首の皮のたるみ改善|筋トレ・整形による効果的な方法とは

年齢とともに気になる首のたるみ。「筋トレで改善できる?」「美容整形にはどんな方法があるの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?

首の皮膚は薄くデリケートなため、加齢や紫外線、生活習慣など様々な要因でたるみやすい部位です。

この記事では、首の皮がたるむ原因から、自分でできる筋トレやセルフケア、さらに美容外科・形成外科で行われる専門的な治療法まで、幅広く解説します。

ご自身のたるみの状態やライフスタイルに合った効果的なアプローチを見つけるための一助となれば幸いです。正しい知識を得て、すっきりとした若々しい首元を目指しましょう。

この記事の要約

  • 首のたるみは、加齢によるコラーゲン減少、紫外線ダメージ、悪い姿勢、急激な体重変動などが原因で起こります。
  • たるみは老けた印象を与え、二重あごや首の縦ジワ、フェイスラインのぼやけにつながります。
  • 筋トレやストレッチ、スキンケアなどのセルフケアはある程度の予防や改善に役立ちますが、限界もあります。
  • 美容医療では、HIFU、レーザー、糸リフト、注入治療といった非外科的治療から、フェイスリフトやネックリフトといった外科的な整形手術まで、たるみの程度に応じた多様な選択肢があります。
  • 方法によって、効果の現れ方、持続期間、費用、ダウンタイムが異なります。医師とのカウンセリングを通して、ご自身に適した方法を選ぶことが重要です。

この記事を書いた人

百人町アルファクリニック 院長 荻野 和仁

荻野 和仁
百人町アルファクリニック 院長
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医学博士 日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会 会員

【略歴】
獨協医科大学医学部卒業後、岩手医科大学形成外科学講座入局。岩手医科大学大学院卒業博士号取得、2014年に日本形成外科学会専門医取得。大手美容クリニックの院長を経て2017年より百人町アルファクリニックの院長を務める。

百人町アルファクリニックでは、糸を使った切らないリフトアップから、切開部分が目立たないフェイスリフトまで患者様に適した方法をご提案していますが、若返り手術は決して急ぐ必要はありません。

一人ひとりの皮下組織や表情筋の状態に合わせた方法を探し「安全性」と「自然な仕上がり」を第一に心がけているため、画一的な手術をすぐにはいどうぞ、と勧めることはしていません。

毎回手術前の診断と計画立案に時間をかけすぎるため、とにかく安く、早くこの施術をして欲しいという方には適したクリニックではありません。それでも、リフトアップの施術を年間300件行っている実績から、患者様同士の口コミや他のドクターからのご紹介を通じ、全国から多くの患者様に当院を選んでいただいています。

このサイトでは、フェイスリフトやたるみに関する情報を詳しく掲載しています。どうか焦らず、十分に勉強した上で、ご自身に合ったクリニックをお選びください。もちろん、ご質問やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

目次

なぜ首の皮はたるむのか?その原因とは

首の皮膚は顔に比べて薄く、皮脂腺も少ないため乾燥しやすく、たるみが生じやすいデリケートな部位です。

知らず知らずのうちに進行する首のたるみには、いくつかの原因が考えられます。ご自身の生活習慣や環境を振り返りながら、原因を探ってみましょう。

加齢による影響:コラーゲンとエラスチンの減少

肌のハリや弾力を支えているのは、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質です。これらは肌の構造を保つ重要な役割を担っています。

しかし、加齢とともにこれらの生成能力は低下し、質も変化していきます。その結果、皮膚を支える力が弱まり、重力の影響も受けて皮膚が下垂し、たるみとして現れます。

特に首は皮膚が薄いため、その影響を受けやすいと言えます。

加齢に伴う肌の変化

要素変化の内容たるみへの影響
コラーゲン量の減少、質の低下(硬くなる、弾力低下)ハリ・弾力が失われ、皮膚が支えきれなくなる
エラスチン量の減少、変性(弾力性の喪失)皮膚の伸び縮みが悪くなり、たるみにつながる
皮下脂肪減少または下垂皮膚が余り、たるみやシワの原因となる

