頬の肉を減らす整形手術｜種類と効果、ダウンタイムを解説

「顔が大きく見える」「ブルドッグ顔になってきた」「ダイエットしても頬の肉だけ落ちない」など、頬の肉に関するお悩みは尽きません。

この記事では、頬の肉が目立つ原因から美容クリニックで受けられる様々な整形手術の種類、それぞれの効果、ダウンタイム、費用相場まで詳しく解説します。

頬の肉が目立つ原因とセルフケアの限界

多くの方が悩む頬の肉。その原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることが一般的です。

遺伝的要因と骨格の影響

生まれ持った骨格や顔の脂肪のつきやすさは、頬の肉の見え方に大きく影響します。例えば、丸顔の方や、もともと皮下脂肪が多い方は頬がふっくらと見えやすい傾向があります。

また、エラが張っている場合、その上の脂肪が強調されて頬が目立つこともあります。

これらは遺伝的な要素が強く、セルフケアだけで大きく変化させることは難しい側面があります。

加齢によるたるみと脂肪の蓄積

年齢を重ねると、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚や皮下組織を支える力が弱まります。このことにより頬の脂肪が下垂し、たるみとして現れます。

いわゆる「ブルドッグ顔」やほうれい線が深くなるのも、このたるみが原因の一つです。

また、代謝の低下により、若い頃と同じ生活をしていても脂肪がつきやすくなることも頬の肉が増える要因となります。

主な加齢による変化

変化する組織	具体的な変化	見た目への影響
皮膚	弾力低下、菲薄化	小じわ、たるみ
皮下脂肪	下垂、局所的な増減	頬のこけ、二重あご
SMAS筋膜	ゆるみ	顔全体のたるみ

生活習慣と頬の肉の関係

日々の生活習慣も、頬の肉の目立ち具合に影響を与えることがあります。

塩分の多い食事やアルコールの過剰摂取はむくみを引き起こし、一時的に頬がパンパンに見えることがあります。

また、姿勢の悪さや噛み癖、表情筋の使い方の偏りなども、長期的には顔のバランスを崩し、たるみや脂肪のつき方に影響する可能性があります。

主な原因

• 塩分の多い食事
• 睡眠不足
• ストレス
• 喫煙

セルフケアでできること・できないことの境界線

マッサージやエクササイズ、美顔器などのセルフケアは、むくみの改善や血行促進、表情筋のトレーニングにはある程度役立ちます。

しかし、すでに蓄積してしまった脂肪を大幅に減らしたり、たるんでしまった皮膚やSMAS筋膜を引き上げたりすることは困難です。

セルフケアはあくまで予防や現状維持、軽微な改善を目的とし、根本的な解決を求める場合は美容医療の力を借りることを検討する必要があります。

頬の肉を減らす代表的な整形手術の種類

美容クリニックでは、頬の肉を減らすための様々な治療法を提供しています。ここでは代表的な手術の種類と、それぞれの特徴を紹介します。

脂肪吸引（頬・顎下）

頬や顎下に専用のカニューレ（細い管）を挿入し、余分な皮下脂肪を直接吸引する手術です。

物理的に脂肪細胞の数を減らすため、リバウンドしにくく、確実な部分痩せ効果が期待できます。特に、顔全体の脂肪が多い方や、二重あごが気になる方に適しています。

手術は局所麻酔や静脈麻酔で行い、術後は圧迫固定が必要です。

バッカルファット除去

バッカルファットとは、頬の深い部分にある脂肪の塊のことです。この脂肪が多いと、笑った時に頬が横に広がって見えたり、口角横がぽっこりと膨らんで見えたりします。

バッカルファット除去は口の中を数ミリ切開し、この脂肪を取り除く手術です。傷跡が外から見えないのが特徴で、顔の下半分をすっきりさせたい方に向いています。

手術方法の比較

手術名	主な対象	アプローチ方法
頬の脂肪吸引	皮下脂肪	耳の後ろや顎下からカニューレ挿入
バッカルファット除去	バッカルファット（深層脂肪）	口腔内切開
糸リフト	軽度～中程度のたるみ	特殊な糸を皮下に挿入

糸リフト（スレッドリフト）

糸リフトは、コグ（トゲ）のついた特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や皮下組織を引き上げる治療です。頬のたるみを改善し、フェイスラインをシャープにする効果が期待できます。

