薬に対するアレルギーなどがある場合は、必ず事前に医師に伝えてください。

内出血の色と変化の様子

内出血は、手術操作によって毛細血管が傷つくことで起こります。術後数日は赤紫色や青紫色をしていますが、時間と共に分解されていきます。

内出血の色の変化

時期	内出血の色
術後すぐ〜数日	赤紫色・青紫色
術後1週間前後	緑色・黄色
術後2週間前後	薄い黄色になり、消えていく

内出血は重力に従って、顔の上の方から首や胸元の方へ移動しながら消えていくのが一般的です。

内出血を早く改善するためのポイント

内出血を早く引かせるためには、血行管理が重要です。術後すぐは冷やすことで新たな出血を防ぎ、腫れが引いてきたら（術後1週間程度から）、今度は温めることで血行を促進し、吸収を早めるのが効果的です。

ただし、自己判断で温め始めるのは避け、必ず医師の許可を得てから行いましょう。

ダウンタイム中の「心のケア」と過ごし方

フェイスリフトのダウンタイムは、鏡に映る腫れた自分の顔と向き合う期間でもあります。身体的な回復だけでなく、精神的な安定を保つこともダウンタイムを乗り越える上で非常に大切です。

「本当にきれいになるの？」という不安との向き合い方

術後、腫れや内出血で大きく変化した自分の顔を見ると、「このまま治らなかったらどうしよう」「本当にきれいになるのだろうか」と強い不安に襲われることがあります。これは多くの方が経験する正常な心理状態です。

大切なのは、これが一時的な状態だと理解することです。

「今は回復の途中段階なのだ」と理解し、不安な気持ちを一人で抱え込まないようにしましょう。クリニックのスタッフに話を聞いてもらうだけでも、心は軽くなります。

周囲の人への伝え方と協力の求め方

ダウンタイム中は、食事や家事など、日常生活に多少の支障が出ることがあります。同居する家族やパートナーには、事前に手術のこと、そしてダウンタイム中は安静が必要なことを伝えて、協力を求めておくとスムーズです。

何をどこまで話すかは個人の判断ですが、「少し顔の治療をするので、しばらく安静にする必要がある」といった形で伝えておくと、余計な心配をかけずに済むでしょう。

ダウンタイムを快適にするための準備リスト

手術前に少し準備をしておくだけで、ダウンタイム中の生活の質は大きく向上します。安静にしながらも快適に過ごすためのアイテムを揃えておきましょう。

ダウンタイムお助けアイテム

• 着脱しやすい前開きの服
• ストロー付きの飲み物
• 柔らかく食べやすい食事（ゼリー、スープ、おかゆなど）
• 暇つぶしのための本や動画配信サービス

仕事復帰のタイミングと注意点

仕事復帰のタイミングは、職業によって大きく異なります。

デスクワークであれば大きな腫れが引く1週間後から可能な場合が多いですが、人と接する機会が多い職業や、体を動かす仕事の場合は、2週間程度の休みを確保しておくと安心です。

復帰直後はまだむくみや違和感が残っている可能性があるため、無理のないペースで業務に戻りましょう。

職業別・仕事復帰の目安

職業	復帰の目安	注意点
デスクワーク	5日〜1週間後	体調を見ながら無理のない範囲で
接客業	10日〜2週間後	マスクでカバーできるか考慮する
体力仕事	2週間〜1ヶ月後	力仕事は医師の許可を得てから

ダウンタイムを長引かせないための注意点

ダウンタイムをできるだけ短く順調に終えるためには、いくつかの注意点を守る必要があります。

食事で気をつけるべきこと

ダウンタイム中の食事は、傷の修復を助ける栄養素を積極的に摂ることが重要です。一方で、回復を妨げる可能性のある食事は避けましょう。

回復を助ける食事と避けるべき食事

種類	具体例	理由
積極的に摂りたいもの	タンパク質、ビタミンC、亜鉛	皮膚や組織の修復を助ける
避けるべきもの	塩分の多いもの、香辛料	むくみや炎症を助長する可能性がある