紫外線ダメージの蓄積とそのメカニズム

紫外線は肌の老化を促進する大きな要因の一つで、「光老化」とも呼ばれます。紫外線の中でも特にUVA波は、肌の奥深く、真皮層にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを変性させたり、破壊したりします。

長年にわたり紫外線を浴び続けることで、これらのダメージが蓄積し、肌の弾力が失われ、たるみやシワを引き起こします。

首は顔と同様に日光にさらされやすい部位ですが、顔ほど紫外線対策を意識しない方も多く、ダメージが蓄積しやすい傾向にあります。

生活習慣の影響:姿勢やスマートフォンの長時間使用

日常生活での何気ない習慣も、首のたるみに影響を与えます。

例えば、長時間うつむいた姿勢でスマートフォンやパソコンを操作することは、首の前面にある広頸筋(こうけいきん)という筋肉を縮こまらせ、皮膚が寄りやすくなる原因となります。

また、猫背などの悪い姿勢は、首や肩周りの血行不良を招き、肌の新陳代謝を低下させる可能性があります。

枕の高さが合っていない場合も、寝ている間に首に不自然なシワが寄り、たるみにつながることがあります。

見直したい生活習慣の例

  • スマートフォンの長時間使用時の姿勢
  • デスクワーク中の姿勢(猫背など)
  • 枕の高さや硬さ
  • 食事の際の咀嚼回数

急激な体重変動と皮膚への影響

短期間で大幅な体重増減を繰り返すことも、首のたるみの原因となり得ます。体重が増加すると皮膚は伸びますが、急激に痩せると、伸びた皮膚が元の状態に戻りきらず、余ってたるんでしまうことがあります。

特に、加齢によって肌の弾力が低下している場合は、皮膚が収縮しにくいため、たるみが目立ちやすくなります。ダイエットを行う際は、急激な減量を避け、時間をかけて健康的に行うことが大切です。

首のたるみは見た目にどう影響する?

首のたるみは、単に首元だけの問題ではなく、顔全体の印象や若々しさにも大きく関わってきます。たるみが進行すると、どのような見た目の変化が現れるのでしょうか。具体的な影響について見ていきましょう。

老けて見える印象と顔全体のバランス

首元は年齢が現れやすい部位と言われており、たるみがあると実年齢よりも老けて見られがちです。首の皮膚にハリがなく、シワが寄っている状態は、顔全体の若々しい印象を損ねてしまいます。

顔のスキンケアは念入りに行っていても、首のケアがおろそかになっていると、顔と首の印象にギャップが生まれ、かえって首のたるみが目立ってしまうこともあります。

顔と首はつながっているため、トータルでケアすることが大切です。

二重あご(ダブルチン)との関連性

首のたるみは、フェイスラインのもたつきや二重あご(ダブルチン)の原因にもなります。あご下の皮膚や脂肪がたるむことで、あごのラインが不明瞭になり、二重あごのように見えてしまうのです。

これは、加齢による皮膚の弾力低下や筋力の衰え、脂肪の蓄積などが複合的に関与しています。特に、うつむき姿勢が多い方は、あご下の皮膚がたるみやすく、二重あごになりやすい傾向があります。

首の縦ジワ(ターキーネック)の出現

首の前面にある広頸筋という薄い筋肉が、加齢などによって拘縮したり、皮膚のハリが失われたりすると、首を動かしたときなどに縦方向の筋(すじ)が目立つようになります。

これは「ターキーネック」とも呼ばれ、七面鳥の首のように見えることから名付けられました。

皮膚のたるみと筋肉の状態が組み合わさって現れる現象であり、老けた印象を強調する要因となります。

ターキーネックの原因

主な要因詳細
皮膚のたるみ加齢や紫外線ダメージによるハリ・弾力の低下
広頸筋の拘縮加齢や筋肉の使い方の癖による筋肉の緊張や短縮
皮下脂肪の減少脂肪が減ることで、皮膚と筋肉の間のクッション性が失われる

