ほうれい線剥離の値段はいくら？費用相場と効果の持続期間

ほうれい線の深い溝にお悩みではありませんか。

セルフケアでは改善が難しいほうれい線の一因に、皮膚の「癒着」があります。この癒着を剥がす治療法が「ほうれい線剥離」です。

この記事では、ほうれい線剥離の費用相場や、どのような効果が期待でき、どのくらい持続するのかを詳しく解説します。また、治療のメリットや注意点、他の治療法との違いについても紹介します。

ほうれい線剥離とは？基本的な仕組みと効果

ほうれい線剥離は、ほうれい線の溝の下で硬く癒着している皮膚組織を、専用の針やカニューレ（鈍針）を使って剥がす治療法です。

この癒着が剥がれると溝の引き込みが緩和され、ほうれい線が目立ちにくくなります。

また、剥離による刺激が創傷治癒を促し、コラーゲン生成が活性化することも期待できます。

ほうれい線ができる原因「癒着」とは

ほうれい線が深くなる原因の一つに、皮膚の深い部分（皮下組織や表情筋）と皮膚表面が硬くくっついてしまう「癒着」があります。

長年の表情のクセや加齢により、特定のラインが繰り返し折りたたまれると、その部分の組織が癒着し無表情の時でも溝が消えなくなります。

この癒着が、ほうれい線を深く刻む原因となります。

剥離の具体的な方法

治療は局所麻酔の後に行います。医師がほうれい線の溝に沿って、目立ちにくい場所（口角の横や小鼻の脇など）から細い針やカニューレを挿入します。そして、癒着している層を丁寧に剥がしていきます。

使用する器具や手技はクリニックによって異なりますが、皮膚の表面を傷つけずに内部の癒着だけを剥がす技術が求められます。

ほうれい線のタイプと剥離の適応

ほうれい線のタイプ	特徴	剥離の適応度
皮膚のたるみ型	頬全体の皮膚が下垂している	△（たるみ治療が優先）
筋肉のクセ型	表情によって強く出る	○
癒着・くぼみ型	無表情でも溝が刻まれている	◎（主な適応）

剥離によって得られる主な効果

最も期待できる効果は、癒着によって引き込まれていた溝の改善です。癒着が剥がれることで皮膚が持ち上がり、ほうれい線が浅くなります。

さらに、剥離した空間や刺激によって自身のコラーゲンやエラスチンの生成が促進されるため、肌のハリや弾力が改善する二次的な効果も見込めます。

ほうれい線剥離の値段はいくら？費用相場と内訳

ほうれい線剥離の費用相場は、両側で10万円～30万円程度です。

ただし、この金額はあくまで目安であり、使用する器具、剥離する範囲、医師の技術料、そしてクリニックの方針によって変動します。

費用相場とクリニックによる違い

自由診療のため、費用はクリニックが独自に設定しています。都心部のクリニックや、経験豊富な医師が在籍するクリニックでは費用が高くなる傾向があります。

一方、モニター価格などを設定している場合もあります。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用と内容を比較検討することが大切です。

費用の内訳

提示される費用に何が含まれているかを確認することが重要です。一般的には、施術料のほかに、カウンセリング料、麻酔代、薬代（鎮痛剤や抗生剤）、施術後の検診代などが必要です。

これらがすべて含まれた金額なのか、別途発生するのかを事前に確認しましょう。

費用内訳の一般的な例

項目	費用の目安	備考
カウンセリング料	無料～5,000円	施術決定で無料の場合も
施術料（両側）	100,000円～300,000円	剥離の手技料
麻酔代	5,000円～20,000円	局所麻酔や笑気麻酔など

値段に影響する要因

ほうれい線の長さや深さによって、剥離する範囲は異なります。範囲が広ければ、それだけ手技も複雑になり、時間がかかるため費用が上がります。

また、使用するカニューレの種類や、医師の経験値も費用に反映されます。

期待できる効果と持続期間

ほうれい線剥離によって期待できる主な効果は、癒着による溝の改善です。

効果の持続期間は個人差が大きく、一般的には半年から1年程度ですが、コラーゲン生成が促されるためそれ以上の持続を実感する人もいます。

効果を実感できるまでの期間

施術直後は麻酔液の影響や腫れによって溝が浅く見えますが、これは一時的なものです。腫れが引いてくる1～2週間後から、癒着が取れたことによる効果を実感し始めます。

さらに、コラーゲン生成が本格化する1～3ヶ月後にかけて肌のハリ感が向上し、より効果が安定していきます。

効果の持続期間と個人差

剥離した癒着が元通りに再癒着することは稀ですが、加齢によるたるみが進行すればほうれい線は再び目立ってきます。

持続期間はその人の肌質、生活習慣（喫煙、紫外線対策など）、体重の変動、そして加齢のスピードによって大きく左右されます。

効果の持続に関わる要因

要因	詳細
肌の弾力	コラーゲン生成能力が高い人は持続しやすい
生活習慣	紫外線対策や保湿ケアが持続を助ける
加齢の進行	たるみの進行が早いと持続期間は短くなる傾向