使用する糸の種類や本数によって、効果の持続期間や引き上げ力が異なります。切開を伴わないため、比較的ダウンタイムが短いのが特徴です。

HIFU（ハイフ）などの照射治療

HIFU（高密度焦点式超音波）は、超音波エネルギーを皮膚の深層部（SMAS筋膜など）に集中的に照射し、熱凝固を起こすことで組織を引き締める治療です。メスを使わずにたるみを改善し、リフトアップ効果を得られます。

コラーゲンの生成も促すため、肌のハリ感アップも期待できます。ダウンタイムがほとんどないため、手軽に受けられるたるみ治療として人気があります。

各手術方法の効果と持続期間

頬の肉を減らす整形手術は、それぞれ期待できる効果やその持続期間が異なります。ご自身のライフスタイルや目指す結果に合わせて、適切な治療法を選択することが大切です。

脂肪吸引の効果と変化の実感

脂肪吸引は直接的に脂肪細胞を取り除くため、術後数ヶ月で確実なボリュームダウンを実感できます。吸引した脂肪細胞は再生しないため、効果は半永久的と言えます。

ただし、術後に体重が大幅に増加すると残った脂肪細胞が大きくなり、多少ふっくらする可能性はあります。

腫れが引いて完成形が見えるまでには、通常3ヶ月から6ヶ月程度かかります。

バッカルファット除去で期待できる小顔効果

バッカルファット除去は、特に顔の下半分や口周りのもたつきを解消し、すっきりとした印象に変える効果が期待できます。

丸顔や下膨れ顔の改善に適しており、小顔効果を実感しやすいでしょう。

効果は半永久的ですが、加齢によるたるみは別途進行するため、将来的に他の治療が必要になることもあります。効果の実感は、腫れが引く1ヶ月後くらいから現れ始めます。

効果の目安

治療法	主な効果	効果持続の目安
脂肪吸引	脂肪量の確実な減少	半永久的（体重変動に注意）
バッカルファット除去	顔下半分のボリュームダウン	半永久的（加齢変化は別）
糸リフト	たるみ改善、リフトアップ	半年～2年程度（糸の種類による）

糸リフトによるリフトアップ効果と期間

糸リフトは挿入する糸の種類や本数、医師の技術によって効果の程度や持続期間が大きく変わります。

一般的には、術直後からリフトアップ効果を実感でき、その後コラーゲン生成が促進されることで肌のハリも改善します。

持続期間は、吸収性の糸で半年から2年程度、非吸収性の糸ではそれ以上とされていますが、多くは吸収性の糸が使用されます。定期的なメンテナンスで効果を維持することが可能です。

照射治療の引き締め効果と繰り返し

HIFUなどの照射治療は、SMAS筋膜からの引き締め効果によりたるみを改善します。効果は施術後1ヶ月から3ヶ月かけて徐々に現れ、半年から1年程度持続することが一般的です。

劇的な変化というよりは、自然なリフトアップ効果や肌質の改善が期待できます。

効果を維持するためには、半年に1回から1年に1回程度の定期的な施術を推奨します。

【悩み別】自分の頬の悩みに合う治療法はどれ？

「どの治療法が自分に合っているのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。ここでは、お悩みのタイプ別に、考えられる治療法の選択肢を提案します。

もちろん最終的な判断は医師とのカウンセリングで決定しますが、ご自身の状況を整理する参考にしてください。

「脂肪が多くて丸顔に見える」あなたへ – 直接的な脂肪除去

頬全体の脂肪のボリュームが多く、顔が丸く大きく見える、あるいは二重あごも気になるという方には、直接的に脂肪細胞を減らす治療が適している場合があります。

具体的には、頬や顎下の脂肪吸引が第一選択肢として考えられます。

皮下脂肪をしっかりと取り除くことでフェイスラインがシャープになり、すっきりとした印象を目指せます。

脂肪のタイプとアプローチ

脂肪のタイプ	主な特徴	推奨される治療法例
皮下脂肪が多い	顔全体がふっくら、二重あご	脂肪吸引（頬・顎下）
バッカルファットが目立つ	笑うと頬が膨らむ、口横のもたつき	バッカルファット除去

「年齢とともに頬が下がってきた」あなたへ – たるみ改善とリフトアップ

以前は気にならなかったのに、最近になって頬の位置が下がってきた、ほうれい線やマリオネットラインが目立つようになった、と感じる方は、加齢によるたるみが主な原因かもしれません。