フェイスラインのぼやけ

首のたるみは、あご下から首にかけてのラインだけでなく、顔全体のフェイスラインの印象にも影響します。首の皮膚がたるむと、あご下の境界線が曖昧になり、シャープさが失われます。

これにより、顔が大きく見えたり、全体的にぼんやりとした印象になったりすることがあります。すっきりとしたフェイスラインを保つためには、首のたるみケアも重要です。

自宅でできる?首のたるみ改善のための筋トレとセルフケア

美容整形に頼る前に、まずは自分でできることから始めたいと考える方も多いでしょう。

ここでは、首のたるみ改善に役立つとされる筋トレやセルフケアの方法、そしてその限界について解説します。継続することが大切ですが、無理のない範囲で行いましょう。

首の筋肉(広頸筋など)を意識したトレーニング

首のたるみに関係する筋肉の一つに、広頸筋があります。この筋肉は、あごの下から鎖骨あたりまで広がっている薄い筋肉です。

広頸筋を意識したトレーニングを行うことで、筋肉の衰えを防ぎ、ある程度の引き締め効果が期待できます。

例えば、天井を見上げるようにゆっくりと首を伸ばし、あごを突き出すような動きや、「いー」と口を横に引く動きで広頸筋を刺激する方法があります。

ただし、首はデリケートな部位なので、無理な力を加えたり、痛みを感じる場合はすぐに中止してください。

首の筋トレ例

トレーニング名(仮称)ターゲット筋肉方法の概要注意点
天井見上げ広頸筋ゆっくりと天井を見上げ、あごを少し前に突き出す首を反らしすぎない
口角引き上げ広頸筋、口輪筋口を「いー」の形にして、首筋に力が入るのを感じる肩に力が入らないように
あご引きエクササイズ頚部深層筋背筋を伸ばし、後頭部を後ろに引くようにあごを引く無理にあごを引きすぎない

効果的なストレッチとマッサージの方法

筋肉のトレーニングと合わせて、首周りのストレッチやマッサージを取り入れることも有効です。ストレッチは、凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促進する効果が期待できます。

ゆっくりと首を左右に傾けたり、前後左右に回したりするストレッチが基本です。マッサージを行う際は、必ずオイルやクリームなどを使い、肌への摩擦を避けるようにしましょう。

指の腹を使って、あご下から耳の下へ、鎖骨に向かって優しくなでるように流すのがポイントです。強い力でゴシゴシこするのは逆効果になるため注意が必要です。

スキンケアでの保湿と紫外線対策の重要性

首の皮膚は乾燥しやすく、紫外線ダメージも受けやすいため、日々のスキンケアが非常に重要です。顔と同じように、首にも化粧水や乳液、クリームなどを使ってしっかりと保湿を行いましょう。

特に、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった保湿成分や、レチノール、ナイアシンアミドなど、ハリを与える成分が配合された製品を選ぶのも良いでしょう。

また、外出時には、季節を問わず首にも日焼け止めを塗ることを習慣づけ、紫外線対策を徹底することが、たるみの予防につながります。

紫外線対策のポイント

  • 日焼け止めはSPF/PA値を確認し、こまめに塗り直す
  • 帽子や日傘、ストールなどを活用する
  • 紫外線が強い時間帯の外出をなるべく控える

セルフケアの限界と注意点

筋トレやマッサージ、スキンケアといったセルフケアは、たるみの予防や軽度のたるみ改善には一定の効果が期待できます。

しかし、すでに深く刻まれたシワや、著しく進行したたるみをセルフケアだけで完全に元に戻すことは困難です。また、間違った方法での筋トレやマッサージは、かえって首を痛めたり、シワを悪化させたりするリスクもあります。

セルフケアは根気強く続けることが大切ですが、効果が感じられない場合や、より確実な改善を求める場合は、専門医への相談を検討しましょう。

首のたるみに対する美容整形・形成外科のアプローチ

セルフケアでは改善が難しい首のたるみに対して、美容外科や形成外科では様々な治療法を提供しています。

たるみの程度や原因、患者さんの希望に合わせて、メスを使わない非外科的な治療から、より効果の高い外科的な手術まで、幅広い選択肢があります。ここでは代表的な治療法を紹介します。

