【切らないリフトアップ】半永久的な効果は期待できる？種類と持続期間

メスを使わずに顔のたるみを改善したいと考える方は多いでしょう。「切らないリフトアップ」は、ダウンタイムが短く手軽に受けられるため人気の施術です。

しかし、「本当に効果があるの？」「半永久的な効果は期待できる？」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。

この記事では、切らないリフトアップの種類や特徴、期待できる効果と持続期間、そして施術を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

切らないリフトアップとは？基本的な知識

切らないリフトアップは、その名の通りメスを使わずに顔のたるみやしわを改善する美容医療の総称です。

手術に比べて体への負担が少なく、日常生活への影響も抑えられるため、美容医療が初めての方や忙しい方にも選ばれています。

さまざまなアプローチがあり、それぞれ特徴や効果の現れ方が異なります。

メスを使わない手軽さの魅力

切らないリフトアップの最大の魅力は、メスを使用しない点です。

これにより、手術に伴う痛みや腫れ、内出血といったリスクを大幅に軽減できます。また、傷跡が残る心配もほとんどありません。

施術時間も比較的短く入院の必要がないため、日常生活の合間に受けやすいのが特徴です。

主な切らないリフトアップの概要

施術方法	主なターゲット	特徴
糸リフト	皮膚のたるみ、SMAS筋膜	特殊な糸を挿入し引き上げる
ハイフ（HIFU）	SMAS筋膜、皮下組織	超音波で熱エネルギーを照射
注入治療	しわ、ボリューム減少部位	ヒアルロン酸やボトックスなどを注入

ダウンタイムが短い理由

切らないリフトアップは、皮膚表面へのダメージを最小限に抑える工夫がされています。

例えば、ハイフ（HIFU）は皮膚表面には影響を与えず、深部のSMAS筋膜にピンポイントで熱エネルギーを届けます。糸リフトも挿入する針穴が小さいため、治癒が早い傾向にあります。

これらの理由から、施術後の腫れや赤みが少なく、回復期間であるダウンタイムが短く済むのです。

期待できる効果と限界

切らないリフトアップで期待できる効果は、たるみの引き締め、フェイスラインの改善、肌のハリ感アップなど多岐にわたります。

しかし効果の程度には限界があり、重度のたるみや皮膚の余剰が大きい場合には、外科的なフェイスリフト手術ほどの劇的な変化は望めないことも理解しておく必要があります。

ご自身の状態や希望する効果について、医師としっかり相談することが大切です。

期待できる効果

• 肌の引き締め
• 小じわの改善
• フェイスラインのシャープ化
• 肌質の向上

効果の持続期間は施術によって異なる

切らないリフトアップの効果の持続期間は、選択する施術方法や使用する機器、個人の肌質や生活習慣によって大きく異なります。

一般的には数ヶ月から1年半程度とされていますが、これはあくまで目安です。効果を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや適切なアフターケアが重要になります。

切らないリフトアップの種類と特徴

切らないリフトアップには様々な種類があり、それぞれアプローチ方法や得意とする悩みが異なります。ここでは代表的な施術について、その特徴を解説します。

糸リフト（スレッドリフト）

糸リフトは、コグ（トゲ）のついた特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚組織を引き上げる治療法です。糸の種類や挿入する本数、部位によって効果の出方や持続期間が変わります。

物理的に引き上げるため、施術直後からリフトアップ効果を実感しやすいのが特徴です。

また、糸が吸収される過程でコラーゲン生成が促進され、肌のハリや弾力アップも期待できます。

糸リフトの種類と特徴比較

糸の素材	特徴	吸収期間の目安
PDO（ポリジオキサノン）	柔軟性があり、引き締め効果が高い	約6ヶ月～1年
PCL（ポリカプロラクトン）	持続期間が比較的長い	約2年～3年
PLLA（ポリ乳酸）	コラーゲン生成促進効果が高い	約1年半～2年

