糸リフト直後の変化と経過を解説！腫れや効果のピークはいつ？

糸リフトはメスを使わずに顔のたるみを引き上げる施術ですが、多くの人が不安に感じるのは施術を受けた直後の状態や、その後の回復の道のりについてです。

顔に糸を通す以上、一時的な変化やダウンタイムは避けて通れません。しかし、事前にどのような経過をたどるのかを知っておけば、不必要な心配をせずに過ごせます。

この記事では、糸リフト直後のリアルな見た目の変化から、腫れや痛みが引いていく具体的な期間、そしてリフトアップ効果が最も実感できるピークの時期までを解説します。

直後の見た目と体感はどうなるか

施術が終わった直後の顔は、麻酔の影響や物理的な引き上げによって、完成形とは異なる独特な状態にあります。

鏡を見た瞬間に驚く方もいますが、これは一時的なものであり、時間の経過とともに自然な状態へと落ち着いていきます。

麻酔が効いている間の独特な感覚

施術直後は局所麻酔や笑気麻酔の影響が残っているため、顔全体がぼんやりとした感覚に包まれています。

特に糸を挿入したこめかみ付近や、糸が通過している頬の部分には、何かが入っているような違和感や、皮膚が突っ張るような感覚を覚えることが多いです。

麻酔液が皮膚の下に入っているため、触ると少しぶよぶよとした感触があったり、部分的に感覚が鈍くなっていたりすることもあります。

これらは麻酔が切れる数時間後には徐々に引いていき、代わりにじんじんとした痛みが現れ始めますが、痛み止めを服用することでコントロール可能です。

口が開きにくいと感じることもありますが、無理に大きく開けようとせず、安静に保つことが大切です。

鏡で見る直後の変化と引き上がり具合

鏡で自分の顔を確認した際、多くの人が「上がりすぎている」と感じることがあります。これは、医師が後戻り（糸が馴染んで少し下がる現象）を計算に入れて、あえて強めに引き上げているためです。

目尻が吊り上がったように見えたり、頬骨が高くなったように感じたりすることがありますが、これは成功の証であり過度な心配は不要です。

また、糸の挿入箇所であるこめかみや髪の生え際には、小さな針穴があり、再生テープや軟膏で保護されています。

髪の毛で隠れる位置にあることがほとんどですが、髪を結ぶ予定がある場合は、事前に医師と相談して傷が見えない位置を調整してもらう必要があります。

直後のこの過剰な引き上がりは、数日から1週間程度で自然なラインへと変化していきます。

帰宅時に注意すべき周囲への配慮

クリニックを出て帰宅する際は、まだ麻酔の影響で顔がむくんでいるように見えることがあります。また、針穴に貼ったテープや、稀に内出血が直後から出る場合もあるため、マスクや帽子を用意しておくと安心です。

電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合、下を向いてスマートフォンを長時間操作すると、顔への血流が増加し、腫れや痛みを助長する可能性があります。

できるだけ顔を上げて過ごし、揺れによる振動が患部に響かないよう注意してください。

帰宅後はすぐに横になりたい気持ちになりますが、完全に水平に寝てしまうと顔がむくみやすくなるため、枕を高くして頭の位置を心臓より高い位置に保つことが推奨されます。

施術当日の過ごし方と注意点

時間帯	状態・症状	推奨される行動
施術直後	麻酔による腫れ・違和感	マスク・帽子で隠して帰宅。患部を冷やす。
帰宅後	麻酔が切れ痛みが始まる	処方された痛み止めを服用。枕を高くして休息。
就寝時	顔の熱感・むくみ	仰向けで寝る。横向きやうつ伏せは避ける。