美容医療でできること:非外科的治療から外科的治療まで

美容クリニックで行われる首のたるみ治療は、大きく分けて「非外科的治療」と「外科的治療」があります。

非外科的治療は、主に皮膚の引き締めやハリ感アップを目的としたもので、ダウンタイムが比較的短いのが特徴です。

一方、外科的治療は、たるんだ皮膚や筋肉を直接処理するため、より大きな変化と持続性が期待できますが、ダウンタイムが必要となります。

主な治療法の分類

治療分類代表的な治療法特徴
非外科的治療HIFU、レーザー、高周波(RF)、糸リフト、ヒアルロン酸注入メスを使わない、ダウンタイムが短いか、ほぼない
外科的治療フェイスリフト、ネックリフトメスを使う、効果が高い、ダウンタイムが必要

HIFU(ハイフ)やレーザー治療による引き締め

HIFU(高密度焦点式超音波)は、超音波エネルギーを皮膚の深層部(SMAS筋膜など)に集中させて照射し、熱凝固を起こすことで組織を収縮させ、リフトアップ効果を狙う治療です。

レーザーや高周波(RF)治療も同様に、皮膚の真皮層に熱エネルギーを与えてコラーゲンの生成を促し、肌の引き締めやハリ感の改善を目指します。

比較的軽度から中程度のたるみに適しており、ダウンタイムがほとんどない点がメリットです。

糸リフト(スレッドリフト)の効果と持続期間

糸リフトは、特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚を引き上げる治療法です。使用する糸には、溶けるタイプと溶けないタイプ、コグ(とげ)が付いているタイプなど様々な種類があります。

糸を挿入することで物理的に皮膚を持ち上げる効果に加え、糸の刺激によってコラーゲン生成が促進され、肌のハリ感アップも期待できます。

治療直後からリフトアップ効果を実感しやすいですが、効果の持続期間は糸の種類や個人差により、一般的に半年から2年程度とされています。

ヒアルロン酸注入による改善

ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する保湿成分ですが、注入材としても広く用いられています。

首のたるみやシワに対しては、ボリュームが失われた部分や凹んだ部分にヒアルロン酸を注入することで、皮膚を内側から持ち上げ、ハリを出したり、シワを目立たなくさせたりする効果が期待できます。

特に、首の横ジワの改善などに用いられることがあります。効果の持続期間は、使用するヒアルロン酸の種類や注入部位によって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年程度です。

外科的治療:フェイスリフト・ネックリフトとは?

たるみが重度の場合や、より根本的で長期的な改善を求める場合には、外科的な治療法であるフェイスリフトやネックリフトが選択肢となります。

たるんだ皮膚やその下にあるSMAS筋膜と呼ばれる組織を引き上げることで、首や顔のたるみを効果的に改善します。

フェイスリフト手術の概要と種類

フェイスリフトは、主に顔全体のたるみを改善するための手術です。耳の周りなどを切開し、たるんだ皮膚だけでなく、その下にあるSMAS筋膜を引き上げて固定します。

これにより、頬のたるみやほうれい線、フェイスラインのもたつきなどを改善します。切開範囲や引き上げる方向、処理する組織の深さによって様々な術式があります。

首のたるみも同時に改善されることが多いですが、首のたるみが特に強い場合は、ネックリフトを併用することもあります。

ネックリフト手術の具体的な方法

ネックリフトは、特に首のたるみやシワ、二重あごの改善に特化した手術です。一般的には、耳の後ろからうなじにかけて、あるいはあごの下などを切開します。

たるんだ皮膚を切除するだけでなく、緩んだ広頸筋を中央に引き寄せて縫合したり、SMAS筋膜を引き上げたりすることで、首のラインをすっきりと整えます。

余分な脂肪がある場合は、同時に脂肪吸引を行うこともあります。フェイスリフトと組み合わせて行われることも多い手術です。

ネックリフトの主なアプローチ

アプローチ箇所主な目的
耳の後ろ~うなじ広範囲の皮膚のたるみ、首全体の引き上げ
あごの下あご下のたるみ、二重あご、広頸筋の引き締め

切開リフトの効果とダウンタイムについて

フェイスリフトやネックリフトといった切開を伴うリフト手術は、たるみの原因となっている皮膚や筋膜を直接処理するため、非外科的治療に比べて効果が高く、持続期間も長いのが特徴です。