ハイフ（HIFU）

ハイフ（高密度焦点式超音波）は、超音波エネルギーを皮膚深層のSMAS筋膜に集中的に照射し、熱凝固させることで組織を収縮させ、たるみを引き締める治療法です。

皮膚表面にはダメージを与えずに、深部からリフトアップ効果をもたらします。

効果は施術後1ヶ月～3ヶ月かけて徐々に現れ、コラーゲン生成も促進されるため、肌のハリや弾力も改善します。

ハイフは照射する深さを調整することで、SMAS筋膜だけでなく、皮下脂肪層や真皮層にもアプローチできます。これにより、より多角的なリフトアップ効果が期待できます。

ハイフの照射深度とターゲット

照射深度	主なターゲット層	期待される効果
1.5mm	真皮浅層	小じわ改善、肌のハリ
3.0mm	真皮深層～皮下組織	引き締め、コラーゲン生成
4.5mm	SMAS筋膜	リフトアップ

注入治療（ヒアルロン酸・ボトックスなど）

注入治療は、ヒアルロン酸やボトックス（ボツリヌストキシン）などを気になる部位に注入することで、しわやたるみを改善する治療法です。

ヒアルロン酸は、ボリュームが減少した部分を補ったり、溝になったしわを持ち上げたりする効果があります。

ボトックスは筋肉の動きを抑制することで表情じわを改善します。手軽に受けられ、ダウンタイムもほとんどないのが特徴です。

レーザー・高周波治療

レーザー治療や高周波（RF）治療は、皮膚に熱エネルギーを与えることでコラーゲンの生成を促し、肌を引き締める治療法です。

レーザーは特定の波長の光を、高周波は電磁波を利用します。

肌のタイトニングや質感改善、小じわの軽減などに効果が期待でき、施術中の痛みが少なくダウンタイムも短いものが多いです。

「半永久的」は本当に可能？持続期間の真実

「切らないリフトアップで半永久的な効果を」と期待する方もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。

ここでは、効果の持続期間に関する真実と、効果を長持ちさせるためのポイントについて解説します。

「半永久的」という言葉の解釈

美容医療において「半永久的」という言葉が使われることがありますが、これは「一度施術すれば永久に効果が続く」という意味ではありません。

切らないリフトアップの場合、効果の持続期間は数ヶ月から数年程度が一般的です。

加齢による自然な変化は誰にでも起こるため、完全に老化を止めることはできません。しかし、適切な施術を定期的に受けることで良い状態を長く維持することは可能です。

効果を持続させるためのポイント

効果をできるだけ長く持続させるためには、いくつかのポイントがあります。

まず、施術後のアフターケアを丁寧に行うことが重要です。保湿や紫外線対策を徹底し、肌への刺激を避けるように心がけましょう。

また、バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動といった健康的な生活習慣も肌の状態を良好に保つために大切です。

喫煙は肌の老化を早めるため、控えることを推奨します。

各施術の一般的な持続期間の比較

施術方法	効果の現れ方	一般的な持続期間の目安
糸リフト	施術直後～徐々に	6ヶ月～2年程度
ハイフ（HIFU）	1ヶ月～3ヶ月後がピーク	6ヶ月～1年半程度
ヒアルロン酸注入	施術直後	6ヶ月～1年半程度（製剤による）

繰り返し施術の必要性

切らないリフトアップの効果は永続的ではないため、良い状態を維持するためには、多くの場合、定期的な繰り返し施術が必要です。

施術の間隔は選択する施術方法や個人の状態によって異なりますが、医師と相談しながら適切なタイミングでメンテナンスを行うことが長期的な効果につながります。

この繰り返し施術により、加齢による変化のスピードを緩やかにすることが期待できます。

効果の個人差について

切らないリフトアップの効果の現れ方や持続期間には、個人差が大きいことを理解しておく必要があります。年齢、肌質、たるみの程度、生活習慣、遺伝的要因などが影響します。

また、同じ施術を受けても効果の実感には差が出ることがあります。

カウンセリングで医師に自分の状態を正確に伝え、期待できる効果や限界について十分に説明を受けることが大切です。

あなたに合うのはどれ？施術選びのポイント

多くの種類の切らないリフトアップがある中で、自分に適した施術を選ぶことは簡単ではありません。後悔しない施術選びのための重要なポイントを、あなたの視点に立って解説します。

たるみの原因と深さを知る

「たるみ」と一言で言っても、その原因は一つではありません。皮膚のゆるみ、皮下脂肪の増減や下垂、さらにはその下にあるSMAS筋膜のゆるみ、骨格の変化など、複数の要因が絡み合っています。