術後数日から1週間の経過とダウンタイム

糸リフトのダウンタイムは比較的短いと言われていますが、それでも術後数日から1週間は身体が回復しようとする反応が顕著に現れる期間です。

この期間をどう過ごすかが、その後の仕上がりや内出血の引き具合に大きく影響します。日ごとの変化を理解し、焦らずに経過を見守ることが重要です。

腫れやむくみのピークとその乗り越え方

腫れのピークは施術翌日から3日目あたりに訪れます。直後は麻酔液による膨らみが主ですが、翌日以降は組織の炎症反応による浮腫（むくみ）が加わります。

顔が一回り大きくなったように感じたり、ベース型のような輪郭に見えたりすることがありますが、これは一時的な反応です。

特に朝起きた時に顔のパンパン感を強く感じることが多いでしょう。

この時期は、保冷剤をタオルに包んで患部を優しく冷やす「クーリング」が効果的です。ただし、冷やしすぎは血行障害を招くため、1回10分程度を目安に断続的に行います。

また、塩分の多い食事はむくみを悪化させるため、カリウムを含む食材を積極的に摂るなど、内側からのケアも意識すると回復が早まります。

内出血が出る可能性と隠し方

糸を挿入する際に毛細血管に触れると、内出血が生じることがあります。黄色や緑色、時には紫色のアザのような色味が、糸の通り道や挿入口周辺に現れることがあります。

通常、1週間から2週間程度で体内に吸収されて消滅します。

内出血が出てしまった場合でも、翌日からメイクが可能であれば、コンシーラーやファンデーションでカバーすることができます。

黄色味を帯びた内出血には紫系のコントロールカラーを、青紫色の内出血にはオレンジ系のコンシーラーを使うと綺麗に隠せます。

大切な予定が控えている場合は、念のため1週間から2週間の余裕を持って施術を受ける計画を立てることが大切です。

痛みへの対処法と薬の服用タイミング

痛みは「ズキズキ」とした鈍痛や、口を動かした時の「ピキッ」とした鋭い痛みが特徴です。多くのクリニックでは鎮痛剤（ロキソニンやカロナールなど）と抗生剤が処方されます。

抗生剤は感染予防のために飲み切ることが必要ですが、鎮痛剤は痛みが強い時のみ服用します。

我慢してストレスを溜めるよりも、痛みを強く感じる前に服用することで、リラックスして過ごすことができます。

特に食事の際やあくびをする際に強い痛みを感じやすいため、口を大きく開けないように意識し、食事は柔らかいものや一口サイズにカットしたものを食べると負担が軽減されます。

痛みが1週間以上続いたり、日に日に増したりする場合は、感染などのトラブルの可能性があるため、速やかにクリニックに連絡してください。

術後1週間の主な症状の推移

経過日数	腫れ・むくみ	痛み・違和感
当日〜翌日	麻酔液の影響で大きく見える	ジンジンとした痛み、突っ張り感
2〜3日目	炎症による腫れのピーク	口を開けた時の痛み、触れると痛い
1週間後	徐々に引き始め、黄色くなる	大きな痛みは引くが、違和感は残る

1ヶ月後までの変化と組織の定着期間

大きな腫れや痛みが引いた後も、組織内部では修復作業が続いています。

1ヶ月という期間は、挿入した糸が皮下組織と馴染み、リフトアップ効果が定着していく重要なフェーズです。

この時期に見られる特有の症状や変化について解説します。

ひきつれ感の解消と肌の馴染み

術後1週間を過ぎても、「顔が引っ張られている」「笑うと引きつる」といった感覚が残ることがあります。

これを「ひきつれ感（ディンプル）」と呼びますが、これは糸のコグ（トゲ）がしっかりと組織に引っかかっている証拠でもあります。

多くの場合は、2週間から1ヶ月かけて徐々に解消されていきます。皮膚が馴染んでくると、当初のような強烈な引っ張り感はなくなり、自然なハリ感へと変わっていきます。

もし皮膚表面にえくぼのような凹みができている場合でも、指で優しくマッサージするように医師から指示が出ることもありますが、自己判断で強く揉むことは避けてください。

糸が外れたり、予期せぬ方向へずれたりするリスクがあるため、必ず医師の診察を受けてアドバイスを仰ぐことが重要です。

組織と糸が一体化する時期

糸リフトの効果を最大化するためには、糸の周りに線維組織が形成されるのを待つ必要があります。

挿入された糸は異物として認識され、身体はそれを守ろうとしてコラーゲンやエラスチンといった線維組織を作り出し、糸の周りを取り囲みます。

これを「コラーゲンカプセル」などと呼ぶこともありますが、この反応によって肌にハリや弾力が生まれ、リフトアップ効果が強固なものになります。

術後1ヶ月頃にはこの反応が安定し始め、顔の輪郭が引き締まった状態で固定されます。

この時期になると、洗顔やスキンケアの際に顔に触れても痛みを感じることはほとんどなくなり、普段通りの生活に戻ることができます。

笑った時の違和感と表情の自然さ

「思い切り笑うと頬が痛い」「表情が不自然に見えるのではないか」という不安も、1ヶ月が経過する頃には解消されます。

術後すぐは糸の張力が強いため、表情筋の動きが制限され、笑顔がぎこちなく見えることがありました。しかし、組織が馴染むにつれて糸にも適度な「あそび」ができ、表情の動きに合わせて自然に追従するようになります。