この場合、糸リフトやHIFUなどの照射治療が有効です。

糸リフトは物理的に組織を引き上げ、HIFUは深層から引き締めることで若々しい印象を取り戻す手助けをします。たるみの程度や希望する効果によって、適切な治療法が異なります。

「笑ったときの頬の盛り上がりが気になる」あなたへ – バッカルファット

真顔の時はそれほど気にならないけれど、笑ったり口をすぼめたりすると頬が不自然に盛り上がる、という方はバッカルファットが原因である可能性があります。

バッカルファットは頬の深い層にある脂肪で、これが過剰だと表情によって目立ちやすくなります。

バッカルファット除去手術は、この脂肪を適量取り除くことで自然ですっきりとした笑顔を作ることを目指します。

「複数の悩みが混在している」あなたへ – オーダーメイドの組み合わせ治療

「脂肪も気になるし、たるみも出てきた」「シャープなVラインも欲しいし、肌のハリも改善したい」など、複数の悩みを抱えている方も少なくありません。

そのような場合は一つの治療法に限定せず、複数の治療法を組み合わせることでより満足度の高い結果を得られることがあります。

例えば、脂肪吸引でボリュームを減らした後に糸リフトで引き上げる、HIFUで引き締めつつヒアルロン酸注入でボリュームを調整するなど、医師と相談しながらオーダーメイドの治療計画を立てることが重要です。

手術のダウンタイムと注意点

頬の肉を減らす整形手術を受けるにあたって、ダウンタイムの期間や過ごし方、注意点を事前に理解しておくことは非常に大切です。

術後の腫れや内出血の一般的な経過

手術後は、腫れや内出血が起こることが一般的です。これらの症状の程度や期間は、手術の種類や個人の体質によって異なります。

脂肪吸引やバッカルファット除去では術後数日から1週間程度が腫れのピークで、その後徐々に引いていきます。内出血は黄色っぽく変化しながら、1週間から2週間程度で目立たなくなることが多いです。

糸リフトやHIFUは比較的腫れや内出血が少ない傾向にありますが、個人差があります。

主な手術のダウンタイム要素

手術・治療法	腫れのピーク（目安）	内出血の期間（目安）
脂肪吸引（頬）	術後3日～1週間	1～2週間
バッカルファット除去	術後3日～1週間	1～2週間（口腔内のため外見上は少ない）
糸リフト	術後数日～1週間	数日～1週間（針穴周辺）
HIFU	軽微、または数日	稀に出る程度

仕事や日常生活への復帰時期の目安

仕事や日常生活への復帰時期はダウンタイムの程度によって変わります。デスクワークなど、身体的な負担が少ない仕事であれば、脂肪吸引やバッカルファット除去でも術後数日から1週間程度で復帰できる場合があります。

ただし、腫れや内出血が気になる場合はマスクで隠すなどの工夫が必要です。

糸リフトやHIFUは翌日からメイクも可能で、比較的早く日常生活に戻れることが多いです。

ダウンタイム中の過ごし方とアフターケア

ダウンタイム中はクリニックの指示に従い、安静に過ごすことが重要です。血行が良くなるような長時間の入浴や激しい運動、飲酒は、腫れや内出血を悪化させる可能性があるため、一定期間控える必要があります。

脂肪吸引後は、圧迫固定を指示通りに行うことが仕上がりを良くするために大切です。また、処方された薬は正しく服用し、気になる症状があれば早めにクリニックに相談しましょう。

ダウンタイム中のケアポイント

ケア項目	目的	具体的な方法例
冷却	腫れ・炎症抑制	保冷剤をタオルで包み当てる
圧迫（必要な場合）	腫れ抑制・皮膚の収縮	フェイスバンドなどを使用
保湿・紫外線対策	皮膚保護・色素沈着予防	低刺激のスキンケア、日焼け止め

考えられるリスクと副作用

どのような手術にもリスクや副作用の可能性はあります。頬の肉を減らす整形手術で考えられる一般的なリスクとしては、感染、血腫、左右差、皮膚の凹凸、神経損傷による感覚麻痺や表情の動かしにくさなどが挙げられます。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師を選び、術前のカウンセリングで十分に説明を受け、術後の指示をしっかりと守ることが重要です。

クリニック選びとカウンセリングの重要性

満足のいく結果を得るためには、手術そのものだけでなく、信頼できるクリニックと医師を選ぶこと、そして事前のカウンセリングが極めて重要です。後悔しないためにも、慎重に検討しましょう。