そして、たるみがどの深さで起きているかによって効果的なアプローチが変わってきます。

例えば、皮膚表面の浅いたるみにはレーザーや高周波が、SMAS筋膜のような深い層のたるみにはハイフや糸リフトが適している場合があります。

ご自身のたるみがどの層に原因があるのか、まずは専門医に見極めてもらうことが適切な施術選びの第一歩です。

たるみのタイプ別おすすめ施術傾向

たるみの主な原因	深さの目安	適した施術の傾向
皮膚の弾力低下	表皮～真皮浅層	レーザー、高周波、注入（スキンブースター）
皮下脂肪の増減・下垂	皮下組織	ハイフ（脂肪溶解モード）、糸リフト、注入（ボリューム調整）
SMAS筋膜のゆるみ	SMAS層	ハイフ（SMASターゲット）、糸リフト

ライフスタイルと許容できるダウンタイム

美容医療を受ける上で、ご自身のライフスタイルや、どれくらいのダウンタイムなら許容できるかを考えることは非常に重要です。

仕事が忙しくまとまった休みが取れない方や、人に気づかれにくい施術を希望する方は、ダウンタイムがほとんどない注入治療や一部のレーザー治療などが選択肢になるでしょう。

一方、多少の腫れや内出血があってもよりしっかりとした効果を求めるのであれば、糸リフトやハイフなども検討できます。

無理なく治療を続けられるように、ご自身の状況を医師に伝え、相談しながら計画を立てましょう。

医師とのカウンセリングの重要性

施術選びにおいて、医師とのカウンセリングは最も重要な時間です。

単に施術の説明を受けるだけでなく、あなたの悩みや希望、不安な点をしっかりと伝え、医師がそれに対して真摯に耳を傾け、専門的な知識と経験に基づいて最適な提案をしてくれるかどうかが鍵となります。

メリットだけでなく、デメリットやリスク、他の選択肢についても丁寧に説明してくれる医師を選びましょう。

費用と効果のバランスを考える

切らないリフトアップは、施術によって費用が大きく異なります。高額な施術が必ずしも自分にとって最良とは限りませんし、安価な施術でも期待以上の効果が得られることもあります。

大切なのは、費用と期待できる効果、そして持続期間のバランスを総合的に考えることです。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを比較検討することも有効です。ただし、費用だけで選ぶのではなく、医師の技術力やクリニックの信頼性も考慮に入れるようにしましょう。

切らないリフトアップのメリット・デメリット

切らないリフトアップは手軽さが魅力ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。施術を受ける前に両方を理解しておくことが後悔しない選択につながります。

メリット 手軽さと負担の少なさ

最大のメリットは、メスを使わないため体への負担が少ないことです。手術に比べて痛みや腫れ、内出血のリスクが低減され、ダウンタイムも短く済みます。

多くの場合施術当日からメイクが可能で、日常生活への支障も少ないため、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。

また、傷跡が残る心配もほとんどありません。

デメリット 効果の限界と持続性

切らないリフトアップは、外科的なフェイスリフト手術に比べると効果の程度や持続期間には限界があります。

特に、たるみが重度の場合や皮膚の余剰が多い場合には、期待するほどの変化が得られないこともあります。また、効果を持続させるためには、定期的なメンテナンスが必要になることが多いです。

主な施術のメリット・デメリット比較

施術方法	主なメリット	主なデメリット
糸リフト	即効性、引き上げ力	腫れ・内出血の可能性、ひきつれ感
ハイフ（HIFU）	ダウンタイム短い、深部への作用	効果が徐々に現れる、痛みを感じる場合がある
注入治療	手軽、ダウンタイムほぼなし	効果が限定的、持続期間が比較的短い

副作用やリスクについて

切らないリフトアップも医療行為である以上、副作用やリスクが全くないわけではありません。一般的なものとしては、施術部位の赤み、腫れ、内出血、痛み、違和感などが挙げられます。