大きく口を開けて笑っても痛みを感じなくなり、周囲の人から見ても施術を受けたことが分からないほど自然な仕上がりになります。

この時点でまだ強い違和感が残っている場合は、糸が神経に触れているなどの可能性もゼロではないため、検診を受けることをお勧めします。

1ヶ月間の生活制限と解除の目安

行動	術後1週間以内	術後1ヶ月以降
フェイシャルマッサージ	禁止（糸がずれる危険性）	優しくなら可能（強擦は避ける）
歯科治療	緊急時以外避ける	通常通り可能
激しい運動	軽い散歩程度に留める	制限なく可能

効果のピークと持続期間の真実

糸リフトの効果は永久ではありませんが、適切な時期にピークを迎え、その後も緩やかに効果を持続させることができます。

「いつが一番綺麗なのか」という疑問と、使用する糸の種類による持続期間の違いについて詳しく掘り下げます。

最も綺麗に見える時期はいつか

施術直後の引き上がりも劇的ですが、腫れやむくみが完全に引き、肌のコラーゲン生成が活性化する「術後1ヶ月から3ヶ月」が、糸リフトの効果を最も美しく実感できるピークの時期です。

この時期は、物理的なリフトアップ効果に加え、肌質の改善効果も相まって、フェイスラインがシャープになり、肌にツヤとハリが生まれます。

直後のような不自然な突っ張り感もなく、まさに「若返った」という印象を強く与えることができます。

イベントや結婚式などに合わせて施術を受ける場合は、このピークの時期を逆算して、1ヶ月半から2ヶ月前に施術を受ける計画を立てると良いでしょう。

糸の種類による持続の違い

糸リフトに使用される糸の素材にはいくつかの種類があり、それぞれ体内に吸収されるまでの期間が異なります。

代表的な素材としてPDO（ポリジオキサノン）、PCL（ポリカプロラクトン）、PLLA（ポリ-L-乳酸）などがあります。

PDOは比較的早く吸収されるため、持続期間は半年から1年程度と短めですが、引き締め効果が高いのが特徴です。一方、PCLはゆっくりと分解されるため、2年以上効果が持続することもあります。

PLLAはその中間で、1年半程度の持続が見込めます。ただし、糸が溶けてなくなった瞬間に顔がたるむわけではありません。

糸が溶けた後も生成されたコラーゲン組織が支えとなるため、ある程度の期間はリフトアップ効果が残存します。

糸の素材別特徴と持続期間

素材	持続期間目安	特徴・メリット
PDO	6ヶ月〜12ヶ月	摩擦力が高く、引き締め効果が強い。
PLLA	12ヶ月〜18ヶ月	コラーゲン生成力が高く、肌質改善向き。
PCL	24ヶ月〜36ヶ月	しなやかで動きに強く、持続性が高い。

コラーゲン生成による肌質変化

糸リフトのもう一つの大きなメリットは、美肌効果です。糸が真皮層を刺激することで、創傷治癒能力が働き、コラーゲンやヒアルロン酸の生成が促進されます。

その働きによって、単にたるみが引き上がるだけでなく、毛穴の開きが目立ちにくくなったり、肌のキメが整ったり、肌のトーンが明るくなったりといった副次的効果が得られます。

この肌質改善効果は糸が吸収されていく過程で徐々に現れ、リフトアップ効果が薄れてきた後も、肌のハリとして長く残ります。

たるみ予防（タイトニング）として定期的に糸を入れる人が多いのは、この美肌効果による「老けにくい肌作り」が期待できるからです。

ダウンタイムを長引かせない過ごし方

術後の過ごし方は、ダウンタイムの期間や仕上がりの美しさに直結します。無意識に行っている日常の動作が、実は患部に負担をかけていることもあります。

早く回復し、綺麗な状態をキープするために守るべき生活上のルールを確認しましょう。

入浴や洗顔の制限と工夫

身体を温めると血流が良くなり、腫れや内出血が悪化する原因となります。そのため、術後3日から1週間程度は、長時間の入浴やサウナ、激しい運動は避けることが重要です。

シャワーは当日から可能ですが、顔に直接強い水圧を当てるのは避け、手で優しくお湯をかけるようにしてください。

洗顔の際も、ゴシゴシと擦るような動作は厳禁です。泡をたっぷりと立てて、手と肌が触れないように優しく洗い、タオルドライの際も押さえるように水分を拭き取ります。

また、洗髪時に下を向くと顔に血が上りやすいため、上を向いて洗うか、美容院のような姿勢で洗うなどの工夫が必要です。

寝る時の姿勢と枕の高さ

睡眠中の姿勢は、翌朝のむくみ具合に大きく影響します。横向きやうつ伏せで寝ると、片側の頬に圧力がかかり、糸の位置がずれたり、左右非対称な仕上がりになったりするリスクがあります。