信頼できる医師を見極めるポイント

医師選びは、頬の肉を減らす整形手術の成否を左右する最も重要な要素の一つです。

形成外科専門医や美容外科の経験が豊富であるか、頬の解剖を熟知しているか、カウンセリングで親身に話を聞いてくれるかなどを確認しましょう。

症例写真や口コミも参考になりますが、それだけに頼らず、実際にカウンセリングを受けて医師の人柄や技量を見極めることが大切です。

医師選びのチェック項目

チェック項目	確認する内容
専門医資格	形成外科専門医など、関連する専門資格の有無
経験・実績	頬の整形手術に関する症例数や経験年数
カウンセリングの質	説明の分かりやすさ、質問への丁寧な対応

カウンセリングで確認すべきこと

カウンセリングは、ご自身の希望を医師に伝え、手術に関する疑問や不安を解消するための大切な機会です。

手術方法の詳細、期待できる効果、ダウンタイム、リスクや副作用、費用、アフターフォロー体制など、納得いくまで質問しましょう。

医師からの説明だけでなく、ご自身の希望や体質、ライフスタイルを正確に伝えることも重要です。

• 希望する仕上がりイメージ
• 現在の健康状態、既往歴、アレルギー
• ダウンタイムに割ける期間
• 予算

費用相場と支払い方法

頬の肉を減らす整形手術の費用は、手術の種類や範囲、クリニックによって大きく異なります。

一般的に、脂肪吸引は20万円～50万円程度、バッカルファット除去は20万円～40万円程度、糸リフトは使用する糸の種類や本数により10万円～100万円以上と幅があります。

HIFUは数万円から十数万円程度が相場です。

カウンセリング時に総額費用を確認し、追加費用が発生する可能性についても聞いておきましょう。支払い方法は、現金、クレジットカード、医療ローンなどに対応しているクリニックが多いです。

アフターフォロー体制の確認

術後の経過観察や万が一のトラブルに対応してくれるアフターフォロー体制が整っているかどうかも、クリニック選びの重要なポイントです。

術後の検診の頻度や内容、緊急時の連絡先、保証制度の有無などを確認しておくと安心です。信頼できるクリニックは、術後のケアにも力を入れています。

頬の肉を減らす整形手術に関するよくある質問（FAQ）

ここでは、頬の肉を減らす整形手術に関して、患者様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

手術中の痛みはどの程度ありますか？

手術の種類や麻酔方法によって異なります。脂肪吸引やバッカルファット除去では、局所麻酔や静脈麻酔を使用するため、手術中に強い痛みを感じることは通常ありません。

術後は筋肉痛のような鈍い痛みが出ることがありますが、処方される痛み止めでコントロールできます。糸リフトやHIFUはチクチクとした痛みや熱感を感じることがありますが、麻酔クリームや冷却などで軽減できます。

手術跡は目立ちますか？

脂肪吸引の場合、耳の後ろや顎下など、目立ちにくい場所に数ミリ程度の小さな切開を加えます。バッカルファット除去は口腔内からのアプローチなので、顔の表面に傷跡は残りません。

糸リフトは髪の生え際やこめかみなどに針穴程度の跡ができますが、時間とともにほとんど分からなくなります。HIFUはメスを使わないため、傷跡の心配はありません。

治療法	傷跡の場所・特徴	目立ちにくさ
脂肪吸引（頬）	耳の前後、顎下などに数ミリ	時間経過で目立ちにくくなる
バッカルファット除去	口腔内	外からは見えない
糸リフト	こめかみ、髪の生え際などに針穴	時間経過でほとんど目立たない

効果がなかった場合、どうなりますか？

期待した効果が得られなかったと感じる場合、まずは手術を受けたクリニックに相談することが大切です。原因を特定し、必要に応じて追加の処置や再手術を検討することもあります。

クリニックによっては保証制度を設けている場合もあるため、カウンセリング時に確認しておきましょう。ただし美容医療は個人の主観的な満足度も関わるため、術前のイメージ共有が非常に重要です。

他の施術と同時に受けられますか？

はい、頬の肉を減らす手術と他の施術を組み合わせることは可能です。例えば、脂肪吸引と糸リフトを同時に行い、ボリュームダウンとリフトアップを両立させることもあります。

また、ヒアルロン酸注入やボツリヌス注射などを併用して、より理想的なフェイスラインを目指すこともできます。

ただし、組み合わせる施術によっては身体への負担が増える可能性もあるため、医師と十分に相談し、安全性を最優先に計画を立てることが重要です。