これらは通常、数日から数週間で自然に軽快します。稀に、感染や神経損傷、アレルギー反応などが起こる可能性も否定できません。

事前に医師から十分な説明を受け、理解しておくことが重要です。

施術を受けられないケース

以下のような方は、切らないリフトアップを受けられない、あるいは慎重な判断が必要な場合があります。

• 妊娠中・授乳中の方
• 重度の皮膚疾患や感染症がある方
• ケロイド体質の方
• 特定の持病がある方（医師に要相談）

必ず事前に医師に申告し、相談するようにしてください。

施術後の過ごし方とアフターケア

切らないリフトアップの効果を最大限に引き出し、長持ちさせるためには、施術後の過ごし方と適切なアフターケアが非常に重要です。ここでは、注意点やケア方法について解説します。

施術当日の注意点

施術当日は、飲酒や激しい運動、長時間の入浴やサウナは避けるようにしましょう。これらは血行を促進し、腫れや内出血を悪化させる可能性があります。

施術部位はデリケートな状態になっているため、強くこすったり、マッサージしたりしないように注意してください。医師から指示された場合は、冷却を行うと症状の緩和に役立ちます。

日常生活でのケア方法

施術後は、肌のバリア機能が一時的に低下していることがあります。そのため、保湿ケアをいつも以上に丁寧に行い、肌の乾燥を防ぐことが大切です。

また、紫外線は肌の老化を促進し、色素沈着の原因にもなるため、日焼け止めを塗るなどして紫外線対策を徹底しましょう。洗顔やメイクの際は、肌を優しく扱うように心がけてください。

施術後の一般的な経過

期間	主な状態	ケアのポイント
施術直後～数日	赤み、腫れ、軽い痛み	冷却、安静、刺激を避ける
数日～1週間	症状が徐々に軽減	保湿、紫外線対策、優しい洗顔
1週間～1ヶ月	ほぼ通常通り、効果が出始める	引き続き丁寧なスキンケア

効果を高めるセルフケア

効果を高め、持続させるためには日々のセルフケアも重要です。バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンCやタンパク質など、肌の健康に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。

十分な睡眠は肌のターンオーバーを整え、回復を助けます。また、ストレスを溜めないようにリフレッシュする時間を持つことも、美肌を保つためには大切です。

ただし、自己判断でのマッサージや美顔器の使用はかえって逆効果になる場合もあります。施術後のセルフケアについては、必ず医師の指示に従ってください。

定期的なメンテナンスのすすめ

切らないリフトアップの効果は永続的ではないため、良い状態を維持するためには定期的なメンテナンスが推奨されます。

施術の種類や個人の状態によって適切な間隔は異なりますが、医師と相談しながら計画的にメンテナンスを行うことで長期的に若々しい印象を保つことが期待できます。

メンテナンスは、効果が完全になくなる前に行うのがポイントです。

よくある質問

切らないリフトアップに関して、患者様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

痛みはありますか？

施術の種類や個人の痛みの感じ方によって異なりますが、多くの切らないリフトアップでは、麻酔クリームや局所麻酔を使用することで痛みを最小限に抑える工夫をしています。

ハイフの場合は、チクチクとした熱感や鈍い痛みを感じることがあります。糸リフトの場合は、挿入時に多少の痛みを感じることがありますが、麻酔により軽減されます。

痛みが心配な方は、カウンセリング時に医師に遠慮なく相談してください。

施術時間はどのくらいですか？

施術時間は、選択する施術の種類や範囲によって異なります。注入治療であれば10分～30分程度、ハイフや糸リフトであれば30分～1時間程度が一般的です。

カウンセリングや麻酔の時間を含めると、もう少し長くなる場合があります。具体的な所要時間については、事前にクリニックに確認しておくと良いでしょう。

メイクはいつからできますか？

多くの切らないリフトアップでは、施術当日からメイクが可能です。ただし、施術部位に針穴がある場合や、赤みや腫れが強い場合は、数日間メイクを控えるよう指示されることもあります。

また、メイクをする際やクレンジングの際は、施術部位を強くこすらないように注意が必要です。詳細は医師の指示に従ってください。

他の施術との併用は可能ですか？

切らないリフトアップは、他の美容施術と組み合わせることで、より高い相乗効果が期待できる場合があります。例えば、ハイフで土台を引き締め、ヒアルロン酸でボリュームを補い、ボトックスで表情じわを改善するといったコンビネーション治療も行われます。

ただし、施術の組み合わせやタイミングには専門的な判断が必要です。希望する施術がある場合は、必ず医師に相談し、適切なプランを立ててもらいましょう。