避けるべき行動（飲酒・喫煙・運動）

ダウンタイム中は、体に負担をかける行動を厳に慎む必要があります。特に以下の3点は、回復を遅らせる大きな要因となるため、必ず医師の指示に従ってください。

ダウンタイム中の禁止事項

行動	避けるべき理由	再開の目安
飲酒	血行を促進し、腫れや内出血を悪化させる	最低1週間後、医師の許可を得てから
喫煙	血管を収縮させ、傷の治りを遅らせる	術前2週間〜術後1ヶ月は禁煙を推奨
激しい運動	血圧を上昇させ、腫れや痛みを強くする	最低1ヶ月後、軽い運動から徐々に

正しい洗顔とスキンケアの方法

手術後のデリケートな肌には、優しいケアが必要です。

洗顔やスキンケアは、傷口に触れないように注意深く行います。洗顔料をよく泡立て、肌をこすらずに優しく洗い、ぬるま湯で洗い流しましょう。

化粧水や乳液も、刺激の少ない製品を選び、押さえるようにしてつけます。抜糸が終わるまでは、傷口を濡らさないように注意が必要です。

睡眠時の姿勢と工夫

術後の睡眠時の姿勢も、腫れの引き方に影響します。うつ伏せや横向きで寝ると、顔の片側に圧力がかかり、腫れや痛みの原因になります。

回復を促すためには、仰向けで寝ることが理想です。

枕を数個重ねたり、リクライニングチェアを利用したりして、上半身、特に頭を心臓よりも高い位置に保つように工夫しましょう。余分な水分が顔に溜まるのを防ぎ、腫れの早期軽減につながります。

フェイスリフトのダウンタイムに関するよくある質問

最後に、フェイスリフトのダウンタイムに関して、患者様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

抜糸はいつ頃行いますか？

抜糸の時期は、切開した部位やクリニックの方針によって異なりますが、一般的には術後5日〜10日後に行うことが多いです。

耳の前などの目立ちやすい部分は早めに、髪の毛の中など目立ちにくい部分は少し遅めに抜糸することもあります。正確な日時は、担当医から指示があります。

傷跡は目立ちますか？

フェイスリフトの切開線は、耳の前や耳の後ろ、髪の生え際など、できるだけ傷跡が目立たない場所に設定されます。術後しばらくは赤みがありますが、3ヶ月〜半年ほどで徐々に白く細い線になり、ほとんど分からなくなります。

傷の治りには個人差がありますが、体質に合わせて適切なケアを行うことで、よりきれいに治癒させることが可能です。

ダウンタイム中に他の施術は受けられますか？

フェイスリフトのダウンタイム中は、顔への刺激となる他の美容施術（レーザー治療、ピーリング、マッサージなど）は基本的に受けられません。

血行を促進したり、肌に負担をかけたりする行為は、回復を妨げる可能性があるためです。他の施術を希望する場合は、必ずフェイスリフト手術を受けたクリニックに相談し、いつから可能かを確認してください。

ダウンタイム中の他施術の可否

施術の種類	受けられる時期の目安
レーザー・光治療	術後1〜3ヶ月以降（医師の診断による）
注入治療（ヒアルロン酸など）	術後1〜3ヶ月以降（医師の診断による）
フェイシャルエステ	術後1〜3ヶ月以降（医師の診断による）

2回目のフェイスリフトのダウンタイムは変わりますか？

2回目のフェイスリフト手術の場合、初回の手術による組織の癒着などにより、手術の難易度が上がることがあります。このため、手術時間が長くなったり、剥離する範囲が異なったりすることで、ダウンタイムの期間や症状の出方が初回と異なる可能性があります。

一般的には、初回よりも腫れや内出血が強く出る傾向があると言われていますが、これも執刀医の技術や個人の体質によります。

カウンセリングの際に初回手術の経験を伝え、ダウンタイムの見込みについて詳しく確認することが大切です。