術後1ヶ月程度は、できるだけ仰向けで寝る習慣をつけてください。また、枕を少し高くして頭を心臓より高い位置に保つことで、顔への血液や水分の滞留を防ぎ、むくみの引きを早くすることができます。

寝返りを打ちやすい人は、両脇にクッションを置くなどして、無意識に横を向かないような環境を作るのも一つの方法です。

食事とアルコールの摂取について

食事に関しては、口を大きく開けなくても食べられるものを選びましょう。硬い肉や大きなハンバーガー、フランスパンなどは、咀嚼筋に負担をかけ、こめかみ付近の痛みを誘発します。

うどんやおかゆ、ゼリーなど、柔らかく消化の良いものが適しています。アルコールに関しては、血管を拡張させ腫れを長引かせる最大の要因となります。

少なくとも腫れが引くまでの3日間、できれば1週間は禁酒することが望ましいです。

アルコールを摂取すると、治りかけていた炎症が再燃し、ダウンタイムが数日単位で延びてしまうことも珍しくありません。大切な顔のためにも、この期間だけは我慢が必要です。

術後に避けるべき食事リスト

• 硬いスルメやビーフジャーキー（咀嚼回数が増えるため）
• 大きなハンバーガーやサンドイッチ（大口を開ける必要があるため）
• 激辛料理や熱すぎるスープ（血行を促進し腫れにつながるため）

失敗と勘違いしやすい症状

経過中に現れる症状の中には、一見すると「失敗したのではないか」と不安になるものがありますが、その多くは回復過程で起こる正常な反応です。

不安を解消するために、よくある症状と本当のトラブルの見極め方を知っておきましょう。

左右差がある場合の判断基準

人間の顔はもともと左右非対称であり、骨格や筋肉の付き方に違いがあります。

糸リフト施術後、腫れの引き方に左右差が生じることは珍しくありません。片方だけ腫れが強く残っていれば、当然左右のバランスは異なって見えます。

また、麻酔の量が左右で異なっていた場合も、直後の膨らみに差が出ます。

術後1ヶ月以内の左右差は腫れやむくみの影響が大きいため、過度に心配する必要はありません。完全に腫れが引いて馴染んだ後（1ヶ月〜3ヶ月後）でも明らかな左右差がある場合は、追加の施術や調整を検討することになります。

まずは腫れが引くのを待つことが大切です。

皮膚の凹凸やえくぼの原因

糸の通り道に沿って皮膚が波打ったり、えくぼのような凹みができたりすることがあります。これは、糸が皮下組織を強く引き上げている箇所や、皮膚が薄い部分で起こりやすい現象です。

多くの場合は組織が馴染むにつれて皮膚が平らになり、自然に解消されます。これを失敗と捉えて焦る必要はありません。

ただし、極端に大きな凹みが1ヶ月以上続いたり、凹みが深くなってきたりする場合は、癒着が起きている可能性があるため、医師によるマッサージや修正が必要な場合もあります。

自己流のマッサージは状況を悪化させる恐れがあるため、必ずクリニックに相談してください。

糸が透けて見える不安について

皮膚が薄い人や、皮膚の浅い層に糸を挿入した場合、稀に糸の青色や影が透けて見えることがあります。また、糸の先端が皮膚を押し上げてニキビのような膨らみを作ることがあります。

これらは時間が経ち糸が吸収されれば解消されることもありますが、糸の先端が皮膚から飛び出しそうな場合は、感染のリスクがあるため放置してはいけません。

糸が出てきてしまった場合は、自分で抜いたり切ったりせず、すぐにクリニックを受診して処置を受けてください。

適切な深さに挿入されていれば、透けや飛び出しはほとんど起こりませんが、万が一の場合は早めの対処が肝心です。

正常な経過と要注意な症状の比較

症状	正常な経過（様子見でOK）	クリニックへ連絡すべき状態
痛み	徐々に軽減し、痛み止めで治まる	日に日に増強する、耐え難い激痛
腫れ・赤み	数日でピークを越え引いていく	熱感を伴い、赤く腫れ上がっている
糸の状態	皮膚の下にある感覚がある	皮膚から白い糸の先が出ている