効果を長持ちさせるためのアフターケア

効果をできるだけ長持ちさせるためには、日々のスキンケアが重要です。特に紫外線は肌の弾力を奪う最大の要因であるため、日焼け止めを徹底しましょう。

また、保湿ケアで肌のバリア機能を保ち、バランスの取れた食事や十分な睡眠で肌の再生能力をサポートすることも大切です。

定期的にたるみ治療（HIFUや高周波など）を併用するのも一つの方法です。

ほうれい線剥離のメリットと注意点

ほうれい線剥離の大きなメリットは、メスを使った切開をせずに、ほうれい線の原因である癒着に直接アプローチできる点です。

一方でダウンタイムが存在し、医師の技術によって結果が左右される可能性がある点は注意が必要です。

ほうれい線剥離の主なメリット

メスを使わないため、傷跡は針穴程度で済みます。その結果、フェイスリフト手術などに比べて体への負担が少なく、回復期間も比較的短いのが特徴です。

ヒアルロン酸注入のように異物を入れるのではなく、自身の組織の治癒力を利用する点もメリットと言えるでしょう。

主な利点

• 切開が不要
• 傷跡がほとんど残らない
• 局所麻酔で施術が可能
• 自身のコラーゲン生成を促す

知っておくべきダウンタイム

施術後には、腫れ、内出血、痛み、つっぱり感などが生じます。これらは避けられない反応であり、ダウンタイムとして理解しておく必要があります。

特に内出血はメイクでも隠しにくい濃い色で出る可能性があります。

大切な予定がある場合は直前の施術は避け、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

ダウンタイム中の主な症状

症状	期間の目安	対処法
腫れ・むくみ	3日～1週間程度	冷やす（施術直後）
内出血	1～2週間程度	メイクでカバー
痛み・圧痛	数日～1週間程度	処方された鎮痛剤を服用

治療を受ける前の注意点

ほうれい線剥離は、医師の技術と経験が結果に大きく影響する治療です。癒着の層を正確に見極め、過不足なく剥離する技術が求められます。

剥離が不十分だと効果が出にくく、逆に剥離しすぎると不自然な凹凸やしこりの原因になる可能性もゼロではありません。信頼できる医師を選ぶことが何よりも重要です。

フェイスリフト手術との違いと組み合わせ治療

ほうれい線剥離は「溝」の癒着を解消する治療ですが、フェイスリフトは「たるみ」そのものを引き上げる治療です。

ほうれい線の原因がたるみである場合、剥離だけでは根本的な解決にならず、フェイスリフトが必要な場合があります。

ほうれい線剥離とフェイスリフトの比較

ほうれい線剥離は、皮膚と皮下組織の癒着を剥がすことで溝の引き込みを改善します。一方、フェイスリフトは、緩んだ皮膚だけでなく、その下にあるSMAS（スマス）という筋膜を引き上げ、頬全体のたるみを根本から改善する手術です。

アプローチする層と目的が異なります。

治療法の比較

項目	ほうれい線剥離	フェイスリフト
アプローチ対象	皮膚と組織の「癒着」	皮膚とSMAS筋膜の「たるみ」
適応	溝が深く刻まれている	頬全体が下垂している
ダウンタイム	比較的短い（1～2週）	比較的長い（数週～数ヶ月）

なぜフェイスリフトが必要なのか

ほうれい線は、癒着だけでなく、頬の脂肪や皮膚が重力で垂れ下がってくる「たるみ」によっても深くなります。

剥離で溝の癒着を取っても、上からたるみが覆いかぶさってくれば、ほうれい線は改善しません。

中度以上のたるみが原因の場合、土台であるSMAS筋膜から引き上げるフェイスリフトが最も効果的な解決策となります。

剥離と他の治療の組み合わせ

ほうれい線剥離は、他の治療と組み合わせることでより高い効果を発揮します。

例えば、剥離で癒着を剥がした後、できたスペースにヒアルロン酸や脂肪を注入し、くぼみを持ち上げるといった方法があります。

また、糸リフトで頬のたるみを軽く引き上げつつ、剥離で溝を浅くする併用治療も行われます。

ほうれい線が「深くなる」本当の理由と剥離の限界

ほうれい線剥離を行っても効果が薄い、または持続しないと感じる場合、その原因は「癒着」以外の要素、特に加齢による「骨格の変化」や「皮下脂肪の減少・下垂」にあるかもしれません。