一般的に、効果は5年から10年程度持続すると言われていますが、個人差や術後のケア、生活習慣によって異なります。

一方で、切開を伴うため、術後の腫れや内出血といったダウンタイムが必要です。

ダウンタイムの期間は、手術の範囲や術式、個人差によって大きく異なりますが、通常、大きな腫れは1~2週間程度、完全に落ち着くまでには数ヶ月かかる場合があります。

ダウンタイム中の主な症状

  • 腫れ
  • 内出血
  • 痛み
  • 傷跡(時間とともに目立ちにくくなる)

手術のリスクと合併症の可能性

どのような手術にもリスクや合併症の可能性は伴います。フェイスリフトやネックリフトの場合、出血、感染、傷跡の問題(ケロイドや肥厚性瘢痕)、皮膚の壊死、神経損傷(顔面神経麻痺による表情の動きにくさ、知覚神経の鈍麻など)、左右差、効果の不足などが考えられます。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師を選ぶこと、術前のカウンセリングで十分に説明を受け理解すること、術後の指示をきちんと守ることが重要です。

考えられるリスク・合併症

リスク・合併症の種類具体的な内容
出血・血腫術後に出血が続き、血液がたまる状態
感染傷口から細菌が入り、炎症を起こす状態
傷跡の問題ケロイド(傷跡が赤く盛り上がる)、肥厚性瘢痕
皮膚壊死血行不良により皮膚組織が死んでしまう状態
神経損傷顔面神経麻痺(表情筋の麻痺)、知覚神経麻痺(しびれ)
その他左右差、効果不十分、ひきつれ感など

筋トレと整形の比較:あなたに合った改善策は?

首のたるみ改善には、自分でできる筋トレやセルフケアと、美容クリニックで行う整形(非外科的治療・外科的治療)という選択肢があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが適しているかは、たるみの程度や求める効果、ライフスタイルによって異なります。

効果の即効性と持続性の違い

筋トレやセルフケアは、効果が現れるまでに時間がかかり、変化も緩やかです。継続することで予防や軽度の改善は期待できますが、即効性は低いと言えます。

一方、美容整形、特に外科的手術(フェイスリフト・ネックリフト)は、たるんだ組織を直接処理するため、効果が分かりやすく、変化も大きいです。

非外科的治療(HIFU、糸リフトなど)も比較的早期に効果を感じやすいですが、外科手術ほどの持続性はありません。

効果の比較

アプローチ即効性持続性効果の大きさ
筋トレ等低い継続により維持・予防限定的
非外科治療中程度数ヶ月~2年程度(治療による)中程度
外科治療高い5年~10年程度(個人差あり)大きい

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費用とダウンタイムの比較

費用面では、筋トレやセルフケアはほとんどかからないか、スキンケア用品代程度で済みます。美容整形は、治療法によって費用が大きく異なります。

一般的に、非外科的治療は数万円から数十万円、外科的手術は数十万円から百万円以上かかる場合もあります。

ダウンタイム(回復期間)については、筋トレやセルフケアにはダウンタイムはありません。非外科的治療はダウンタイムが短いか、ほとんどないものが多いですが、糸リフトなどでは多少の腫れや内出血が出ることがあります。

外科的手術は、数週間から数ヶ月のダウンタイムが必要です。

たるみの程度に応じた選択肢

どの改善策を選ぶかは、現在のたるみの程度が重要な判断基準となります。 たるみがごく軽度で、予防を主目的とする場合は、筋トレやスキンケアなどのセルフケアを継続することが基本となります。