2回目以降の施術タイミング

糸リフトは一度行えば一生効果が続くものではなく、定期的なメンテナンスによって若々しさを維持するエイジングケア治療です。

効果が完全になくなる前に次の一手を打つことで、たるみの進行を遅らせることができます。適切なリピートのタイミングを理解しましょう。

追加挿入の適切な目安

一般的に、2回目の施術を受けるタイミングは、1回目の糸の効果が薄れ始めた頃が適しています。PDO素材の糸であれば半年から1年後、PCL素材であれば1年半から2年後が目安となります。

しかし、完全に元に戻ってから施術を受けるのではなく、「少し緩んできたかな」と感じた段階で追加の糸を入れるのが理想的です。

たるみが進行しきってから引き上げるよりも、ある程度引き上がっている状態に追加することで、より少ない本数で効果を維持でき、組織の支えを強化することができます。

また、初回とは違う層や方向に糸を入れることで、より立体的で強固なリフトアップを図ることも可能です。

メンテナンスの重要性とたるみ予防

定期的に糸リフトを受けることは、単に見た目を戻すだけでなく、将来のたるみを予防する「貯金」のような役割を果たします。

糸を入れるたびにコラーゲンが生成され、皮膚自体が厚く丈夫になり、重力に負けない肌質へと変化していきます。こうして積み重ねることで、5年後、10年後の老化スピードを緩やかにすることができます。

美容医療においては、大きな手術を一度行うよりも、負担の少ない施術を定期的に継続する方が、自然な若さを保つ上で有利に働くことが多いです。

かかりつけの医師と相談し、自分の肌質や老化のタイプに合わせた長期的なプランを立てることが大切です。

他の施術との組み合わせで効果を高める

糸リフト単体でも効果はありますが、他の施術と組み合わせることで、相乗効果を生み出すことができます。

例えば、糸リフトで引き上げた後に、顔のボリュームが不足している部分（こめかみや頬のコケ）にヒアルロン酸を注入することで、より若々しい卵型の輪郭を作ることができます。

また、エラボトックスで筋肉の張りを抑えてから糸リフトを行うと、引き上げ効果が邪魔されず、小顔効果が高まります。

HIFU（ハイフ）などの照射系治療と組み合わせる場合は、同日に行うこともあれば、時期をずらすこともあります。それぞれの悩みに合わせて、複合的なアプローチを取り入れることで、満足度は格段に上がります。

よくある質問

施術直後にメイクはできますか？

施術当日のメイクは、針穴の箇所を避ければ可能な場合が多いですが、クリニックの方針により当日は控えるよう指導されることもあります。

針穴は傷口ですので、そこから化粧品の成分や雑菌が入ると感染の原因になります。翌日からは通常通りメイクが可能になることがほとんどですが、洗顔時やメイク時に患部を強く擦らないように注意が必要です。

また、使用するパフやブラシは清潔なものを使用するように心がけてください。

仕事はいつから復帰できますか？

デスクワークであれば、当日から復帰することも可能ですが、麻酔によるぼーっとした感覚や痛みが残る場合があるため、翌日からの復帰が安心です。

接客業などで人前に出る仕事の場合は、腫れや内出血のリスクを考慮して、2〜3日の休暇を取ることをお勧めします。マスクができる職場であれば、翌日から出勤しても周囲に気づかれることは少ないでしょう。

身体を使う重労働の場合は、血圧が上がり腫れが悪化する可能性があるため、1週間程度は控えるか、負担の少ない業務に調整してもらうのが無難です。

糸リフトは何歳から受けるのがいいですか？

糸リフトを受ける年齢に決まりはありませんが、たるみが気になり始める20代後半から30代に開始すると、たるみ予防（プリベンション）としての効果が高く、将来的な深いシワや大きなたるみを防ぐことができます。

40代、50代以降で既にたるみが進行している場合でも、強力な糸を使用したり本数を増やしたりすることで十分な改善が見込めます。

年齢よりも、肌の状態やたるみの程度、そして「どうなりたいか」という希望に合わせて適切な施術時期を判断します。

男性でも糸リフトを受ける人はいますか？

近年、男性で糸リフトを受ける方は非常に増えています。ビジネスシーンにおいて、若々しく清潔感のある印象を与えたいという理由や、リモート会議で自分の顔を見る機会が増えたことがきっかけとなるケースが多いです。

男性は女性に比べて皮膚が厚く硬い傾向があるため、それに適した太く丈夫な糸を選択したり、挿入する層を調整したりする必要があります。

メイクで内出血を隠す習慣がない男性の場合は、ダウンタイムが少ない施術方法や時期を慎重に選ぶことが重要です。