表面的な溝だけを見ていると、根本的な解決には至りません。

年齢とともに変化する顔の土台

加齢は皮膚だけに起こるわけではありません。顔の土台である骨（特に頬骨や上顎骨）は、年齢とともに萎縮していきます。

骨が痩せるとその上の皮下脂肪や皮膚を支えきれなくなり、たるみが生じます。

これが、ほうれい線が深くなる根本的な原因の一つです。

癒着だけではない「たるみ」の複合要因

ほうれい線は、単純な「線」ではなく、様々な要因が複合してできる「溝」です。

皮膚の弾力低下、靭帯の緩み、皮下脂肪の減少や下垂、そして骨格の変化。これらが複雑に絡み合い、ほうれい線を形成します。

癒着の剥離は、これら要因のうちの一つにしかアプローチできません。

ほうれい線を深くする複合的な要因

• 皮膚の弾力低下（コラーゲン減少）
• 骨の萎縮（土台の縮小）
• 皮下脂肪の下垂（重力の影響）
• リガメント（靭帯）の緩み

加齢による顔の構造変化

組織	年齢による変化	ほうれい線への影響
骨格	頬骨・上顎骨の萎縮	土台が減り、皮膚が余る
脂肪	減少し、下垂する	頬がこけ、口元にたまる
皮膚	弾力低下	たるみを支えきれない

剥離だけでは対応しきれないケース

骨格の萎縮や頬全体の脂肪が大きく下垂している場合、剥離治療だけでは十分な効果を得ることは困難です。癒着を剥がしても、土台そのものが小さくなっているため、皮膚の余り（たるみ）が改善しないからです。

このようなケースでは、剥離の効果は一時的、あるいは限定的になります。

土台から考えるフェイスリフトの重要性

深刻なたるみを伴うほうれい線には、土台から立て直すアプローチが必要です。フェイスリフト手術は、皮膚だけでなくSMAS筋膜や緩んだリガメントを正しい位置に戻し、余分な皮膚を切除します。

これは、加齢によって変化した顔の構造そのものにアプローチする治療法です。

ほうれい線剥離で効果を感じにくい、あるいはより根本的な改善を望む方には、フェイスリフトが重要な選択肢となります。

治療の流れとダウンタイムの過ごし方

ほうれい線剥離を受ける際は、まず医師によるカウンセリングで適応を見極めます。

施術後はダウンタイムがあるため、適切なアフターケアと過ごし方を守ることがスムーズな回復と良い結果につながります。

カウンセリングから施術当日まで

まずは医師の診察を受け、ほうれい線の状態（癒着の程度、たるみの有無）を診断してもらいます。その上で、ほうれい線剥離が適しているか、他の治療法（フェイスリフトやヒアルロン酸注入など）の方が良いかを相談します。

治療法に納得したら施術日を決定します。

当日は局所麻酔を行い、施術自体は30分～1時間程度で終了することが多いです。

施術後の経過とアフターケア

施術直後は、腫れや内出血を最小限に抑えるため圧迫や冷却を行います。クリニックから鎮痛剤や抗生剤が処方される場合は、医師の指示通りに服用します。

洗顔やシャワーは当日から可能なことが多いですが、施術部位を強くこすらないよう注意が必要です。

施術後の主な注意点

期間	主な注意点
当日～3日目	血行が良くなる活動（飲酒、長時間の入浴、激しい運動）を避ける
1週間目まで	施術部位を強くマッサージしない
1ヶ月目まで	顔のマッサージやエステ、歯科治療などは医師に相談する

ダウンタイム中の過ごし方

ダウンタイム中はできるだけ安静に過ごし、回復を妨げる行動は避けましょう。

特に内出血が出ている間はコンシーラーなどでカバーできますが、無理に隠そうと強くこすらないようにします。

腫れや痛みが長引く場合や、何か異常を感じた場合はすぐに施術を受けたクリニックに連絡してください。

ほうれい線剥離に関するよくある質問

ほうれい線剥離について、患者様から多く寄せられる質問にお答えします。

痛みはどのくらいありますか？

施術中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じる程度です。

施術後は、麻酔が切れると鈍い痛みや圧痛が出ることがありますが、処方される鎮痛剤で十分コントロールできる範囲です。

傷跡は残りますか？

目立つ傷跡が残ることはありません。治療には針やカニューレを使用するため、皮膚に開くのは小さな針穴だけです。

この針穴は口角の横や小鼻の脇など、目立ちにくい部位を選びます。施術直後は赤みがありますが、時間とともにかさぶたになり、やがて治癒します。

施術後、すぐにメイクはできますか？

針穴以外の部分は、当日からメイク可能です。針穴の部分は、感染予防のために当日は避け、翌日以降からメイクを許可するクリニックが多いです。

ただし、内出血や腫れがある場合、治まるまではメイクのりを悪く感じるかもしれません。

ほうれい線剥離が受けられない人はいますか？

はい、受けられない場合があります。妊娠中・授乳中の方、重度の糖尿病や膠原病など持病のある方、出血が止まりにくい傾向のある方、施術部位に感染や皮膚炎がある方などは適応外となることがあります。

服用中の薬がある方も含め、必ずカウンセリングで医師に正確に申告してください。