軽度から中程度のたるみで、セルフケア以上の効果を求めるが、手術には抵抗がある場合は、HIFU、レーザー、糸リフト、注入治療などの非外科的治療が適している可能性があります。

たるみが重度で、フェイスラインの崩れや首の深いシワが気になる場合は、フェイスリフトやネックリフトといった外科的手術が、より効果的な改善をもたらす可能性があります。

医師とのカウンセリングの重要性

最終的にどの治療法を選択するにしても、まずは専門の医師に相談することが重要です。医師は、あなたの首のたるみの状態、皮膚の質、骨格、全身状態などを診察し、医学的な見地から適切な治療法を提案します。

また、カウンセリングでは、各治療法のメリット・デメリット、期待できる効果、リスク、費用、ダウンタイムなどについて詳しく説明を受けることができます。

ご自身の希望やライフスタイル、予算などを伝えた上で、十分に納得できるまで相談し、最適な治療法を一緒に見つけていくことが大切です。安易に自己判断せず、専門家の意見を聞くことをお勧めします。

首のたるみ改善に関するよくある質問

ここでは、首のたるみ改善に関して、患者様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。治療を検討する際の参考にしてください。

筋トレだけで首のたるみは完全に治りますか?

筋トレは、首周りの筋肉を鍛え、血行を促進することで、たるみの予防やごく軽度のたるみに対してはある程度の効果が期待できます。

しかし、すでに進行してしまった皮膚のたるみや、加齢によるコラーゲン・エラスチンの減少、深いシワなどを筋トレだけで完全に元通りにすることは難しい場合が多いです。

筋トレはあくまでセルフケアの一環として捉え、過度な期待はしない方が良いでしょう。より確実な改善を求める場合は、美容医療の併用も検討することをお勧めします。

整形手術は痛いですか?ダウンタイムはどのくらい?

美容整形には様々な種類があり、痛みやダウンタイムの程度は治療法によって大きく異なります。

HIFUやレーザーなどの非外科的治療は、施術中に多少の熱感や軽い痛みを感じることがありますが、麻酔クリームを使用することで軽減できます。ダウンタイムはほとんどありません。

糸リフトは、局所麻酔を使用するため施術中の痛みは少ないですが、術後に多少の腫れ、内出血、引きつれ感などが数日から1週間程度続くことがあります。

フェイスリフトやネックリフトなどの外科手術は、全身麻酔や静脈麻酔で行うため、手術中の痛みはありません。

術後は痛み止めでコントロールできる程度の痛みがありますが、腫れや内出血が比較的長く続き、大きな腫れが引くまでに1~2週間、完全に落ち着くまでには数ヶ月かかるのが一般的です。

費用はどのくらいかかりますか?

費用も治療法によって大きく異なります。自由診療のため、クリニックによっても設定が異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

治療費用の目安(一般的な相場)

治療法費用の目安(1回あたり)備考
HIFU・レーザー数万円~十数万円照射範囲やショット数による
糸リフト十数万円~数十万円糸の種類・本数による
ヒアルロン酸注入数万円~十数万円注入量による
外科手術数十万円~百万円以上術式・範囲による(麻酔代・検査代等が別途の場合あり)
治療後のメンテナンスは必要ですか?

どのような治療法を選択した場合でも、効果を長持ちさせ、良い状態を維持するためには、治療後のセルフケアや定期的なメンテナンスが推奨されます。

セルフケアとしては、引き続き保湿や紫外線対策を徹底することが基本です。 非外科的治療(HIFU、レーザー、糸リフト、注入治療など)は、効果の持続期間に限りがあるため、効果を維持するためには定期的に治療を繰り返すことが一般的です。治療間隔は、選択した治療法や個人差によって異なります。

外科手術(フェイスリフト・ネックリフト)は、効果の持続期間が比較的長いですが、加齢による変化は完全に止めることはできません。

そのため、術後もスキンケアを継続したり、必要に応じて非外科的治療を組み合わせたりすることで、より長く良好な状態を保つことができます。

担当医師と相談しながら、ご自身に合ったメンテナンス計画を立てることが大切です。

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